私はミステリーマニアではない。きらいではないけど度々読むわけではない。マニアでないから特に注文がうるさいこともない。
ポプラ社の出している冊子、というより既に小説誌と言える「asta」という薄い月刊誌で、先月、歴史ミステリーの紹介があったので、そこに出ていた作品をあれこれ買ってみた。 歴史上の人物や事件に絡んでいるとなると、ハーレクインまでチェックする私なので当然である。
柳広司で最初に読んだのは、『贋作「坊ちゃん」殺人事件』。松山(とは作中書かれていないのだけど)から東京に帰って街鉄で働く身の「おれ」を「山嵐」が訪ねてくる。「赤シャツ」が自殺したというのだが、それが怪しい。二人は松山へ赴き、事件を探り始める。
漱石の他の作品から引いたネタがところどころ見受けられるのも楽しみの一つ。山嵐が自由民権の闘士だったという設定も、会津出身ということを思えば納得できる。
この作家はほかにも漱石ネタが2作あり、そのうちの一つが『吾輩はシャーロック・ホームズである』。ロンドンでノイローゼになり、師に勧められて「通俗小説」をたくさん読み、それにのめって自分がホームズだと思いこんだナツメ。まわりまわってワトスン(彼らが実在しているという設定)のところにしばらく滞在するナツメ・ホームズの迷推理物語。
上記astaで紹介されていたのは、柳広司の諸作品と、宮部みゆきの『ぼんくら』(これは別に「歴史もの」というわけではない。面白いけど)と、もひとつはポール・ドハティーの某シリーズ(名称が決まってないようだ)。14世紀、エドワード3世が逝去、まだ幼い孫がリチャード2世として即位したが、叔父の摂政ジョン・オブ・ゴーントはいささか不穏な様子。そういう時代背景がある。大酒飲みの太った検死官クランストンと、司祭として町の連中の世話をしながら検死官の書記を務めている托鉢修道士アセルスタンのコンビが事件に挑む。クランストンには、不釣合いに若い美しい愛妻がいて、結構仲むつまじいらしいのが微笑ましい。アセルスタンは、教会の常連のうら若い未亡人と憎からず想い合う(けど自制してる)仲。創元推理文庫から2冊出ている。続刊希望。
それにしても、洋物ミステリーは、坊主(おおざっぱに言って)が探偵役になることがしばしばあるな。
ポプラ社の出している冊子、というより既に小説誌と言える「asta」という薄い月刊誌で、先月、歴史ミステリーの紹介があったので、そこに出ていた作品をあれこれ買ってみた。 歴史上の人物や事件に絡んでいるとなると、ハーレクインまでチェックする私なので当然である。
柳広司で最初に読んだのは、『贋作「坊ちゃん」殺人事件』。松山(とは作中書かれていないのだけど)から東京に帰って街鉄で働く身の「おれ」を「山嵐」が訪ねてくる。「赤シャツ」が自殺したというのだが、それが怪しい。二人は松山へ赴き、事件を探り始める。
漱石の他の作品から引いたネタがところどころ見受けられるのも楽しみの一つ。山嵐が自由民権の闘士だったという設定も、会津出身ということを思えば納得できる。
この作家はほかにも漱石ネタが2作あり、そのうちの一つが『吾輩はシャーロック・ホームズである』。ロンドンでノイローゼになり、師に勧められて「通俗小説」をたくさん読み、それにのめって自分がホームズだと思いこんだナツメ。まわりまわってワトスン(彼らが実在しているという設定)のところにしばらく滞在するナツメ・ホームズの迷推理物語。
上記astaで紹介されていたのは、柳広司の諸作品と、宮部みゆきの『ぼんくら』(これは別に「歴史もの」というわけではない。面白いけど)と、もひとつはポール・ドハティーの某シリーズ(名称が決まってないようだ)。14世紀、エドワード3世が逝去、まだ幼い孫がリチャード2世として即位したが、叔父の摂政ジョン・オブ・ゴーントはいささか不穏な様子。そういう時代背景がある。大酒飲みの太った検死官クランストンと、司祭として町の連中の世話をしながら検死官の書記を務めている托鉢修道士アセルスタンのコンビが事件に挑む。クランストンには、不釣合いに若い美しい愛妻がいて、結構仲むつまじいらしいのが微笑ましい。アセルスタンは、教会の常連のうら若い未亡人と憎からず想い合う(けど自制してる)仲。創元推理文庫から2冊出ている。続刊希望。
それにしても、洋物ミステリーは、坊主(おおざっぱに言って)が探偵役になることがしばしばあるな。