レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

夏の空と雲

2008-07-30 13:02:00 | 雑記
九州南部のK県T市へちょっと行ってきた。日曜の朝発って夕方着、2泊して熊本から寝台特急に乗り、今日の昼まえに帰宅。寝台はやけに揺れが激しく、そのせいばかりともいえないけど寝不足のはずだ。熊本駅の福家書店で文庫4冊ーー『竹取物語』星新一 『ラストゲーム 最後の早慶戦』 『文鳥・夢十夜』 『鬼のすべて』鯨統一郎 --を買い、結局車中で読んでしまった。朝、車内販売で買った幕の内弁当はおいしかった。しばわんこ的和のこころのあっさりタイプ。帰りに横浜駅でシュウマイを買う。横浜ならばやはりこれでないと。

 むこうでは伯母の老人マンションにいたのでエアコンほぼつけっぱなしだったけど、やはり暑い地である。でも、首都圏と違って天然ものの暑さという感じがする。空の青さ、白い雲の豊かさがいかにも夏休みの風情だった。
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先公

2008-07-27 04:39:28 |   ことばや名前
 「ぼくはパックだ、ベーパック、ベーパック、いたずらっこパックだベーパック」
ーーというフレーズを知っている人は若くはない。私が幼稚園に行ってたころーーというと40年近く昔のことーーの子供番組『ベーパック』(正確なタイトルも覚えていない)のテーマソング。先月、教室で『真夏の夜の夢』の話をしたので頭に出てきた。あの、いたずら好きな妖精の名前はやはりシェイクスピアからとっていたのだろうなぁ。「ベー」はあかんべえのベーで。
この話で、パックに「キツネのせんこう」と呼ばれていたキャラがいた。これによって、「先公」という言葉があり、「先生」のガラの悪い言い方であることを知った。
 たぶんこれは死語だろう。「せんこう」で変換もできない。いまとなってはむしろ可愛げのある言葉のような感じさえする。
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今月買ったコミックス新刊感想

2008-07-25 05:29:21 | マンガ
『ベルばらKids』3 『LEGAの13』2 『アルトネリコⅡ』3 『楽園番外地』1 『聖おにいさん』2 『チェーザレ』5
(あと『風雲児たち 幕末編』13がある)
 掲載誌からも内容からも「少女マンガ」と言い切れるのは2つ、青年誌作品が3つ、広義の歴史ものが5つ・・・では広くとりすぎだろうか、架空FTである『アルトネリコ』と学園ものの『楽園~』以外を指しているけど。

 『LEGAの13』byやまざき貴子
16世紀ヴェネチア、錬金術師レガーレは、元首の命令により監禁状態で研究中、しかしたまには抜け出してみるし、ヘンな連中は出入りするしでそれなりに冒険アリの日々。ゲストキャラの「ドンナ・ダルマツィア」、商人の娘から海賊にさらわれて異教徒の王の愛妾に、そしてまた海賊に拉致されて、あれこれあって今度は彼とらぶらぶに。翻弄されながらも受け入れることを決めて、たくましく幸せをつかんだ女の姿に夢とリアリティがある。
 別の話のゲストキャラの名前、なぜ「クリストバール・コロン」? 16世紀も後半の設定ならば、あの有名人のはずもないし。

『楽園番外地』by桑田乃梨子
仏頂面で力持ちの羽都(はと)は、子リスのように可憐な蔵重繭里(くらしげまゆり)先輩に憧れ、彼の園芸活動に助っ人する日々。ムダに迫力のある女の子と、かいがいしくマイペースな男の子、異端なのか正統派なのか判断に迷うラブコメ。ハトのお母さんが、人目でわかるそっくりブアイソで、でも母子の仲はよさそうなとこが微笑ましい。

『聖おにいさん』
 「バベルの塔」に「蜘蛛の糸」ネタのギャグに笑いがこみあげる。イエスの人面瘡ならぬ人面Tシャツベロニカが最強か?
 太り気味のブッダがダイエットを志す話がある。天人たちはブッダがやせるのに反対だと言ってるけど、そういえば、仏像はふくよかもスリムも両方あるけど、太ったキリスト像は見たことない。

『チェーザレ』
アンジェロと一緒にお忍びに出た続き、チェーザレはしっかり女の子たちをひっかけている(名前にふさわしいのか)。
 大学のイベントで、学生たちが北と南に分かれて模擬戦するのを市民たちも楽しみに見物するあたり、剣闘士試合のころからの血なんだろうなと感じる。日本で言うならなんだろう。
 カテリーナ・スフォルツァのウワサが出てきている。もちろん伏線だろう。しっかりそこまで描かれますように。
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『逆光のメディチ』の最悪な改題

2008-07-23 05:25:25 | 
 藤本ひとみの本の巻末には著書リストがあるが、改題について全く触れていないことは甚だ不便だ。
集英社のPR誌『青春と読書』に、新刊として文庫『ダ・ヴィンチの愛人』藤本ひとみ の名が挙がっていた。藤本ひとみの歴史ものは一通り読んでいる。それでこれもとりあえず注目。ただし、この作家の本は出直しの際にタイトルが変わることが多い。だから、本屋で確認することが必須である。それで見たところ、--やはり改題だった。新潮文庫で出ていた(いま品切れかどうか知らんが)『逆光のメディチ』ではないか。
 そもそも、レオナルド・ダ・ヴィンチという名前を端折る場合に「ダ・ヴィンチ」はおかしい、「レオナルド」と呼ぶべきだとはしばしば指摘されること。タイトルならば、てっとりばやさが要るのでまだ妥協できるけど、文章中でまではやめろ。
(ベストセラーの『ダ・ヴィンチ・コード』のときも思ったこと。)
 確認していないけど、『逆光のメディチ』ではきちんと「レオナルド」と書かれていたのではなかったか?
 この小説は、老いたレオナルドが弟子のフランチェスコ・メルツィに、己の若い時代を(自分そのものではなく、少女の姿に仮託して)語るという形式であり、そして最後に、物語につける題を尋ねられて、『逆光のメディチ』と答える、それがラストであった。それが、この改題のおかげで最後のセリフが『愛人』になってしまった。
ーーそりゃなぁ、この言葉は本来、文字通りに「愛する人」というだけの意味であったことは事実だよ、「情夫」「情婦」の代わりに使われて不純な意味がこもるようになったのは戦後のことだと知っているさ、しかしなぁ・・・。こういう話なら、ただ「愛」か「恋」にしておいてもよかったのでないか? 『レオナルドの恋』あたりのほうがよほどすっきりする。 『逆光のメディチ』のほうがずっと雰囲気があったのに。「ダ・ヴィンチ」の「愛人」だと! 最悪。 「メディチ」よりも「ダ・ヴィンチ」のほうがネームバリューがあることは理解できるけど、それにしてもセンスのない改題だ。内容はいいのに。
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イベリア、カナリス、「7月20日」

2008-07-20 06:37:56 | ドイツ
先月から読んでいる逢坂剛の『イベリアの雷鳴』に始まるイベリアシリーズ。6巻予定で、その5冊めが出たと講談社の冊子「本」に紹介されていた。逢坂剛といえば、『新選組血風録』上映会に来たこともあって若干親しみを持つ理由があることに加えて、このシリーズは第二次大戦の欧州が舞台で実在の人物もぞろぞろということで手を出す気になった。
 主人公は、日系ペルー人の宝石商と名乗りスペイン等で活動している北都、実は中野学校を出た日本軍人。兄はスペイン内戦でフランコと戦って惨殺された。
 その北都が英国の情報員ヴァジニアとビミョウな距離感を経て結局は恋におちているが、それぞれの祖国は敵対関係にあって悩ましい。
 北都が少年のころに日本で助けたゆきずりのドイツ人が、のちの軍防諜部(アプヴェーア)長官、カナリス提督で、それぞれの立場は尊重しつつも親子のような情を持っていてくれる。(日本に来たことがほんとにあるか知らんけど) 北都の兄がフランコの命令で酷い処刑をなされたことにお悔みを言うのは、のちの歴史ーー「7月20日事件」(#)に連座して刑死ーーを知っている読者として哀しいものがある。
 カナリスといえば、『鷲は舞い降りた』、『エニグマ奇襲指令』等にも登場している。ねもと章子『ヘルメスの翼のもとに』(『ヘルメスの紋章の秘密』『地上より永遠に』と続く「レートルシリーズ)にも。(ロシアタバコの強烈さにゴホゴホ、の場面は『わしまい』がモトネタだな) 
 5作目『鎖された海峡』は図書館で予約したけど、12人待ちだ。

 この項、「本」と「歴史」と「ドイツ」のどこに入れるか迷うけどとりあえずドイツ。

 7月20日ということで投下。

#「7月20日事件」--1944年7月20日に起きた、陸軍将校たちを首謀者とするヒトラー暗殺未遂事件。
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新興国

2008-07-18 05:26:52 | 歴史
 サミットのニュースに対して特に関心を持っていたわけでもないが、インドや中国を「新興国」と称することにはたいへんに抵抗を感じた。経済的な点でこのごろ無視できなくなってきたということなんだろうと思うけど、--歴史的に見てどうなんだよとツッコまずにはいられない。「世界4大文明」に「黄河文明」「インダス文明」は名を連ねているし、ヨーロッパなんて長いことイスラム文化圏にだって遅れをとっていたではないか。キリスト教もたかだか2千年の歴史しかないし。(イスラムは7世紀からだが) 古ければいいってもんでもないけど。 もう少し納得のできる名称はないものだろうか。

 感傷的なことをいえば、伝統ある大国が、新興勢力のまえに没落していくドラマには惹きつけられるタチである。
 武田の騎馬隊が織田の鉄砲隊に敗れた戦(あの鉄砲の活躍は史実ではあるまいという説が出てきていることはきいてるけど)とか。
 スペインの「無敵艦隊」(という名も、あとでイングランド側がつけたというが)が、イングランドに敗北を喫したとか。
 大エジプト王国が新興国ローマに・・・って、これに関しては肩入れがローマ側に激しいけど、エジプト側に光をあてたってもちろん面白い物語になりうると理解できる。

 『燃えよ剣』で、榎本武揚が「私は新選組ときくと新興国プロシアの軍人を思い出す」と言っている。フィクションのセリフであるけど、わからんでもない。分裂の激しかったドイツ、その中でも軍事的経済的に力を伸ばし、18世紀始めに「ブランデンブルク選帝侯国」から「プロイセン王国」になり、ついにはドイツ帝国の中心になったプロイセン。ほかの地域からけっこう反感持たれていた様子は、文学・歴史に接していてたびたび感じるけど、日本人にとってのドイツイメージの中で、勤勉、秩序、忠誠、といった硬い部分はおおむねこのプロイセンからきているといっていいだろう。ベルリンはまた、様々な要素の混在する国際都市としての面を持っているけど。「新興国」の首都だったと思うと感慨が湧く。

 『ヘタリア』で、初対面の「イタリア」と「日本」が「あっかわいい、俺よりちっちゃい!」、「失礼な、私はあなたよりずっとじいさんですよ」という会話をかわす。「イタリア」より「日本」が「ちっちゃい」というのは、人間の体格を念頭においてのセリフだろうか、面積は日本のほうが大きいはず。「ずっとじいさん」はなんだろう。まさか「紀元は2600年」? 手元の歴史年表を見ると、「BC272、ローマ、イタリア半島を統一」と書いてある。そのころ日本は弥生時代だが。BC753にロムルスがローマ建設というのもある。だったらローマのほうがじいさんだ。イタリアの統一・王国成立は1861年、「維新」より少し早い。(ドイツの統一はもっと遅い!)
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料理度

2008-07-15 05:18:05 | 雑記
 ーーそんな言葉はナイ。私が勝手に使ってるだけの「自分語」である。
 今日は料理度が高かった、と言えば、たくさん手間・時間をかけたという意味。
野菜や肉をゆでたり炒めたりまとめてしてあって、それらを組み合わせて食べる段階までもっていくだけだと、私にとって「料理度」は低い。包丁を使って、生ゴミを出す作業をすること、これだと「高い」という実感がある。
 昨日は「高い」日だった。先週スーパーでジャガイモを買った時点では、肉じゃがをしようと思っていた。しかし、弟がもらいもののハム・ソーセージをたくさん持ってきたので、ベーコンを消費するためにジャーマンポテトにした。正確な作り方を知らんけど、だいたいこんな感じだろうというところで。油と塩は(炒めて冷蔵庫に入れてあった)みじん切りタマネギの水分+油、それに加えたベーコンとサラミから出ただけで充分で、新たに加える必要がなかった。つくづく、塩分がきついということか。なお、これらはイタリア製。イモは日本産。枢軸メニューだ。
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BGMの選択

2008-07-13 06:22:27 | 雑記
 駅でCDの安売りをしていたので、久しぶりに買った。「快適な目覚めのクラシック」、このごろは起きてすぐにこれをかけている。『ペール・ギュント 朝』『パッヘルベルのカノン』など。もう1枚買った「雨の日はプレリュード」、まだ雨の日がないのできいていない。
 昨日はやたらと暑かったので(今年一番の猛暑だとニュースでも言ってた)、「ワールドミュージック」のギリシアとスペイン、「クリスタルサウンド」を引っ張り出した。暑いときに聴くのは、涼しそうな曲か、逆に南国ムードかにする。きのうは『老人と海』を読んだのでスペインにした(スペインじゃなくてキューバだけど)。せっかく奮戦したのに・・・というラストで『Uボート』を連想した。

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カエサル生誕日である

2008-07-12 05:27:07 | ローマ
 カエサル生誕日である。
 「7月」の名前July(英語) Juli(独語)等が彼に由来するという話はたびたび教室でもする。すでに常識の範囲であると思うけど。そして、その次のAugustも後継者に拠るということももちろん。こちらは、誕生日ではなくて内乱終結または戦勝を記念していること、私よりも公優先という主張でもあるのだろうということも。これを知ったところでドイツ語の勉強にはならんが。

 去年あたり出た本、『ローマ帝国と皇帝たち』 原書房 を本屋で手にとる。まえに、「古代文明ビジュアルファイル」だったか、若いカエサルの像があまりにハンサムすぎる、これほんとにそうなのか!?と驚いたことをここで書いた。それと同じものはこの本にも載っている。P72.ところが、P135に、ほとんど同じ像がある。「カノーヴァによるオクタヴィアヌス像」とある。 ちょっとキズが違うので、別の品ではあるのだろう、しかし、コピーのようにそっくりだ。アントニオ・カノーヴァは19世紀の彫刻家。カノーヴァが古代の作品を模倣したのか?と思って、検索したが出てこないし、図書館で美術書をめくってもそういう作品は見つからない。謎だ。
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とある「少女マンガベストテン」

2008-07-09 05:27:58 | マンガ
 94年ごろだったろうか、BS2で「少女コミックの世界」という番組があった。『セーラームーン』が大ヒット中であったことは確かで、半分以上がこれにあてられていた。(当時私はまだファンになっておらず、少し読んだという程度だった)
 このとき、どこでアンケートしたのか不明だけど、人気ベストテンが発表されていた。

1、セーラームーン
2、白鳥麗子でございます!
3、X(エックス)
4、源氏
5、BANANA FISH
6、動物のお医者さん
7、ぼくの地球を守って
8、Bronze
9、I love her (いくえみ稜)
10、蒼の封印 (篠原千絵)

 これらのうち、私がまったく読んでいないのは3と9と10.全部読んだのが1,2、5、6。諸手をあげて支持するのは1と6。レベルを保ったまま円満に終わったのは半分くらいかもしれない。この当時、メディアミックスまったくしてないのは『動物のお医者さん』だけ?と思ったものだけど、これもだいぶ後にテレビドラマ化された。

 メモが出てきたので、ここでちょっと話題に書いておく。今昔の感あり。もしいま人気調査したなら、私の読んでる作品の率はわずかなものになるだろう。
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