レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

Penの少女マンガ特集

2013-05-27 17:26:09 | マンガ
「Pen」という月刊誌で少女マンガの特集をしていて、男性向け雑誌の記事にしては予想外に悪くないという評判をネットでよく見たので私も買った。
 「いますぐ読むべき大作6本」として挙げているのは、『リボンの騎士』『ベルばら』『ガラスの仮面』『日出処の天子』『ポーの一族』『パタリロ!』。
 途中までや一部だけも含めれば私は全部読んでいる。愛着のあるのは『ベルばら』。
 これらのうち、完璧に終わっているのは半分か。『ベルばら』の場合、たいして好評でもなさそうな『ベルばらKids』があるし、なんだかんだで読み切りの新作が出ていたりする。『ガラかめ』は、古参読者がけっこうグチっている。『パタリロ!』は、本編のほかにあれこれと出ていて、評判はいろいろ。作家全体として健在ぶりが最も確かなのは萩尾さんではなかろうか。新作も好評だし、本人の言動がひんしゅくをかったりもしていないようだし。
 このほかに、「まずは読むべき、傑作少女マンガ50選」。
「歴史」ジャンルの7本(『あさきゆめみし』『陰陽師』大奥』『王家の紋章』『オル窓』『天河』『バビロンまで何マイル?』)は、一部だけも含めれば私は全部読んでいる。
 50のうちでは20本、最近のだとめっきりご無沙汰。『動物のお医者さん』がはいっているのはいいけど、『エロイカ~』がないのはちと納得いかない。この中には『セーラームーン』が含まれていないけど、代表「ヒロイン」で出てきているからまあよしとしよう。
 現在の雑誌を分類した図は、上下に「大人」と「子供」、左右に「やんちゃ系」「文化系」とし、そのいちばんの右上に「作家主義が色濃い三誌」、メロディ、フラワーズ、フィールヤング。フィールヤングはしらんけど、メロディとフラワースが同じくくりに入っていることは納得できる。その下の位置に「白泉社というガラパゴス」って・・・。80年代まではこれらの雑誌(花ゆめ、別花、ララ)ももっと手応えがあったという印象。メロディが白泉社の中で少々異色になっているとは淋しい。
 いま私は少女誌を購読していないが、もし買うならばメロディかフラワーズにするだろう。

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「世界史リブレット人」 なんて読むのだろう?

2013-05-19 06:02:42 | 歴史
 新聞の広告で、山川出版社の「世界史リブレット人」というレーベルを知ったので検索したらツィッターが出てきたので貼る。
「山川出版社 販売促進部 」
 しかし該当の部分は既に下になっているので、コピーする。

【近刊案内】4月下旬刊行予定、山川出版社刊、大内宏一=著、世界史リブレット人65『ビスマルク-ドイツ帝国の建国者』、A5変型、96頁、定価840円(本体800円)。ドイツを国家的統一へと導いたビスマルク。彼を取り巻く時代背景や状況に注目しながら、ドイツ帝国建設にいたる道筋を追う。
4月下旬刊行予定、山川出版社刊、間野英二=著、世界史リブレット人46『バーブル-ムガル帝国の創設者』、A5変型、92頁、定価840円(本体800円)。バーブルの時代の中央アジア・南アジアの動きを追うとともに、回顧録『バーブル・ナーマ』を通して彼の人間的魅力をさぐる。
4月下旬刊行予定、山川出版社刊、佐藤彰一=著、世界史リブレット人29『カール大帝-ヨーロッパの父』、A5変型、104頁、定価840円(本体800円)。8世紀後半~9世紀前半の西ヨーロッパの世界の姿を紹介し、カール大帝が「西ローマ帝国」を戴冠した決意とその意図をさぐる。
4月下旬刊行予定、山川出版社刊、高木智見=著、世界史リブレット人10『孔子-戦えば則ち克つ』、A5変型、108頁、定価840円(本体800円)。伝来文献と出土史料の両者をもとに、春秋時代という戦乱期の「軍礼」の精神との関わりから明らかにする。
4月下旬刊行予定、山川出版社刊、澤田典子=著、世界史リブレット人5『アレクサンドロス大王-今に生きつづける「偉大なる王」』、A5変型、96頁、定価840円(本体800円)。神話と伝説に包まれた彼の実像を探り、後世につながる彼のイメージの変遷を辿る。

 コピー終わり。
 巻数からすると、番号と時代の古さは、だいたいは一致するように並べると見える。「5」のアレクサンドロスより「10」の孔子のほうが古いけど。この周辺には、カエサルやアウグストゥスの名前も出てくるのであろう。
 ここで挙がった5人のうちで私がいちばん馴染みのあるのはと言えば・・・特に誰ということもないな。どんなやつかというイメージはそれぞれにわくけど。少女マンガに向くのはアレクサンドロスか。
 バーブルというと亀さんの『歴史系倉庫』の印象が強い。(というよりそれしかほとんど知らない)
 そういえば(?)、清水義範『世界文学必勝法』に、『バーブル・ナーマ』が紹介されていることにこのまえ気がついた。
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タンホイザーその他

2013-05-16 05:45:52 | 
 先日、国際欄で、デュッセルドルフで上演中の『タンホイザー』が中止されたという記事が載った。「ホロコーストを描写した演出の生々しさに気分が悪くなり、体調不良を訴える観客が続出したことが理由という。」
「演出家の意向で、ナチスの時代に設定を置き換え、4日から上演されていた。演出家が内容の変更を拒んだため、今後は、音楽だけを上演する。」

 ワーグナーのオペラでナチスと重ねるという演出はむしろ陳腐なくらいだというし、『指環』でヴォータンがヒトラーなんていうのはまだわからんでもないが、タンホイザーをどうやってナチ時代にするんだ?
 中野京子さんによると、衣装代をケチるために現代に移してしまうということはありがちだそうだが、目の楽しみが減ることは間違いない。

 私はワグナー作品では『タンホイザー』と『ローエングリン』と『トリスタンとイゾルデ』、もう10年以上まえに『指環』を見た(いずれも舞台ではない)。
 某オペラの本に、初めてオペラを見に行く人は決してワグナーを選んではいけない、やたら長いし進みが遅いしで眠くなる(その点『カルメン』はいい!)と書いてあった。私は今回納得した。
 まえに見た『指環』の時にはあまり感じなかった(題材への関心が強いという理由が大きいか?)。
 『ローエングリン』はわりにとっつきやすいと思った。
 『トリスタンとイゾルデ』、これはもう閉口した・・・。 そもそもけっこう長い、登場人物もエピソードも多い話を思いっきりカットして単純化している、それを、4時間近くも延々と・・・。半分で充分だ!と叫びたくなった。白状すると、かつて「ペーパーオペラ」で読んだときのほうがはるかに面白かった、相愛の仲なのに伯父の求婚の使者としてやってきたトリスタンへの屈折した愛憎をイゾルデが述懐し、毒盃を共にあおって死のうと計るくだりなど。
 『タンホイザー』、「ヴァルトブルクの歌合戦」と、聖女エリーザベトが結びついて伝わる物語であり、ほかの作家にも取り上げられている。アイヒェンドルフの『秋の惑わし』、悦楽の果てに悔悟の道を、という展開もまたタンホイザーのヴァリエーションと言える。
 しかし。ヴァーグナー版は、タンホイザーの救いのために自らの命を捧げて祈るエリーザベトを設定している。どうも私はこれが気に入らない。ヒロインに自己犠牲要求しすぎ! 「愛による救済」といえば、(見たことないけど)同じ作者の『さまよえるオランダ人』のゼンタもそうである。しかしこちらは、冷静に考えて彼女の行動は常軌を逸している、それがかえって面白みになっているような気もするのだ。その点エリーザベトは、けなげすぎて嫌だ! 彼女のおかげでタンホイザーは救われ、教皇の杖に芽がふくという奇蹟が起こり、ハレルヤ、ハレルヤ、とーーーへっ、なーにがハレルヤだっ! 教皇の心の狭さが二人を死に追いやったんだろうが。 私がヴォルフラムだったらひと太刀浴びせてやりたいわっ!
 『指環』で異教の世界を取り上げた作者なのだから、女神ヴィーナスを単純に悪役と考えていたとも思えないし、ラストのハレルヤにも大いに皮肉が含まれていたのではないかとは思う。
 
 ハインリヒ・ハイネの描いたタンホイザーは、ヴェヌスとの日々に少々飽きて、教皇のもとへ行く。そこで女神がいかに魅惑的かと延々と述べる、おまえ懺悔じゃなくてノロケに来たのかいと言わずにはいられない。もちろん許しなんぞ得られないけどそれで気落ちもせずにまた女神のところへ幸せにもどっていく。 こちらのほうが私はずっと好きである。

 もっと言うならば。
 ナチものにどっぷりと向き合ったことのある身にとっては、肉欲に耽ったごときで罪などと呼ぶことからして片腹痛いのだ。
 あれ、もしかして、件のナチ時代に移した演出って、タンホイザーが強制収容所で悪いことしてた過去になっているなんていうのか?それならば許されなくてもわかるんだが。原作破壊に違いはないが。
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『草の花』の紹介のしかた

2013-05-12 06:22:49 | 
このごろ、ネットの上での本の新刊情報が遅くなっていないだろうか。
 数ヶ月前までは、特にコミックスは、月の下旬あたりには再来月のぶんが、「大洋社」に不完全ながらも載っていた。しかし現在、5月11日、まだ6月のが出てこない。「6月 コミックス 新刊」などで検索してもほとんど発見できない。
 マンガ以外、文庫の新刊案内もそうだ。いまになってもまだ6月のがわからない。角川文庫のサイトを見てもまだ、集英社文庫でも今月までしか載っていない。大きなところでの方針変更でもあったのだろうか。
 

『生き方がみつかる 青春の読書案内』 小川義男監修  小学館

 この本の中での『草の花』についてまえに取り上げたことがあるが、借りてきたのでもっと正確な引用をして訂正と追加をしておきたい。(それに伴い、前の記事は削除した)

「旧制高校時代、汐見は1年後輩の藤木忍の美しい魂を愛し、純粋な愛を捧げた。
 大学を卒業した彼は、藤木の妹・千枝子に恋をする。
 いずれも、魂を美しくすることを求めた愛であり、恋であった。
(略)
 自分は平凡な人間だという藤木忍は、(略)汐見の友情を退け、二十歳になる前に、病でこの世を去った。
 千枝子は(略)彼から去っていった。
(略)
 汐見の述懐は、恋愛は孤独の極みであり、人間は誰しもがひとりであることを、私たちに切々と訴えてくるのだ」

 「旧制高校」が男だけであることを知らなければ「藤木忍」が女だと思ってしまうかもしれないと前には書いたが、引用のセリフに「僕」とあるのでその誤解はないかと認識を改めた。しかしやはり、藤木が美少年であることも汐見にとって意味を持っていなかったとは思えない、それを無視しているのはいかがなものか。私がこのブログで前に書いたことがあるが(2006.6.7)、柴門ふみの指摘のように、私も、汐見は藤木忍に「恋」を、千枝子にむしろ友情を抱いていたと思う。しかし上記の本ではそれを逆に見せたいようだ。この本を紹介しているのは『友情を考える』の章であるし。ほかに『こころ』『友情』『走れメロス』など。『愛を知る』には『春琴抄』『伊豆の踊子』『野菊の墓』『雪国』『風立ちぬ』など。(ここでは古典ばかり挙げているけど現代もあるので念のため)
私が学部2年のときにドイツ語の時間に『トニオ・クレーゲル』を購読したが、トニオのハンスへの「友情」と訳した学生に対して先生が、「友情」は逃げですね、これは「愛」です、とコメントしたことを思い出す。  「恋」のほうがもっと適切だと思うが。
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神話は萌えジャンル説

2013-05-09 13:21:20 | マンガ
 このまえから駒倉葛生『居間には今外国人がいます。』が始まったので買うようになった「まんがタウン」(双葉社、7日発売)で、ほかに面白いと思うものの一つ、『少女よ漫画の星となれ』by松山花子。マンガ家志望の主人公が編集部の世話によって大御所マンガ家のアシスタントになっている。
 編集者:なるほど次の作品は古代神話を題材とした壮大なストーリー・・・結構ですね! 
      先生ほどの大ベテランになられるとやはりテーマとして神や自然を扱うようになって
      正直読み手は内容を理解しきれてるとは思えないんですけど
      「誰もついていけないくらいスゲェ話」ってことで本が売れるんですよーー!!
 (作者ツッコミ この会社独自の現象です)
 作家:本当はわかってるのよ
     神話だの古典だの小難しいことを書いたって若い人には面白くない
     だけど今更魔法だとか色恋なんかは書けないしーー
 主人公:あっでもーー
     神話ってもともと太陽や山が動植物に人格を持たせたもので
     それって「擬人化」って立派な萌えジャンルじゃないですか!
     全然イケますよ!

 このやりとりは興味深い。わけわからん方向に行くベテランも実際いるらしいし、それがヒンシュクを買う事態もあるようだけど。神話がそもそも「擬人化」だという指摘はなるほどもっともだ。
 神話や古典という題材でも読みやすく扱うベテランは立派に存在するし、安易に流行りものにはしってもらいたくない読者も一定数いる、たぶん。
 『居間今。』の、マキのところの居候たちの最古参ミヒャエルは、ドイツ人だと思われていたけど、実は南チロル出身、いちおうイタリア人であることが判明、私も驚いた。そういえば確かに、イタリア北部にはドイツ語圏もあると知ってはいる。ラインホルト・メスナーという登山家がいたなあ、名前しか知らんけど。

 いまごろだけど、『チェーザレ』10巻。
 「ピサ編」終わり。ジョヴァンニ・ディ・メディチにも見せ場をつくって卒業。フィレンツェではロレンツォの死期が近い。
 クリストバール・コロンは大航海へ(1492年は盛りだくさんすぎる・・・)。
 アンジェロも、マヌエラおばさんのはからい(?)が生きる機会があった。
 いろいろな点で一区切りついたのがきれいすぎて、これで終わっても許せるくらいなのがかえって不安になってくる。

 今月買うコミックス新刊は、桑田『放課後よりみち委員会』3、『風雲児たち 幕末編』22。
 雑誌はあと、「まんがタイムファミリー」7月号と「まんがタイムスペシャル」。
 「まんファミ」、『教師諸君!』が先々月(5月号)終わってやめたのに、番外編が7月号に載るというので(そしてついでに間の先月号も)買う。単行本最終巻の宣伝のために番外編を載せるという企画はたまにあるけど、作品が載ることじたいは嬉しいけど、単行本から漏れてしまうやり方は正直やめてほしい。ーー縮小コピーかけてコミックスにはさむことにする。
 来月ぶんコミックスでわかっているのは、駒倉『教師諸君!』3 『アド・アストラ』4(地味ながら続いているのだな・・・) そして問題の『テルマエ・ロマエ』6。
 
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男の平均顔 各国のデブ率

2013-05-07 05:45:59 | 地理
ネットで拾った。24ヵ国の男の「平均顔」だそうだ。だいたいは納得できる。ポーランドはもっと良くていいと思う。この中でいちばん美男だと私が思うのはウクライナ。美女の国ならば美男も多くて不思議はない。

「男の平均顔 」

 ついでに、世界のデブ率。さすがアメリカ堂々の1位。
「obesity」

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おののく そよぐ くれなずむ

2013-05-01 05:33:55 |   ことばや名前
 集英社の「満点ゲットシリーズ」は、人気キャラたちを使った学習まんがの一種である。『こち亀』や『まる子』がたくさん出ている。(絵は作者自身が描いているわけではない) 知人に送るので「まる子」ものが出たら買っている。私も読む。
 今回出た『読めるとたのしい 難読漢字教室』、知らないことも多くてためになるので、せっせとメモしている。
 「戦」の字の読み方として、「戦く」が「おののく」はまだわかるが、「戦ぐ」が「そよぐ」!? 「風そよぐ」が「風戦ぐ」では、まるでのどかに見えないではないか~~!
 「暮れなずむ」という言葉は風情があると思うけど、漢字で「暮れ泥む」・・・。
「夕日が西の空にかたむいているのになかなか日が暮れない様子からできたことばで、物事がなかなか進まない様子にも使われます。「とどこおる」の意味の漢字「泥」にあてて「暮れ泥む」と読むようにしています」 
 それにしても、「泥」なんて文字ははななだ美的でないよ・・・。

 某掲示板で見た例。
 素人の小説で、「あいつは強かです」というセリフにひっかかってしまったという話。
 私は確か、別の機会に「強かな笑み」という表現を見たのでそのときに「したたか」という読み方を知ったのだった。こちらの文脈ならば、えーと、つよかな笑みじゃおかしいし、したたかと読むのかな?と考える余地がある、しかし、「強かです」だと、すっと「つよかです」となってしまい、いきなりの九州男児化におののくことは大いにありそうだ。

 付記。
 とある手作りカレンダーに、5月はツツジの写真で、「可憐なツツジ」と書いてある。
 しかし、ツツジの漢字は「躑躅」・・・字面はむしろおどろおどろしくて、ぜんぜん可憐じゃない!

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