レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

天みつ1  何食べ10

2015-06-29 05:55:17 | マンガ
「冬水社」から戸川視友(みとも)さんのコミックスが2冊出た。『王のいばら』外伝6といまの連載の1巻。
本編が17巻で終わっているのにまだ次の7巻も出る予定なのか。せめて半分以下にしておかないとみっともないとなんとなく思う。アルスガルドがジョセフの命を救うための祈りで、彼に関する記憶と女ごころを犠牲にしたという展開は悪くない、それならば大きな犠牲でもあるし、未来の希望もなくはないし。
 すかさず始まっている連載は『天と献上姫』(てんとみつぎひめ、略称「天みつ」)。これも架空世界でのコスチュームもの。
 「世界の西半分を治めるバスティア王国」の王子ルーファス、「東半分」の「紳帝国」皇太子白崙(バイロン)、この東の帝国は明らかに中国イメージで、西はヨーロッパ、服装などは18-19世紀くらいに見える。
 バイロンから和平の証にとルーファスに「献上品」としてよこされた黒髪の美女「猫(マオ)」は、幽体離脱のような謎の力を持っている。

 戸川作品は、手元においてくりかえし読んでいるというわけではないので印象が間違っているかもしれないが、『白のフィオレンティーナ』の間に絵が洗練されてきて、『海の綺士団』のときが最もきれいだったのではなかろうか。『王のいばら』で崩れが気になってきた。今回、腕脚が細長すぎる、頭部のうちで顔が大きすぎると思うことがある。
 河惣さんが、話も絵も劣化がひどいと散々言われているので、それも連想して気になってしまう。『天みつ』、話はまあまあなんだけど。

よしながふみ『きのう何食べた?』10巻
 もう10巻か~。話の始めに43歳だったシロさんが9巻で50になっている。その両親もだいぶ老けている。親たちの「終活」なんて、これは少女誌では出てこない要素だ。
 「パンケーキ」のブームも定着したのかもしれないが、私はいまだに食べていない。「ホットケーキ」すら何年も食べていない。
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ビックリマンシールと美空ひばりと『うる星やつら』

2015-06-27 07:46:00 | 雑記
 半月ほどまえにmixiで見つけた記事である。ネット上に、ある女性が書いた:リビングを掃除していたら、夫のファイルがあり、「ビックリマンシール」のコレクションだった。「気持ち悪くて」捨てた。いい年してそんな子供じみたもの集めるな、捨てて正解。 夫は半泣きになった。子供のころから集めている「生きがい」だった。
 夫のものを勝手に捨てるこの行為は法律に触れるのだろうか? という話題で、結論を言えば、触れる。

 法律上のことはさておき。

 この記事に対しては、妻を非難するコメントが殺到していた。
 私も、ひとごとながら許しがたいと思う。

 「ビックリマンシール」はコレクターもいて、かなりの「お宝」であり高く売れるものでもあるらしい。
しかしそんなことは問題ではあるまい。

 ファイルが、幼女の裸写真だの、死体の写真だのならば、「気持ち悪く」なるのはわかる。

 片付けるように何度言ってもきかず散らかし放題にしていたので堪忍袋の緒が切れて捨ててしまったのならばまだ理解できる。

 仕事もしないでのめりこんでいたとか、大金をつぎこんでいたとかならば趣味に腹を立てることもあるだろう。

 しかしそういうことではなさそうだ。
 この時妻が初めて知ったということは、夫はこの趣味にひとを巻き込んだり迷惑をかけていたのではない。ひっそりと集めていただけだろう。「生きがい」というわりには慎ましい。

 それを、この妻は「子供じみている」の一言で、ひとの大切なものを勝手に捨てた。悲しんでいる様子を見て後悔もしないとは。
 離婚しろ!


 思い出すことがある。
 『うる星やつら』がヒットしていたころのこと。アニメ雑誌の投書欄で読んだ話。
 『うる星』のビデオソフトをつけたら、画面には美空ひばりが出てきた。復活公演が放映されたのを急いで録画するために、母親がソフトのツメにテープを貼って使ってしまっていた。「これを買うためにお小遣いためたことを知っているはずなのに。あんたもう何回か見たんだからいいじゃない、と脳天気に笑っているのです!」
 ーーこれを読んだ時も私は他人ごとながら怒ったものである。
 なにがなんでも美空ひばりを録画したかったその気持ちは同情の余地がある。では、せめて、ビデオソフトを弁償する義務がその母親にはあるだろう。
 この母子はその後どうしたのであろうか。

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女たちの時 我が足を信じて 緋色の十字章

2015-06-19 08:12:25 | 
「読みたい本の整理」で書いたように、図書館で借りて読みたい本を分類してどんどん片付けていっている。どうせ次から次へと出てきて、なくなることはまずないけど。


『女たちの時 ドイツ崩壊の淵で 1944ー1947』クリスティアン・フォン・クロコウ 平凡社 1991
 いまはほぼポーランドであるポンメルン、貴族の令嬢であるリブッサは大戦末期に同じく貴族に嫁ぐが夫はじきに出征して死亡。戦況がドイツ不利に傾いていく中で、出産して、実家の家族と共に西へと逃げ延びていく。
 リブッサは著者の姉で、語り手「私」として姉の視点に成り代わって語っている。
 プロイセンが体現している、秩序、勤勉、忠誠、勇猛といった軍人的な性質、「男性原理」が、戦争の崩壊と共に無力化され、「女性原理」が浮かび上がってくる有様が重要なテーマ。
 敵を打ち倒すという意味での戦いは男の領分でも、(愛する者を守りながら)己が生き抜くという戦いは女が強いということなのだろうか。

『我が足を信じて  極寒のシベリアを脱出、故国に生還した男の物語』 ヨーゼフ・マルティン・バウアー  文芸社 2012(文庫が2014)

 戦後、不当に抑留されて25年の刑を宣告され、しかし脱走して西へ歩く。途中で原住民に助けられたり、怪しい前科者たちとしばらく行動を共にしたり、なぜかユダヤ系組織に助力してもらったりで3年かけてたどりついた戦いのドキュメント。
 10年以上まえの秋、見たい映画が4本封切られ、この本を原作とした『9000マイルの約束』も含まれていた。その時は『ミッション・クレオパトラ』(アステリクス映画の第2弾。1はフライブルクで見たけど日本では未公開)を選んで映画館に行った。のちに『グッバイ、レーニン!』は地元があり、『女王フアナ』はレンタルで見た。『9000マイルの約束』だけいまだに見ていないのである。

『緋色の十字章   警察署長ブルーノ』マーティン・ウォーカー 創元推理文庫
 フランスの田舎町で唯一の警察官であり署長を務める四十路前独身男のブルーノ。そこで起きた殺人事件、被害者は既に長いこと住み着いているアラブ系で戦争での勲功もある老人、死体には鉤十字型の傷が掘られていた。
 滞在する英国婦人と、歴史的な英仏対立をふまえての冗談のかわしあいがあったり、ベルギーで決められた国際的衛生基準よりも伝統的な製造習慣を優先したい感情など興味深い。そして、特に人種差別主義者でなくても、移民・異教徒が増えすぎることを警戒する気持ちが確かに存在することは、いまの日本でも他人ごとではない。
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サントリー「黒烏龍茶」

2015-06-15 08:49:21 | 雑記
 サントリーのペットボトル「黒烏龍茶」は、1リットルサイズと350mlがある。このごろ後者の形状が変わった(容量も違うのかもしれない)。これまでは太く短いものだったのに、いまは細長いものになっている。まえのほうが落ち着きがあってよかったのに。それに、ラベルが妙にペラペラ薄いものになってしまったことも気に入らない。私は、ペットボトルはその後もしばらく、持ち歩き用または冷蔵庫に常備するお茶入れとして使うので、ある程度の丈夫さも欲しいと思うのである。
 
 上記の350mlは、これの1ダースを懸賞で当たってもらったことがあるのでそれなりに愛着を持っている。だからこのごろあの形がなくなりつつあることがいっそう寂しく感じられる。
 
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「顔じゃない」証明になっていない言葉

2015-06-08 10:22:30 |   ことばや名前
 先月、mixiで紹介されていたコラムに「世界中の男よ・・・聞け!「女は顔じゃない」を証明する日本語5つ」と題する文章があった。引用元は「メンジョイ!」。
 その5つというのは、
①美女は生を断つ斧
②孔雀は羽ゆえに人に獲らる
③傾国
④佳人薄命
⑤ あばたもえくぼ
であった。
 このうち①と②は初めて知った。
 ①は、美女の色香に溺れると(精力使い果たして)寿命を縮めるということだそうだ。②は、説明しなくてもわかる、美貌や才能で目立つとかえって不幸にもなりかねないということ。
 ①と③は、出典の意図するところはともかく、美女とはそれほど、危険なまでに魅惑の存在だということを強く感じさせる言葉である。
 ②と④は、美女にもそれなりの苦しさがあるのだからと、むしろ非・美人を慰めるほうに使うのではないだろうか。
 ⑤は、「惚れた欲目」の類語であるが、ここで持ち出すのはあまりにも、文字通りに解釈しすぎでこじつけがましい気がする。
 くだんの記事は、「口下手な女性も、これらの言葉を使うだけでOK。男性はぐうの音も出ませんよ。」などと書いているが、どういう場面で使えと言うのだろうか。
 美女にメロメロ状態の男に対して警告する際に①や③を持ち出すのはまあありうる。しかし③なんか該当するのはよほど地位や権力のある男だけだろう。それに、相手にされてもいない状態ならば①もあてはまらない。
 「孔雀は~」だの「佳人薄命」だのと言ってやったところで熱をさます効果なんてありそうもない、かえって同情してしまいそうだ。
 「女は顔じゃない」ならば、容姿以外の美徳を説く言葉をひっぱってくるほうがいいのではなかろうか。
 ほとんどまったく「証明」などしていないうえに、ここで出たもの半数以上が中国原産だ、タイトルの「日本語」はやめておいて「言葉」でよかったのに。



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7月のコミックスでは4冊買うだろう

2015-06-04 05:37:16 | マンガ
「太洋社」のコミックス発売リスト、もう7月ぶんが載っている。
 私が確実に買うのは、
『ヘタリア The World Stars』2巻
さいとうちほ『VSルパン』2巻
『薔薇王の葬列』4巻
『ベルばら』12巻
 『ベルばら』の「外伝」を、従来の10巻のあとに続けた巻数で表示することにはたいへん抵抗がある。作者が描いているからといって同列には並べたくない。某掲示板によると、オスカルの両親の若い頃が出てくるけど本編の人物像を裏切るものであるらしい。
 さいとうさんは、ハーレクインを含めて同日に3冊発売。

 上に挙げたものは全部、多少なりと歴史もの要素がある。(ルパンは・・・古典ものは私の感覚で歴史に近い気がするのである)
 歴史といえば、NHKの「歴史秘話ヒストリア」で来週(10日)里中さんが出演なので見ようかな。もちろん『天上の虹』の縁で。
 あずみ椋さんにそういう機会があればいいのに。北欧か聖書の関連番組はあるだろうに。 『ニーベルングの指環』を詳しく取り上げる連続番組(地上波ではなかった)で出演なさったことがあるけど、見たファンは少なかろう、私も未だに知らない。
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雑貨とティーポット

2015-06-01 05:31:30 | 雑記
地元駅においてあるペーパーに、「特集!ココロおどる雑貨ハンティング」という記事があった。
 「雑貨」を手元にある小さい辞書で引くと、
「毎日の生活のために使う、ちょっとしたいろいろの品物」という、わかるようなわからないような説明が書かれている。
 生活はだれもがしているものなので、「雑貨」は老若男女が使うものであるはずだ、それなのに、なんとなく、女が楽しむもののようなイメージがある。上記の冊子でも、「雑貨ショップをめぐるのは・・・プラットガール」「おしゃれに見せる!雑貨スタイリングレッスン」等の文字が踊っている。
 BS日テレの『大人のヨーロッパ街歩き』でも、現地の雑貨屋はほぼ毎回出てくる。「ナビゲーター」が男の人ならばこういう趣向にはたぶんなるまい。もちろん男だっていろいろな好みがあろうが、少なくとも、海外出張の際に飛行機の中でウイスキーを買うようなおじさんには楽しくないだろう。

 1月に、MeWe(ミウィと言うたびに、言いにくい!と腹が立つ名称である)にいくつもはいっている雑貨屋の一つでティーカップの形をした品を購入した。それまで使っていたティーポットを処分したので新しい品が欲しかったのである。2杯ぶんくらいしか容量のないのが欠点であるけどまあまあの品であった。
 しかし、一つの欠点がある。カップ状なので、ここからカップにうつそうとするとほぼ必ずこぼれる。それを避けるために大きい別の容器に移したりすると冷める。
 昨日、イオンでうろうろしていたら、お茶屋さんの片隅で急須を売っていて、洋物のカップも少し置いてあった。きれいなデザインの、本来は急須かもしれないけど紅茶に使ってもおかしくない品で、値段も手頃なものがあったので購入。これでこぼさなくて済む、よかったよかった。
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