レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

探偵レオと探偵ナツメ

2009-10-30 06:01:45 | 
ダイアン・スタカート『淑女の肖像』 講談社文庫ランダムハウス

 探偵レオナルド・ダ・ヴィンチシリーズの第2弾。
 職人の娘デルフィーナは、絵を描きたくて、男装してレオナルドの弟子ディノとなっている。
 レオナルドのパトロンのルドヴィコ・イル・モーロの従妹である貴婦人の侍女の遺体をディノが発見してしまったことから彼らも事件に関わることになり、ディノは女装して侍女として潜入させられる。
 男装女装がねじれていて、そんな状況で美貌の謎めいた衛兵隊長にぐらついたりする、これはぜひ少女マンガでやらないかな~と思わずにいられない。
 

柳広司『吾輩はシャーロック・ホームズである』
 角川文庫の新刊。
 歴史上の人物絡みのミステリーを多く書いている作家で、夏目漱石関連は3つある。その一つがこれ。
 20世紀初頭のロンドン、留学中でノイローゼの夏目金之助は師匠に気晴らしとして通俗小説を読むことを勧められ、ホームズを読みふけったあげく、自分がホームズその人だと思い込むに至った。そしてホームズ本人の依頼で、頭のヘンなナツメをワトスンが預かることになる。そして彼らは交霊会での殺人事件に首をつっこんでいく。
 漱石作品とホームズシリーズの双方のノリを生かしていて二重に楽しい。現代日本人的視点の時代批判もちらついている。
 マンガならば誰だろう。美形がほとんどいないのであまり少女マンガという感じではない。私の頭の中では、ホームズと吾猫の好きな坂田靖子の絵でまず浮かんだ。そして魔夜峰央も、デタラメな推理をしまくる『プリコロ』の連想で似合うかも。
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耳障り

2009-10-28 06:02:27 |   ことばや名前
 「耳障り」と書こうとして、まず出てきたのは「耳触り」だった。私が言いたいのはこれではないのでさらに変換キーを押したら、「耳」の部分のみ「みみ」「ミミ」がほかに挙がり、「触り」はこのまま。「さわり」ならば「障り」も「触り」もあるのに。
 実際に触れる「舌触り」「手触り」ならば「触」の文字だとわかる。不快さを含む「目ざわり」(これは「ざわり」部分はカナしか出ない)、「耳ざわり」は「さし障り」のほうの「さわり」だと思えば誤解もしないだろうと思うのだが、案外耳にする、「耳ざわりのいい言葉でごまかす」なんて言い方は。どうせならば、「口当たりのいい」ではないかな。「耳ざわりのいい声」はふつうに「耳に心地よい声」ですむ。
 それにしてもヘンだ、「耳触り」という表記が出てくるのは! どういう状況だろう、耳で触ってみるのは? 
 「目触り」もリアルに考えるとコワイぞ、まるでどこぞの耽美グロマンガのようだ。
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買い物。

2009-10-25 09:22:59 | 
 買い物するときにはどうせならばまとめてのほうが好きだ。
 昨日買ったのは、『カルバニア物語』12巻、角川文庫新刊で『三銃士』(人形劇に便乗したのは明らか。上中下と3分冊とは、たくさん売れる自信があるのか?)、『光源氏ものがたり』下巻、・・・・・・あ、いま思い出した、『カティンの森』買うのを忘れてた!
 森見登美彦『新釈 走れメロス』を買い、それに収録された『百物語』をよりよく理解するためにという口実で、鴎外のそれがはいった本までこの際なので買った(図書館行ったけどなかったし)。同じ理由で『山月記』も読んだし。

 角川文庫の「ちょっくらぶ。」のキャラクターが変更されるらしい。シルエットからすると犬と思われる(日本犬ではなさそうだが)。ここのポイントもわりにたまっているので、気に入る品が出てくるといいな。

 ポプラ社の小説冊子「asta」、3周年ということで珍しく既刊の表紙をずらっと並べて、バックナンバー購入の宣伝があった。先々月のを手に入れ損ねているのでこの際買おうか。小学館の「きらら」はBN販売はやってないんだよなぁ。何冊か読んでないぶんがあるんだけど。3度4度となるとむしろあきらめがつくのも事実。
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大分県の鶏肉力

2009-10-23 05:46:25 | 雑記
 私は肉のうちで鶏肉がいちばん好きである。
 特に、唐揚げ粉をまぶしただけのシンプルな唐揚げ。お弁当のおかずとして、冷えたゴハンと一緒に口にするときの幸福感は、『まる子』ならば花が飛び散るほどのものだ。

 酒井順子『女流阿房列車』に、『鉄と油の二泊三日』という章がある。九州各地で揚げ物を食べながら鉄道でまわる旅の企画で、私でもやぶさかでないようなもの。そこに、「からあげの中津といい、とり天の別府といい、鶏肉どころとして知られる大分では、今までケンタッキーフライドチキンが二回出店したことがあるものの、二回とも撤退してしまったという伝説を持つ地。」と書いてあった。
 そこで私は物好きにも、ケンタッキーを検索してみた。すると、大分県全体で8軒しかない。ほかの九州のうち、熊本県では熊本市だけで8軒、少なくとも10市には存在している。(店舗検索で県別にクリックするとまず「市」「区」などの分類が出て、そこからクリックするとそれぞれの店舗が出てくる。「熊本県」では10の市が出てくるので、各地に1軒としても少なくとも10軒が県内にあるということ。) 同様に福岡県では最低27軒。遠い沖縄県では13市にあり、那覇市と沖縄市で8軒。うまいものの本場(らしい)大阪にも40軒は確実。これらと比較しても、やはり大分県全部で8店舗は格段に少ないといえるだろう。
 カフェ文化の大御所ウィーンにさえスターバックスコーヒーが進出しているくらいなのに(見たわけではないが)、アメリカ商売にも打ち勝つ大分のニワトリ力、すごいぞ! 私もいつか食べに行きたいものだ。
 ところでうちの地元駅前にあったケンタッキーはいつのまにかなくなっている。これもちょっと淋しい。
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このごろ書店にはやるもの

2009-10-21 05:52:17 | 
 きのう出かけるときに、持っていくつもりでいた文庫本を忘れたので、町田で乗り換えの際、本屋に行った。朝刊に広告の出ていた集英社文庫の『カティンの森』を買う予定だったけど見当たらなかったので、ちくま文庫新刊で目についた『ハプスブルク家の光芒』にした。
 これについてはいずれ話題にするとして、このごろ本屋で目立つのは、いまの大河に絡んだ戦国もの、「歴女」本、来年のぶんで龍馬本、ハプスブルクもわりにあるか。映像化や100年で売り出し中は山崎豊子、松本清張、太宰治、シャネル、『クリスマス・キャロル』。三浦しをん作品(直木賞『まほろ駅前多田便利軒』の「まほろ市」は町田がモデルと定説)がずらっと並べてあったな、本人のサイン色紙とともに。
 動機はどうでもいいからどんどん売れなさい。

 『聖おにいさん』に便乗してイエスとブッダフェアとか、『ヘタリア』がらみで国民性ジョークや各国の歴史・お国ぶり・観光本を並べてみるとか、私が本屋ならば試みるところだ。
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『大奥』5巻

2009-10-18 06:49:20 | マンガ
 発売日の前日に新聞広告に少し内容が載っていて、読むまえから驚いていた。
 吉屋版の「お玉の方」よりも、よしなが版「玉英」ははるかに好感のもてるキャラとして描かれていて(お万=有功に対して一貫して忠誠心を持っていることとか)、この賢明なやつがどうやって悪法「生類憐みの令」に結びついたのだろう、と思っていた。すると、綱吉に子ができないのは、かつての玉英の殺生の報いだと言われたとーーそう来たか!ほとんど忘れていた初期のエピソードがいま生きてくるとは~~~!

 綱吉の時代といえば赤穂浪士が不可欠。彼らの性別をどう設定するのかと思っていたら、浅野内匠頭が男で吉良は婆さま。浅野は、いまでは珍しい男大名で、ことさらに肩肘はって、ひがみっぽくなっている(これは、かつて男社会の網の中で出世した女が感じていた窮屈さの反映だろう)。討ち入りした浪士たちの大半が男ーーということは、わすかながら女武士もいたということだ。たぶん、家中は男尊女卑でいづらかっただろう。その中でどんな心持で仇討に加わったのだろうか。女がつくる世論にもてはやされ、女公方の裁きで切腹して果てた。痛ましいことだ。
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テューダー姉妹と大奥を無理に一記事にする

2009-10-18 06:43:19 | 
 先日出たフィリッパ・グレゴリー『愛憎の王冠』(集英社文庫)は、 映画化された『ブーリン家の姉妹』の続編で、次の世代、ヘンリー8世の娘たち、メアリとエリザベスの物語。
 ヘンリーがアン・ブーリンとの結婚のために、長年連れ添ったキャサリン・オブ・アラゴンを離縁したことから、多くの物語では、キャサリンの娘メアリはアンの娘エリザベスを憎んだものとして描いているけど、この小説ではだいぶ趣が違う。メアリは、アンは憎んだがエリザベスには姉妹として愛情を持っていた、しかしエリザベスは人の夫の気を引く傾向があり、継母キャサリン・パーの再婚相手や、後に妻帯者のダドリー、そして姉の夫フェリペ(のちのスペイン国王)とまで怪しい関係になる。--はっきり言って性格悪い。でも、元来は優しいメアリが「ブラッディ・メアリ」として悪名を残し、エリザベスのほうがイングランドに平和と繁栄をもたらすようになる。 そういう過程を、スペインで母を異端者として処刑された過酷な過去を持つユダヤ人の娘を主人公に据えて描いていく。彼女は道化としてメアリに仕え、たびたびエリザベスのもとへも遣わされる。メアリに愛情を持ち、エリザベスに憧れを抱き、ダドリーにスパイとしても使われる。
 夫フェリペを愛しながら妹に奪われかかり、子もなかなか授からないメアリが、異端を撲滅しないと世継ぎが生まれないと思いこんで新教徒の弾圧を強めていく様は、「犬公方」5代将軍綱吉の「生類憐みの令」と重なった。
 さて『徳川の夫人たち』by吉屋信子 は6月に読んだけどここで一緒に言及。
 大奥という「女の園」に対して、世間では、やたらと好色な視線で見るか、陰湿さをことさらに強調することが少なくないが(男の集団には陰険な妬みあいがないとでも思っているのだろうか)、そういう悪趣味に流れず、気丈な女たちの戦いと、時には絆をしっかりとうたいあげている。「絵島生島事件」も、ここでは、密通などなかったという設定であり、江島を月光院は最後まで見捨てなかったことが救いを感じさせてくれた。
 千姫についても、噴飯ものの「吉田御殿」説を退けたのは当然として、思慮分別を備えた頼もしい婦人として描いたことも○。
 歴史上の有名人たちの扱いに関しては、私の好みと違うところはあるけれど。(私は田沼意次をむしろひいきしている、『風雲児たち』の影響だけど。)
 よしながふみ『大奥』において、「右衛門佐」のキャラクターが相当に吉屋版から模倣していることは確かで、なるほどこれは気になるレベルといえる。私の場合、怒るという気にはならないが不安と残念さがある。これだけ力量のある作家ならば、ほかの路線で面白い設定も考えられたろうに。


 ところで、『ブーリン~』はこのあとも続きがあるはずなので出してほしい。--初めから文庫で出るなんてうらやましいものだ、私の希望するAllan Massie, Colleen McColloughのローマものだってこうなって欲しい・・・。ハードカバーでもそりゃ買うけど。
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「なんもやってない」とき

2009-10-15 15:18:44 | 雑記
 読売新聞日曜版の『あたしンち』で、みかん(女子高校生)がテレビ欄を見て、自分が見たい番組がまるでないので「なんもやってない」と思う場面があった。もちろんそれらの番組を見たがる人々は存在するのだから、「私にとって魅力のある」が省略されていることは言うまでもない。
 しかし、この非理性的な言葉はたいへんよく理解できる。
 うちにはルームウォーカー(電動ではない、足で動かす)がある。黙々と運動だけしているなど空しいので、なにかやってないかとテレビ欄を見る、「なんもやってない」場合、ビデオ等見ることもある。
 見るものがなければ音声でもいいので、CDなりカセットなりもこのごろ使うようになった。『ヘタリア』の『まるかいて地球』は、足取りを合わせるにはテンポが少々早すぎる。気分としては『ゲルマン賛歌』が運動には向く。11月に出る「アメリカ」はさぞ能天気で元気な歌が入ってることだろうと期待している。
 かつて教育テレビで『ふえはうたう』という小学3、4年生用のソプラノリコーダー指導の番組があった。それに声優の関俊彦(歌がうまい)が出演していたので、当時私は見ていた。歌の部分を録音したカセットがいまでも手元にあるので、そういうのも室内ウォーキングの友にしている。あの番組の歌集CDが出たらぜひ欲しいものだ。あれで覚えた歌もけっこうある。
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「週刊マンガ日本史」

2009-10-11 06:10:10 | 歴史
 話のタネに貼っておく。

「週刊マンガ日本史」

 対象人物または担当マンガ家によって、たまには買うだろうけど。立ち読みで手にはとるだろう。
 さしあたり卑弥呼はいらない。

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健康診断の憂鬱

2009-10-09 20:25:43 | 雑記
 秋学期が明けてまもなく健康診断がある。
 身長体重、血圧、視力、レントゲンなど、滞りなければ30分そこらで終わる。しかし、私の場合、血液検査でストップしてしまうのだ。血管が細いとかでなかなか採れない。ひどい時には7回くらい刺された・・・。
 今年は4,5回だ。必要量の3分の2しか採れず、横になって、温めたりさすったりして時間は過ぎる。授業時間も迫るしで、結局、採れただけで検査をしてみる(できなかったら連絡する、大丈夫ならばそのまま)ということになったのが火曜日のこと。最後の内科はその日にできず、今日それだけ受けた。あっというまに済んだ。
 『動物のお医者さん』初期の話で、チョビが点滴を受けるとき、「へんだな針がはいらない 血管が細いのかねこのコ」と言われて、(注射針を入れるために)3か所ハゲをつくられていた。--3回で済めばいいほうだよ私の場合は。

 昼ごはんは抜きで検査に行ったので、むなしく待っている間空腹だった。そのせいだろう、その1日2日後に見た夢の中で、なぜか病院で診察か検査を受けていて、入院でもないのにゴハンが出されていた。原因のたいへんわかりやすい夢であった。

 先方にとっても迷惑な患者(?)である。
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