レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

解禁 元 男優

2022-08-21 08:26:05 |   ことばや名前
『〇〇』のキャスト解禁
 こんな記事タイトルを時々目にする。「解禁」とは、禁止していたことを許可することで、漁などでよく使う。
 しかし、「キャスト解禁」ではその意味では通らない。「ネタバレ解禁」ならわかるが。単に「発表」でいいだろ。噂や裏情報のレベルでは話題になっていたが、堂々と語ってよくなったよ~という感じで「解禁」と言いたいのだろうか。
 
 
 スカッと系の説明でよくある、「元カレを略奪した幼馴染から再び~~」。この「元」は要らんだろ?「元」カレならば略奪のなんのという筋合いではない。
 (別れた男または女が上から目線で復縁要請してきて、すでに相手がいることを知って逆上するというパターンもよくあるが、元カレを「奪われた」などとさわぐならばそれと同じことだろうよ)
 別れた夫とのいきさつを語るのも、過去の時点に視点を置いている文脈ならば「元」夫とつける必要はあるまい。
 
 
 以下は、まえにも書いたことと重なる。
 
 すでに数年前、Eテレのドイツ語番組で、「旅をするのは、俳優の〇〇さん」と言っていた。〇〇さんは女性である、従来ならばここは「女優」としていただろう。本来「俳優」とは男女両方を指すはずだが、一般的感覚では男性に連想が偏っている。それを矯正しようというのだろうか、「女優」でなく「俳優」としていることが増えているような気がする。
 それでも、「男優」はポルノ!という感覚は強いらしい。
 これまた「スカッと系」だが、役者のタマゴであるダメ男と別れたという話の結末で、彼がアルバイト先で大口をたたいても「男優!」とバカにされていると語られる、・・・やはりこの言葉には偏見があるということを改めて感じた。
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地政学ボーイズ

2022-08-03 07:03:53 | 地理
 初めてこのブログで『ヘタリア』を話題にしたとき、「ドイツ」のカテゴリーにしたと思う。それで今回は「地理」。
 
 『地政学ボーイズ~国がサラリーマンになって働く会社~』というマンガをmixiの紹介記事で知った。秋田書店、サイズはA5 掲載は青年誌。絵は地味目少女マンガといった感じ、どこに載っていても違和感はなさそう。
 「オフィス地球」で働く「日本(ヒノモト)」、自称陰キャで、傍若無人な陽キャ「アメリカ」に子分視される日々。
ーーつまり、『ヘタリア』が開いた(?)「国擬人化」。
 すぐにわかる違いは、『ヘタリア』は衣装が軍服っぽいけどこちらはそうでなく、ヒノモトはワイシャツ・ネクタイの上に半纏を着ている。髪にかんざしのようなものをつけているけどあれは日の丸だろうか。アメリカはラフなジャケットにサングラス。イギリスは、髪が白のオールバックでここはちょっとヘタドイツに近い。ベルトでなくサスペンダーなのが英国っぽさなのだろう(杉下右京さんみたい、ティーカップがつきものだし)。 実のところ、ヘタイギリスは、世間一般の思う「イギリス」とはけっこう違っていると思う、言葉遣いもわりに荒っぽいし、あれは「元ヤン」、海賊という点からのキャラづけだろうけど。 「紳士」を大きく出しているということで、こちらのほうが一般的になじみやすいかもしれない。
 ドイツはここでもやはりマジメキャラだし、隣のフランスはなにかとデタラメで、というのも共通。
 イタリアは1巻ではまだ出ていない。日丸屋さんの絵と違って濃い顔になりそうだと予想している。
 中国が大柄なのは国土からしてわかるけど、ロシア(ヘタではいちばん大きい)が小さいのは謎だ。
 「朝鮮半島」が引退して息子たちが入社、それぞれにアメリカとソ連がついて対立。なにかと日本につっかかってくる彼ら、北朝鮮はしょっちゅう紙飛行機を飛ばしてくるーーと、けっこうきな臭いところまでネタにしている。
 『ヘタリア』は韓国で敵視されていて、実はいるファンは隠れているというけど、こちらのマンガは大丈夫なのだろうか?
 
 描きおろしの『自明の理』は飲食物持ち込みがテーマ。 日本が食べているおにぎり セーフ  中国が飲んでいるお茶 セーフ  アメリカが食べているアイスクリーム セーフ  ロシアが持ち込むウォッカ アウト 露「なぜだ」米「いいわけねえだろ」
 ここでアメリカの持っているアイスが巨大で笑える、バケツとまでいかないが丼くらいある。
 (ファミリーマートの「俺の」シリーズの「俺の丼プリン」は名前負けだった、丼よりもかなり小さかった)
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薔薇学 プリンセス

2022-08-01 06:46:08 | マンガ
『薔薇王の学園』は、『薔薇王の葬列』と同じプリンセス掲載の公式パロディである。芸能人養成の「薔薇王学園」は生徒たちが白薔薇組・赤薔薇組に分かれて競っている。
 設定を移す際に学園ものというのは定番であるが、本編のキャラをよくふまえてある点、まことに二次の鑑!
 (世間の二次の中には、・・・これ、このキャラたちである必然性あるか?オリジナルでやればよくないか?というものは少なくない。既成キャラたちを借りるならば、らしさを活かすのが当然だろうに)
 本編のシリアスなカット・セリフがあちこちに散りばめられている。
 一例:「11限目」で、バッキンガムを誘うリッチモンドをベスが撃退して「聡明なバッキンガム先輩にはリチャード先輩のキングメイカーになってもらうんですからね!」は、10巻の、エリザベスたちの企みが露見したあと、「この聡明な娘をなによりの宝として~」のコマと同じポーズである、ただし、バッキンガムとベスが逆で!同じページの上のコマでは、本編で、仮装舞踏会の際、子エドをいじめるリッチモンドにベスが啖呵を切るのと同じポーズ
 リチャ推し勢たちが能天気に、しかし必死に盛り上がっている、実に微笑ましい。
 本編でけっこうあやしいやつであるイーリーが、「応援朗読会」の観客にまじって歓声をあげている・・・。本編ではリッチモンドによるリチャ貶め芝居でリチャを演じていたのも実は楽しかったかも。
 芸能人養成といっても表だけでなく裏での制作も扱っていて、「トップオタ」科まであるという設定、ファンもまた支える存在として不可欠ということか。きっと、正しい応援の仕方も教えているのだろう。「ファンの行いが悪いと世間はスターへの印象も悪くします、あなたがたが節度をわきまえないと、愛するスターの名に傷をつけることになるのです」 芸能人でなくマンガ家が対象ならオタ科にはいってみたい。
 
 ところで、私はマンガ雑誌を処分する際には、バラバラにして一部とっておくことが多い。このところ買っているプリンセス、2月号から7冊もたまってしまったが、薔薇学しかほとんど読んでいないままだった(17巻が出るまえにようやく2月号の最終回を読んだくらいだ、さすがに、先に読まないと雑誌を買っておいた意味がないと思って)。
 バラバラにして、そして作品ごとに分ける。まとめて読むほうがわかりやすい(あけすけに言えば、気合い入れて読んでいるならば1回ごとでも話にはいれるが、そうでないと忘れるから)。
 中華ものが多いということにまず驚く。そして、ポピュラーな三国志ものではなくライトノベルのコミカライズ。私は中華ものは苦手だ、名前が覚えにくいことも一因。漢字の字面とよみとどちらを優先したほうがいいかと迷う。(ロシア文学は平気なので慣れと相性だろう) 中華でも、しっかり史実ネタなら覚える気にもあるが、架空設定だとどうもノリにくい。
 マンガ投稿作で「コミカライズ賞」なんてあるのも時代を感じる。プリンセスだけでなく、コミックスリストを見ても、著者名がいくつも並ぶものがたくさんあるものだ、「原作」「キャラクター原案」「作画」。一概に悪いという気はないが。
 マンガ界の行き詰まりを感じさせる状況ではある。
 
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