「美形」という言葉を初めて目にしたのは、30年以上まえの「別冊マーガレット」でだった。あまり耳慣れないものだったので最近の言葉のように感じたのだが、そのうち時代劇できいて意外に思った。しかし同じころ、『新選組始末記』(土方役は古谷一行)を見ていた友人が、『燃えよ剣』の栗塚トシについて「あの人もいいけどね、美形すぎる」と評した(彼女は史実認識を誤っていたのだ)ことを母に言うと、中学生が「美形」なんて古い言葉を使うことにいささか驚いていた。そう、あのころには、本来時代劇のような言葉である「美形」が、むしろミーハーっぽい感覚で使われ出していたのだろう。
似たような例。70年代終わりごろのコバルトの小説で、野球をやりたくて男子高に潜入する女の子(ムチャな設定だよな)が男装した姿を見て祖父が「中々の美少女、いや美少年じゃ」--「おじいちゃんの言うことはいちいち古い」 そうか、「美少年」は年寄りの使うような言葉だったのか。そのころ「JUNE」など出ていて、その世界では「美少年」とはアヤシゲなニュアンスを持っていた。いまはまた結構ふつうの言葉になっているだろうか。(「美少女」もなんだか安っぽくなってしまったな。)
「ハンサム」は古いことにされているらしい。「ハンサムっていつの言葉だよ、アラン・ドロンか」なんてセリフが小説にあった。
だからといって「イケメン」なんて私は使いたくない。これもいずれはみっともないようになるだろう。流行ものは、盛りを少しでも過ぎたらもうブザマになるものだ。一部は定着していくけど。もしかして「イケメン」も普通の言葉になるのだろうか?
似たような例。70年代終わりごろのコバルトの小説で、野球をやりたくて男子高に潜入する女の子(ムチャな設定だよな)が男装した姿を見て祖父が「中々の美少女、いや美少年じゃ」--「おじいちゃんの言うことはいちいち古い」 そうか、「美少年」は年寄りの使うような言葉だったのか。そのころ「JUNE」など出ていて、その世界では「美少年」とはアヤシゲなニュアンスを持っていた。いまはまた結構ふつうの言葉になっているだろうか。(「美少女」もなんだか安っぽくなってしまったな。)
「ハンサム」は古いことにされているらしい。「ハンサムっていつの言葉だよ、アラン・ドロンか」なんてセリフが小説にあった。
だからといって「イケメン」なんて私は使いたくない。これもいずれはみっともないようになるだろう。流行ものは、盛りを少しでも過ぎたらもうブザマになるものだ。一部は定着していくけど。もしかして「イケメン」も普通の言葉になるのだろうか?