『エル・アルコンーー鷹ーー』は、青池保子の古典的名作。16世紀欧州、イングランドとスペインが争う時代、野望に燃える海軍士官ティリアン・パーシモンは腕と智謀でのしあがっていく。前作『七つの海七つの空』のクライマックス、「アルマダの海戦」で華々しく死んだ悪役に作者の愛が燃えて、そのあと77-78年にかけてティリアンを主人公に据えた前日談『エル・アルコン』、ついで続編『テンペスト』が描かれた。
去年宝塚で舞台化され、私はDVDで見た。青池作品の中でも「男度」の高いこれらと宝塚との相性は、いいような悪いような、どんなものだろうと思っていたが、面白くまとまっていた。コミックス4冊ぶんを1時間半に収めるのは慌しくもあるけどまあまあだと思う。
・ジュリエットは省いてもよかったのでは。でも女率がますます下がってしまうかな。
・ニコラスとの絆はもうちょい出してほしかった。
・ティリアンにおいしいとこ持っていかれるマヌケな学友(?)と、濡れ衣で処刑された陸軍士官(だったか?)は一つの役にまとめられるかと予想したけどそうはならなかったな。
・ギルダとティリアンの昔のエピソードの付け加えで、少女マンガ度が上がっている。(「ヒロインとヒーローは幼いころに会っている」お約束) 地理的条件を考えればけっこう無理があるけど。
・原作では、ギルダ率いる「ブランシュ・フルール」は首領以外はふつうに男海賊だけど、これがアマゾネス軍団になってるのはなんだか新鮮に思った。そういえば原作では、「キャプテンレッド」たちは女装で獲物をおびき寄せるヘンな海賊なんだけど。女装した男の役を女が演じるのも中々面白そう。
・エリザベス女王といえば、あのエリマキトカゲがトレードマーク(?)なので使ってほしかったな(この人だけじゃないけど)。スペインは太陽のマークで象徴していたけど、ハプスブルク→双頭の鷲だと・・・まぁ、あの話では「鷹」はティリアンに捧げられているので、紛らわしいから鷲は無理か。
(『暁のローマ』でも、ほんとは男が太股丸出しミニスカートの世界なんだけどズボンだったしな。時代考証よりも優先することがあると理解はするけど、少々残念に思う気持ちはある。)
『エル・アルコン』のコミックスはプリンセスから出たので、ティリアンたちは秋田書店のキャラのようになっているけど、そもそもは「月刊セブンティーン」だ。当時を知る私の記憶でも、「セブンティーン」は「マーガレット」などよりも年長者の雑誌のような感じだった。だからたぶん「プリンセス」よりも。その多少のアダルト感があればこそ、青池保子もダークなヒーローを描く気になったのだろう。
池田理代子『オルフェウスの窓』は、70-71年に第1部を「週刊マーガレット」で連載したあと、72年の第2部からは月セに移った。その第1回だけ私はこの雑誌を買った。(あのころの理代子さんの絵はきれいだったなぁ・・・!) ということは、『七つの海七つの空』も目にしていたはず。しかし、『オル窓』以外についてはまったく覚えていない。こういう、あとから思えばもったいないことってあるものだ。
ところで、かわみなみ『ノストラ探偵団』のイカさんのモデルはキャプテン・ブラックなのだそうだ。
去年宝塚で舞台化され、私はDVDで見た。青池作品の中でも「男度」の高いこれらと宝塚との相性は、いいような悪いような、どんなものだろうと思っていたが、面白くまとまっていた。コミックス4冊ぶんを1時間半に収めるのは慌しくもあるけどまあまあだと思う。
・ジュリエットは省いてもよかったのでは。でも女率がますます下がってしまうかな。
・ニコラスとの絆はもうちょい出してほしかった。
・ティリアンにおいしいとこ持っていかれるマヌケな学友(?)と、濡れ衣で処刑された陸軍士官(だったか?)は一つの役にまとめられるかと予想したけどそうはならなかったな。
・ギルダとティリアンの昔のエピソードの付け加えで、少女マンガ度が上がっている。(「ヒロインとヒーローは幼いころに会っている」お約束) 地理的条件を考えればけっこう無理があるけど。
・原作では、ギルダ率いる「ブランシュ・フルール」は首領以外はふつうに男海賊だけど、これがアマゾネス軍団になってるのはなんだか新鮮に思った。そういえば原作では、「キャプテンレッド」たちは女装で獲物をおびき寄せるヘンな海賊なんだけど。女装した男の役を女が演じるのも中々面白そう。
・エリザベス女王といえば、あのエリマキトカゲがトレードマーク(?)なので使ってほしかったな(この人だけじゃないけど)。スペインは太陽のマークで象徴していたけど、ハプスブルク→双頭の鷲だと・・・まぁ、あの話では「鷹」はティリアンに捧げられているので、紛らわしいから鷲は無理か。
(『暁のローマ』でも、ほんとは男が太股丸出しミニスカートの世界なんだけどズボンだったしな。時代考証よりも優先することがあると理解はするけど、少々残念に思う気持ちはある。)
『エル・アルコン』のコミックスはプリンセスから出たので、ティリアンたちは秋田書店のキャラのようになっているけど、そもそもは「月刊セブンティーン」だ。当時を知る私の記憶でも、「セブンティーン」は「マーガレット」などよりも年長者の雑誌のような感じだった。だからたぶん「プリンセス」よりも。その多少のアダルト感があればこそ、青池保子もダークなヒーローを描く気になったのだろう。
池田理代子『オルフェウスの窓』は、70-71年に第1部を「週刊マーガレット」で連載したあと、72年の第2部からは月セに移った。その第1回だけ私はこの雑誌を買った。(あのころの理代子さんの絵はきれいだったなぁ・・・!) ということは、『七つの海七つの空』も目にしていたはず。しかし、『オル窓』以外についてはまったく覚えていない。こういう、あとから思えばもったいないことってあるものだ。
ところで、かわみなみ『ノストラ探偵団』のイカさんのモデルはキャプテン・ブラックなのだそうだ。