レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

貧乏お嬢さまその他

2019-02-26 08:24:02 | 
 ハヤカワ文庫の棚で、ルパンの『奇巖城』『カリオストロ伯爵夫人』でカバーイラストがマンガ絵のものを目にする。ある種のコミカライズを手掛けた森田崇氏の絵である。私は基本的に、本を売るためにマンガ絵を起用する企画は好きである。・・・岩崎陽子さんか、さいとうちほさんならば買ったよ、少なくとも、まだ読んだことのない『カリオストロ~』は。
 

『貧乏お嬢さま、駆け落ちする』 リース・ボウエン
「英国王妃の事件ファイル」とシリーズ名がついているけど、「貧乏お嬢さま」のほうがずっと内容に即していて適切だろうに。今回は王妃はぜんぜん出てこないし。
 前巻のラストで、ジョージィは同乗したダーシーに行先は「グレトナ・グリーン」だと告げられたところだった。これはイングランドとの国境(?)近くのスコットランドの町で、駆け落ち者が急いで結婚するためにやってくるところとして有名なのである。
 で、二人もその予定だったが、途中で、ダーシーの父が殺人容疑で逮捕されたというニュースを知って、急遽そちらへ。彼女を巻き込みたくないダーシーは別れようとするが、そこはタフなジョージィのこと、アイルランドの彼の家(いまは人手に渡っている)まで追っかけて真犯人探しに挑む。 
 私の読んでいる外国産ミステリーのシリーズで、順々に、順調に、途切れずに訳されている数少ないものの一つ。
 時代はもう30年代で大戦まで数年。やたらと暗くならないうちに終わらないといけないのではと多少気をもんでしまう。

 スウェーデンのエーヴェルト・グレーンス警部のシリーズの邦訳は『制裁』『ボックス21』『死刑囚』と続いたところで倒産、4作目をとばして角川文庫から6作目が出た。それが最近になってハヤカワ・ミステリ文庫から1,2,3が復刊、たぶんそれらが売れたのであろう、4作目『地下道の少女』が訳されたのはめでたいことであった。
 
 『密偵ファルコ』、どうなっているんだろう。けっこう終わりも近かったのではと思うんだけど。
 ミステリーじゃないけど『ブーリン家の姉妹』とか、ばら戦争ものとかも途絶えている。
 『剣闘士に薔薇を』だけ訳されたローマもの(イタリア産)ももっと読みたい~~!


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レオとレオナ

2019-02-20 16:28:38 |   ことばや名前
 このブログで以前、ノーベル賞とった物理学者の江崎玲於奈氏の名前について、なんで「レオナ」なんだ、これでは女名前だろー!?と非難したことがある。2010.11.23の記事である。
「名前と性別」

 先々月あたり、新聞の「話の肖像画」でその江崎氏の談話が載った。引用。

 父は最初、獅子の如く勇敢になれということで「レオ」にしようと思ったのですが、今までにない名前ですから役所の人が驚いて「レオナ」とする方が据わりが良いのではと言ってきた、という話を花から聞きました。(略)外国に行くとレオというのは非常に簡単でみんな覚えてくれる。国際的に活躍するのには、良い名前だと思います。
 
 引用終わり。

 --ということは、役所の人の責任だったのか!
(次の息子の「融悧亜」ゆりあ のときもなにか言われたのだろうか?)
 
 先日mixiに、「海外でも通用する!「外国語の響きをもつかわいい女の子の名前」20選」という記事が載った。サラとかメイとかレイなんてのはわかるが、日本人の名前としていまどきでもそれはどうかというものも混じっていた。
 もろに「平たい顔族」そのものなのにガイジンじみた名前などつけられてしまうのも不憫ではなかろうか。そしてグローバルな活躍なんて望んでもいなかったらなお悪い。
 せめて、夜露死苦的当て字だけはしないであげて!と第三者としては思う。
 私の友達に、アメリカと日本を往復していた一家がいて、娘たちは「ルミ」「エミ」だった。どちらでもわかりやすいまともな名前である。


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レキアイ!2巻  カイニスの金の鳥

2019-02-18 16:25:04 | 歴史
「レキアイ!②」

 けっこう無理やりな歴史カテゴリ。

 「歴史系倉庫」の亀さんのウェブ連載『レキアイ!歴史と愛』の書籍化の2巻目が出たので、私のアマゾンレビューへのリンクを貼っておく。
 ・・・アウちゃん&リウィアが実現しなかったことが心残りで仕方ない。
 ヴィクトリア女王のお婿さんのアルバートが、不良息子に「お父さん死ぬほど恥ずかしいんだ!」――本人たちには気の毒ながらなんだかかわいい。
 このマンガで初めて知ったのは天文学者のハッブル、知ってはいたけど妻のことは知らなかったのはラボアジェやダーウィン。 勉強家の妻の話が目立っている感じ。孔明のとことか。エカテリーナなんて夫がバカな例だけど。


 mixiに引用されたコミックナタリーの記事で知った『カイニスの金の鳥』、19世紀英国で、小説家を目指す少女の物語が始まったので期待している。
「マトグロッソ」
「カイニス」とは、ギリシア神話に由来する名前。美しい娘カイニスはポセイドンに手籠めにされて、望みを叶えてやると言われて、もうこんな屈辱を味わいたくないから男になりたいというわけで男としてカイネウスとなった。ほぼ不死身になったカイネウスは神々への冒涜的行為に及ぶのでゼウスに睨まれた。ある結婚式でケンタウロス族が女たちを襲おうとしたので奮戦したカイネウス、彼には刃が通じないのでケンタウロスたちは、大木を積み上げて攻撃した。その木の山からは金の鳥が飛び立ったという。
 ・・・なんだかこのエピを知るとタイトルですごくネタバレの気もするけど、「名誉男性」になるのではなく、女としての悔しさを忘れずに奮闘していくことを象徴するのだろう。
 (ところで上記の神話エピ、あの世界では男だって充分に被害者になりうるんだけどね、というツッコミもいれたくなるんだよね~)


 『英雄!シーザーさん』はコミックスは1巻で止まったままだけどこちらで続いているので貼っておこう。
・・・ところが、貼ってみても使えない。「マンガクロス 秋田書店」で検索してください。

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『天上の葦』

2019-02-13 13:11:24 | 
太田愛『天上の葦』
 『相棒』の脚本でファンになった作家である。
 繁藤修司(20代初め)、鑓水七雄(30代半ば)、相馬亮介(たぶん同じくらい)の三人組のシリーズは『犯罪(クリミナル)』、『幻夏』ときて3作目。
 渋谷の交差点で、老人が、立ち止まり空を指さして、倒れて急死した。その謎を解明することが、鑓水の興信所が依頼される。依頼主は、かつて、彼らの暗躍で失脚に追い込んだ元大物政治家。
 一方、警察を停職中の相馬は、失踪した公安の男の行方捜査を命じられる。
 二つの調査が絡み合い、コトは戦時中の報道管制・洗脳の時代へとつながっていく。

 私は活字物語を読む際に、思い浮かべるキャラのビジュアルをマンガから借りることが多い。たいていはテキトーに選ぶけど、それなりに理由がある場合もある。
 このシリーズはなんとなく、浜田翔子絵のミラージュキャラ。グレた過去があって父子家庭の修司には高耶を採用している。チャラそうなふるまいだけど切れる鑓水には千秋。「花柄シャツ」も条件に合う。この二人は容姿のいい設定だけど、そのへんは地味そうな相馬は・・・特に誰が近いというわけではないけどいちおう色部にしてある。
 もし映像化するならマメ柴の四郎は存在をカットしないで出してね。きっと愛くるしい和ませキャラになってくれる。


 三浦しをん『本屋さんで待ちあわせ』はまえにも読んだけど、だいわ文庫から出直したので購入。文庫での追加書き足し箇所もあるし。まえにこの本から知って読んだものも多いけど、今回気になって、でも読んだという記憶のない本もある。『最後のプルチネッラ』、『少女が知ってはいけないこと』は、市内の図書館にもあるし、特に前者は歴史もの要素もありそうで私が手を出しそうなんだけど覚えていない。
 図書館のHPには登録すれば「マイページ」ができるんだけど、現在借りている本・予約している本だけしか載らない。過去の貸し出し履歴だって記録できたらいいのにとしばしば思う。

 本屋においてある「ちくま文庫」等の解説目録、表紙の安野光雅氏の絵(ホーエンザルツブルク城)が涼しげでいい感じということもあってもらってきた。これをめくっていても当然読みたい本が出てくる。『「即興詩人」のイタリア』なんて地元図書館にあるではないか。井上靖現代語訳『舞姫』、それは読まねば。

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ミシェル・ルグラン氏が亡くなったそうで思い出すベルばらのグチ

2019-02-06 10:26:37 | マンガ
 まえに書いたかもしれない。
 NHK-BSのクラシック音楽の番組『プレミアムシアター』で、数年前、ヴェルサイユ宮殿の庭園で催された、ミシェル・ルグラン作品のコンサートが放映されたことがある。映画音楽で活躍した人物で、ジャック・ドゥミ監督と組んだ『シェルブールの雨傘』が代表作である。
 『ベルばら』の悪名高き実写映画(『レディ・オスカル』ともいう)、ヴェルサイユ宮殿でロケしたというだけが取り柄の愚作、あれがその同じ監督+作曲家コンビなのである。
 映画の出来を決めるのはいろいろな要因があるだろうけど、いくら名監督でもあんな話のアレンジでは名作になるはずがあるまいとシロウトとしては思う。いくら、長い原作を2時間にまとめることだけでも難しいとはいっても、キャラのぶち壊し方だけでも許せる範囲ではなかった。検索すると「脚本 - ジャック・ドゥミ、パトリシア・ルイジアナ・ナップ」と書かれている。あとの名前にはリンクもついていないということはさほど有名な人ではない(念のためこの名前で検索かけてもコレしか出てこない)、ではストーリーに関しても監督の責任にしてもよいということか。
 もちろん、上記の庭園でのコンサートにはベルばらのベの字もなかった。だれか思い出した関係者はいただろうか。
 ミシェル・ルグラン氏の訃報が先日新聞に載ったので、改めてグチをこぼしたくなった次第である。先入観なしで音楽にだけ耳を傾けたら悪くないのだろうか。

 原作とファン心理をきちんと理解した人がリメイクしてくれないものだろうか。
・言語はフランス語メインで!
・オスカルは長身スレンダーでりりしいタイプの美女で!
・アンドレはでしゃばらない役どころで!「男がリードする」というふうではダメ!
・『アンジェリク』(約2時間×5回)くらいには時間をとる。
いろいろと注文はつけたいが、言うだけならタダだ、いくらでも言うぞ。
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フェルメールスープ美味しい

2019-02-01 07:42:18 | 雑記
「SoupStock」
 たまに行く店「SOUP STOCK」。いろいろなセットがあるが、私が食べるのは小さめスープ2種と、ご飯またはパンの組み合わせ。スープと合うのはパンのほうだけど食べ応えは断然ご飯なので迷う、ごまご飯美味しいし。
 今回は「豚肉とレンティッキエ~」がご飯との組み合わせも良さそうなのでそれにして、もう一つ「フェルメールの「牛乳を注ぐ女」のスープ」、これにはパンも含まれているのでお得感があった。展覧会にちなんでの期間限定ものだろう。チーズの嫌いな人以外にはお勧めする。
 この日の朝、駅で、じきにダイヤ改正(この「改正」はおかしいだろうという主張をこのブログの初期に書いたものである)その他のお知らせを、特製クリアファイルに入れて配っていた。サイズはA5で路線図が描かれている、特にうつくしいわけではないがそれなりにカラフル、ちょっともうかった気分。
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