『雪が白いとき、かつそのときに限り』 ハヤカワ・ポケット・ミステリ
まえにここで『元年春之祭(がんねんはるのまつり)』に言及した中国人作家のミステリー。今回は現代が舞台。
女子寮で、イジメにあっていた一人の生徒が冬の夜に締め出され、ナイフを手にした刺殺体で発見される。不審な点が多々あるが自殺として処理される。寮長、生徒会長らが探り始める。
これもまた、神秘的な、ある意味ぶきみな切れ者美少女が存在感を放っていて、ライトノベルの雰囲気もある。
マンガ化してもよさそう。
深緑野分『戦場のコックたち』
第2次大戦、ルイジアナで雑貨店を営む家の子テイムは、料理上手な祖母の影響で料理に関心を持って育つ。戦争に志願し、管理部つきコックになる。
初めて参加した戦闘がノルマンディー上陸作戦(『史上最大の作戦』)、そしてマーケット・ガーデン作戦(『遠すぎた橋』)、アルデンヌの戦い(『バルジ大作戦』)、重要な戦闘が次々と出てくるし、強制収容所開放もあるし、伝聞だけだけどオラドゥールの虐殺も。大戦の大きなポイントがたくさんおさえてあって、そこに各章ごとにミステリー要素の味付けがある。個性ある仲間たちもいる。
エピローグは、89年、壁の開いたベルリンで数人の生き残り仲間たちとの再会。
ティムが、結婚はしているけど実子でなく養子を迎えているのもいい点だ。
山下友美さんあたりにマンガ化してほしい。
須賀しのぶ『荒城に白百合ありて』
話題の新刊。
江戸育ちの会津藩士の娘・鏡子、薩摩藩士の青年伊織。
恵まれた身でありながら、心底からの情というものを持たないことを自覚している二人は、同類と感じながらもすれ違う。
予想できるように、悲劇の会津戦争。
ロミジュリ状況に何層のも屈折が加わって怒濤のクライマックスへ。
映像化されるならば、まっすぐな中野竹子がもうけ役だろう。
マンガ化は内水融氏ーーとなんとなく。
まえにここで『元年春之祭(がんねんはるのまつり)』に言及した中国人作家のミステリー。今回は現代が舞台。
女子寮で、イジメにあっていた一人の生徒が冬の夜に締め出され、ナイフを手にした刺殺体で発見される。不審な点が多々あるが自殺として処理される。寮長、生徒会長らが探り始める。
これもまた、神秘的な、ある意味ぶきみな切れ者美少女が存在感を放っていて、ライトノベルの雰囲気もある。
マンガ化してもよさそう。
深緑野分『戦場のコックたち』
第2次大戦、ルイジアナで雑貨店を営む家の子テイムは、料理上手な祖母の影響で料理に関心を持って育つ。戦争に志願し、管理部つきコックになる。
初めて参加した戦闘がノルマンディー上陸作戦(『史上最大の作戦』)、そしてマーケット・ガーデン作戦(『遠すぎた橋』)、アルデンヌの戦い(『バルジ大作戦』)、重要な戦闘が次々と出てくるし、強制収容所開放もあるし、伝聞だけだけどオラドゥールの虐殺も。大戦の大きなポイントがたくさんおさえてあって、そこに各章ごとにミステリー要素の味付けがある。個性ある仲間たちもいる。
エピローグは、89年、壁の開いたベルリンで数人の生き残り仲間たちとの再会。
ティムが、結婚はしているけど実子でなく養子を迎えているのもいい点だ。
山下友美さんあたりにマンガ化してほしい。
須賀しのぶ『荒城に白百合ありて』
話題の新刊。
江戸育ちの会津藩士の娘・鏡子、薩摩藩士の青年伊織。
恵まれた身でありながら、心底からの情というものを持たないことを自覚している二人は、同類と感じながらもすれ違う。
予想できるように、悲劇の会津戦争。
ロミジュリ状況に何層のも屈折が加わって怒濤のクライマックスへ。
映像化されるならば、まっすぐな中野竹子がもうけ役だろう。
マンガ化は内水融氏ーーとなんとなく。