レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

どうせ塩野本に準拠するならば

2008-01-25 05:45:49 | ローマ
3日に放映された『古代ローマ1000年史』、看板には偽りありまくりだったな、ということはさておいて。カエサルに割いた1時間は特に耳タコなのだけど、誰にだって初めてということがあるから、読んでない視聴者には必要なのだと理解はできる。そしてテレビの力は大きい。本で読むよりも、ビジュアルつきで説明されたほうが印象がたいてい強い。
 せっかくその影響の強そうなテレビで時間をさいて取り上げるのだから、言及してほしかったこと。

1.ティベリウスの「淫行」の否定。
 かの有名な(?)『カリギュラ』で変態ジジイとして出てくることを覚えている人々が少なくないかもしれない(私はノベライズを読んだだけである)。 大衆の想像力から出た噂に過ぎず、実像はすごくカタブツなんだ!と主張してほしかった。

2.コモドゥスは父の指名した後継者
 マルクス・アウレリウスは息子を跡継ぎにしないつもりだった、という設定で有名な映画が2本もあるけど、そこは全くの創作だという点。

3.クレオパトラ視点の物語では、彼女の産んだカエサリオンがカエサルの後継者で当然のように思わされがちだけど、公平に見ればカエサリオンはただの隠し子でありローマの権力を継ぐなんてありえない!という点。
  (遺言状が指名したのはオクタヴィアヌスだとは番組でも言っていた)

 映画等でフィクションがあるのはあたりまえだけど、事実は違う!と説明される機会がたまにはあってよい。
コメント
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