レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

魔夜の娘  聖おにいさん16

2018-11-29 12:50:01 | マンガ
山田マリエ『魔夜の娘はお腐り申しあげて』
 魔夜峰央は奥さんがバレリーナで一女一男がいるというのは知られた話であろうし『親バカ日誌』というマンガにもなっている←これは未読だけど。娘さんのマンガがネットで連載されていて、それが単行本化された。
 タイトルのとおり、「腐女子」ぶりがメインで、パパを含めての日常ネタも混じる。
 幼少期の
「マリエ パパから大事なお話があります
『トーマの心臓』と『風と木の詩』は読みなさい(キリッ)
少年愛はここから始まっているからね 必ず読むように」
 ――英才教育と呼ばれる所以。
 バレエ教室でマンガ読んでいる女子小学生たちに「なに読んでるの?」と声をかけて、『ガラスの仮面』『ブラックジャック』だったので「シュミがいいね君たち!」――古典名作が読まれていて嬉しい気持ちはよ~くわかる。 

 お仲間と「同世代腐女子だとわかる単語シリーズ」として
「定額小為替」「宛名シール」「レインボー便箋」「Next or End」
「ファン〇ード」「ファインド〇ウト」「コミックボックス〇ュニア」「ぱ〇」 
 私は同世代というわけではない。
為替と宛名シールはわかる。同人誌通販に欠かせなかったもの。いまは振り込みが主流だろう。
 ファンロード、CBJr、ぱふ は知っている。
 ほかを検索してみた。Find Out は、かつてアニメイトで配布していたもの・・・あ、それならば知っている。
 レインボー便箋とNext~は、それらしいものが出てくるけど、きちんとはわからない。グラデーション印刷の便箋、やってみたかったなぁ~~!
 エロイカ仲間の悪友(女子高漫研の後輩)と一緒に便箋を作ったことはあるが(私の描いた絵の上手い下手はともかく、デザインは洒落たものが出来たと自負している)そのためにいくつかの印刷所から資料を取り寄せた。便箋印刷に関して、あ~こんな紙やカラーを使いたいな~(うっとり)・・・という時代を私も持ったものである。

 
 魔夜作品に関して、特別ファンだというほどではなくて、『パタリロ!』等雑誌で読んでいた程度なのだが、そして劣化とけっこう言われているのは知っているが、本人に対して悪意は決して持っていない。ポプラ社のastaに載っていた、子供時代の読書に関する思い出ばなしは楽しかった、あれはどこかに収録されているのだろうか。
 マイナーなところでは『美少年的大狂言(チェリーボーイスクランブル)』『サプライズホテル』が好きである。
 最初に読んだ連載はララの『横須賀ロビン』だったが、終わり方が記憶にない。
 でもそれより先に、ギャグに方向転換するまえのホラー調のものを別マで目にしたことがあった、えーと、『タロット』といったかな。男女の話だったな~。
  

『聖おにいさん⑯』
 ペトロの「セルフ墓参り」に笑う・・・。
 裏表紙の「近年、日本で流行り始めたあのイベントを巡って、真剣天界しゃべり場、勃発!」を見て、ハロウィンかと思ったたけどイースターだった。自分よりモアイのほうを先に思ってしまうイエスが謙虚(?)でかわいい。
 
 ところで、本村さんの本で、ネロによるキリスト教徒迫害はなかった説に私も大いに傾いているのだけど、・・・そうなると、ペトロの殉教はどういう解釈をすればいいのだろうな?
 女子高の漢文の時間に、孔子の弟子の子路(しろ)は愛すべきお調子者というイメージを持っている。このマンガのペトロはダブる。

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まころん

2018-11-25 14:48:31 | 雑記
「渡辺製菓」

 地元スーパーでお菓子の棚で目について買った「仙台マコロン」がおいしい。マカロンというものは食べたことがあるかどうかさだかでなく、見た目優先のお菓子という印象があるのだが、コレはなんだか素朴な感じがして買ってみたのである。HPによると、黒糖のもあるので、これも店で見つかれば食べたい。

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〇〇をがまんする

2018-11-21 14:07:39 |   ことばや名前
 mixiの記事のピックアップで、「歯磨きをがまんするネコがかわいい」というタイトルがあった。ネコが歯磨きをしたがるものか?と思ったら、口をあけて歯磨きされているネコだった。
 「〇〇をがまんする」は、〇〇したいけどしないでいる、 〇〇したくないけどする、正反対の意味になるということに気がついた。
 甘いものをがまんする、だと、(ほとんど)食べたいけど食べない、
 苦い薬をがまんする、は、嫌だけどのむ。

 これが、「宴会を~」「カラオケを~」だと両方が考えられる。

 「運動をがまんする」――私のような奴ならば「する」ほうに忍耐が必要なんだが、動かずにいることが苦痛な人間もいるのだろう。

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大奥16巻 他

2018-11-15 17:10:23 | マンガ
『大奥』16巻
 先月の新刊。
 前巻で13代家定から14代家茂に移行。「公武合体」で和宮が江戸へ、家茂(女)の結婚相手なので和宮(男)のはずなのだが、来たのが女! というところまでが前巻。
 表紙がコワいと発売前から評判だった。たしかに。
 有吉佐和子氏で有名になった(かどうか知らんけど)替え玉説が下敷きになっているのか、生まれてすぐ死んだことにしてあった、和宮(男)の姉が替わりに来たという設定。生まれつき左手がないという不具のために日陰の身とされた親子(ちかこ)は、それでも「おたあさん」(母)を慕い、弟の江戸行きには男装してまでついていこうとしているときいて、身代わりを申し出た。なんともかなしい。
 もう一人、乳母も男のなりで同行しているが、「あまりに奇っ怪な風貌は人を男か女かわからなくさせますな」がみょうにおかしい。(逆に、美し過ぎても性別を超えるのではなかろうか) 
  かわいく優しい家茂は大奥の男連中のアイドルにされているが、家茂の人柄が良かったことは史実であろう、勝海舟なんて無能ものは容赦なく切って捨てそうなタイプだと思うがその勝が忠義をつくしていたのは、無能有能ということを超越した人間性の故だったに違いない。
 次巻予告での和宮(偽)の涙、家茂の夭折は動かし難い事実で、いまから泣けてきそうだ。
 この物語では、女将軍と真の恋の相手は子に恵まれないという法則がある。家茂と和宮の場合はかなり外れた組み合わせであり恋とも違うのだけど、幸せなひとときくらい描かれると思うけど、・・・いろいろとかなしい。



山田マリエ『魔夜の娘はお腐りもうしあげて』
 ネットでの連載が単行本化。発売当日、書店に行ったのにこのことを忘れていた。その日の夜に地元のY隣堂にはもうなくなっていて(HP検索)、翌日、地元のK文堂で注文。でも他の店舗でも在庫がないということなので、増刷待ちになるのだろうか。(『ローカル女子の遠吠え』1巻の時がこんなだった) 本編はすでに読んだのだから焦ることもないんだけど。


 来週は『聖おにいさん』の新刊。

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死刑台のエレベーター ほか

2018-11-10 10:58:57 | 
『死刑台のエレベーター』 ノエル・カレフ  創元推理文庫
 有名なフランス映画の原作。映画は20年以上まえに見た。
 輸出入商会社長のジュリアンは高利貸しの殺人計画をを完璧に近く実行するが、帰りにビルのエレベーターに閉じ込められる。その間に彼の車が若い男女に盗まれ、男はジュリアンの名を騙ったまま行動し、旅行者夫妻を死においやる。エレベーターから出られたジュリアンは窮地に立たされる。

 ジュリアンの妻のジュヌヴィエーヴの情緒不安定さがどうにもイラつく。車を盗んだ男女、「実存主義かぶれの戦後派青年」フレッドは偉そうなこと言いながらただのすねかじりだし、そんな奴に偉そうな態度とられっぱなしのテレザも鬱陶しい。(末路はまるで『人情紙風船』のようだ) 運悪く迷惑した夫妻も、精神状態がまともでない妻に半分責任があるだろう。――どうもバカな女ばっかり。男もたいして立派な奴が出てくるわけでもないけど。
 自分の周到さが裏目に出たことと、ほかの愚か者たちの行為とが絡まってジュリアンの苦境になっている。自業自得だけどね。

 

 先月読んだ石井千湖『文豪たちの友情』。日本の近代文学の作家たちの交流についての本である。芥川はあんな顔なのに友達けっこういたんだなという失礼な感想。
 挿絵が二人のマンガ家(?)で、全然違う画風で、でも書かれている名前二つ「鈴木次郎」「ミキワカコ」どちらがどの絵なのかわからん点はよくない。(ついでに言えば、あんまり妖しげな画風はこういう場合抵抗がある)
 ――と書いたところでAmazonを検索したら、挿絵を少し見られるようになっている。妖しいほうが「ミキワカコ」さん、淡々・ひょろっととしたのが「鈴木次郎」さん。

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途中まで雨の日曜日

2018-11-04 18:58:50 | 雑記
 地元デパート、いやあれはスーパーだろう、今日も5%引きなので自転車で買い物に出た。図書館で返す本・借りる本が2冊ずつという理由もあった。次の予約者がいる本をとっとと返してしまえば落ち着くし。でも今日借りたのもやはり紫紙。「赤紙(アカガミ)」とは召集令状を指すが、「紫紙」という言葉があるのか、こう書けばなんと読むのだろうか。地元図書館では、次の予約者がいる本にはこれが挟まれることになっている。なにか呼称があるのだろうか。
 朝から天気はぱっとしなかったのだが、出てからまもなく降り始めた。レインコートか傘を取りに引き返すほどではない、帽子かフードがあればしのげる程度の小雨で、そのまま行った。
 図書館のほかに3種の売り場で買い物をして帰る。
 私は雨が降るとぐーたらしたくなるタチで、特に雨の日曜というものはそれが強い。ダラダラを楽しもうと思っていたのに、帰ってきてお昼を食べたあとにはもう雨ではなくなっていた、多少悔しい。
 上記3か所のほか、電気屋にも行ったのだった。1000円ぶんの買い物券があり、使える店が近所でそこしかない。ブルーレイディスクがもうなくなるのでそれにした。紀行番組を何本も見ていたころには、各番組ごとに分けて保存していたものだが、それがだんだん減ってきたのでいくつもの番組をいっしょにするようになり、いまでは『世界ふれあい街歩き』でも『らららクラシック』でも『新日曜美術館』でもいっしょくたである。まあやたらと増えても困るんだけど。レーベルを適切な画像で飾るのはやはり楽しい。
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新潮文庫で好きな本といえば

2018-11-01 10:12:54 | 
 出版社の冊子で現在いつも入手しているのは、角川の「本の旅人」と、ポプラ社の「asta」。新潮社の冊子「波」は、10月号を久々に、あまり行かない書店でもらってきた。
(岩波書店は「図書」である、ちょっと紛らわしい。)
「新潮文庫社員が選ぶ  新潮文庫 わたしの5冊」
「8月号の作家篇に続き、今回は各部署の社員に尋ねたマイ・フェイヴァリッツ」ということである。
「私の少女マンガな5冊」として挙げられているのは、『車輪の下』『春の嵐(ゲルトルート)』『ドリアン・グレイの肖像』『トニオ・クレーゲル ヴェニスに死す』『変身』 「萩尾望都、竹宮恵子、山岸凉子らのマンガに感化されまくっていた当時の少女にとって、ヘッセやワイルドは必読書でした」
 ――よくわかる。私自身は、これらマンガ家たちの作品に心からのめりこんだということはないのだけど。ヘッセは理代子さんも好きで、『世界わが心の旅』でそれを語っていた。
 上記の5冊のうち、『変身』だけちょっと違いを感じる。『魔の山』のほうがしっくりくる。


 新潮文庫で私が好きなものを挙げるならば、

・まずは『燃えよ剣』は欠かせない。
 連載が「週刊文春」で単行本も文芸春秋社で出たはずなのになぜか文庫は新潮だ。
・井上靖『あすなろ物語』 同じ傾向でもっと長編の『しろばんば』でもいい。井上作品でかなりの比率を占めている恋愛小説のうち、現在でも文庫で確実に入手できるのはここの『氷壁』だけではなかろうか、せめて『あした来る人』くらい復活させてほしいものだ。
・三浦しをん『風が強く吹いている』

・シュトルムの『みずうみ』はいまは出てないかもしれないけど、読書を始めたころに読んだ思い出の1冊でもある。水色のカバーが涼し気だった。併録の『大学時代』も、はかない悲劇が印象に残っている。
・ヘッセは、今日の日本で、ドイツ文学中最も恵まれた作家だと思っている。主要作品がほとんど文庫で手軽に読めるという意味で。新潮文庫の棚で、淡い水色の背が並んでいる。ここからもなにか選びたい。

・漱石作品は、岩波文庫と新潮文庫にたくさんはいっている。新潮の安野光雅の絵は良い感じである(しかし『三四郎』だけは浮世絵みたいな顔が気に入らない)。どれかといえば『草枕』。

 月初めには投下しておかないと落ち着かないので、急いでこれを書いておく。
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