レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

不毛

2008-12-31 06:37:52 |   ことばや名前
角川文庫の新刊、『楽しく身につく日本語講座』から。

「間違った使い方はどれか?

不毛
①彼らは不毛な論争をいつまでも繰り返して。物別れに終わった。
②入植以来、不毛の土地を開拓して、この楽園を築いた。
③年配の不毛の人々から、この薬剤の効果が期待されている。」

和製英語の「ヘアヌ○ド」について読んだ話によると、この言葉はネイティブに通じるものではなく、ある人、考えこんでから「ハゲ頭?」と言ったそうである。

 私が「不毛」という言葉に初めて接したのは『不毛地帯』だった。いまだに読んではいないけど。

 なお、上記の問題は「中級」に分類されている。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドイツの青

2008-12-30 07:21:42 | ドイツ
『色の名前507』からの話題。

「プルシャンブルー」という名前があることは知っていたが、これが「プロイセン」であることはこの本で初耳だった。
「この青い顔料は1704年に」「ドイツとフランスでほぼ同時に発見された」、「発見地からベルリンブルー、パリスブルー」「などその他多くの別名がある」が、当時ベルリンが首都であったプロイセンの名に落ち着いたということだ。一言で表せば、紺の一種である。 
「プルシャンブルー」
なお、「アイアンブルー」も同じ色になっている。

「サックスブルー」という色もあり、これは同じドイツの「ザクセン」。ドイツのエルベ川流域のザクセンは歴史的に青い色に縁が深いらしい、と記してある。少し灰色がかった青である。「サックスブルー」

 バイエルンのシンボルカラーは、空の青と雲(アルプスの雪だったか?)の白だときいた。では「バイエルンブラウ」なんて勝手に呼んでいる色もありそうだな、あそこも自己主張激しそうだから。

 なお、ドイツ国旗は黒・赤・金である。
 国花はヤグルマギク。これも青だ。

 少佐に由来する名前として、「モーゼルグリーン」なんてつくってみたい。「モーゼルワインのボトルの色」。 対になるなら「ラインブラウン」か。
(特徴のある色というわけでもあるまいが)
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

歴史フィギュア

2008-12-28 06:01:52 | 歴史
「まかつきゅう」ブログで話題に出ていた、歴史フィギュアのサイト。
「Historikal
Figures」
 
まだアップされてないものが多いけど、この先北欧神話のキャラが出てくるのは楽しみである。
 ルイ16世は錠前造りスタイルまで載っている。
 クレオパトラはロコツにお色気路線。
 ネロはカマっぽい。
 マリア・テレジアはもう少しソフト路線の肖像を選んでほしかった。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

浅葱色ってどんな色

2008-12-27 06:25:01 | 新選組
 これで「新選組」カテゴリーにしてしまうのも強引である。

「あさぎ色」と音できいた、またはカナで見た場合、薄い黄色だと思う反応のほうが普通かもしれない。「浅黄色」と書いて薄い黄色の染色名もあるらしい。
 『色の名前507』には、「江戸時代には、田舎から出てきた侍が羽織などの裏地に浅葱色をよく用いていたので、気のきかない田舎侍を浅葱裏と読んで馬鹿にした。当時の差別語の一種」とある。
↓「日本の伝統色」より。
「浅葱色 」
「花浅葱 」
「水浅葱 」
「錆浅葱 」

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

美形俳優投票の結果

2008-12-25 17:11:25 | 雑記
「準ブックマーク」先である「ゆめうつつ館」のユメリアさんによる、美形俳優の投票が終了した。話のタネにご覧下さい。
「シニカル・ヒストリー・タワー 投票所」
 
 俳優にそう詳しくはないので知らない名前は多いけど、中には、「人気あるのは知ってるけどこれ「美形」か?そういう路線ではないはずだが?」というものもある。ま、明らかに俳優でない名前を書いてくるよりはマシだけど。あるとき、「○○○○(女子バレー)」なんてのもあった。削除されても二度三度。そりゃな、ちょっとしたイタズラしたくなる気持ちはわからんではないよ、しかし私が理解できなかったのは、わざわざ「外国の」「男優」に入れていたことだ。日本人の名前の中に紛れ込んでいたのならば、そういう女優がいるのか、ですんでいるだろうに。しかも、「(女子バレー)」なんてご丁寧につけて。
 私が立てていた「歴史上の名コンビ」にも、「玉○と大○保」なるノミネートがあった。検索して、サッカー選手だとわかったので削除した。何度も懲りなかった。しかし最終日の夜に滑り込まれてしまい、結局1票残ってしまった。--害があるわけではないけどね。歴史に残ってもらいたいと思っているんだろうな。

 美しさを競うことに絶対の基準はない、とはいえ、品定めすることは楽しい。またなにかしらこの手の機会があるといい。
 なお、私が上記の美形投票で票を入れたのは、栗塚旭、ジョン・キャッスル、サイモン・ウッズ、ジェレミー・ノーサム、マーティン・ポッター、ブノワ・マジメル等。栗さん以外は一つや二つ見ただけなのだけど。単純に「美しい!」で選んだ。女優では、グレース・ケリー(映画見たことはないけど)、ソフィー・マルソー、エリザベス・テーラー、レニ・リーフェンシュタール(これも映画は知らない)。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『鬼国幻想』その他

2008-12-23 06:01:46 | マンガ
『ヘタリア』(まえの巻のときには「ドイツ」カテゴリーに入れていた)の2巻が出ていた。四季を楽しむ、自称じいさんの「日本」、大騒ぎしながらホラーを見ようとする「アメリカ」、カゲが薄くてとろい「カナダ」、ブラコン・シスコンふうの「リヒテンシュタイン」と「スイス」。「ローマじいちゃん」と「ゲルマンさん」の対比では、ゲルマンがロン毛であるあたりがちょっと嬉しい(?)。考証を言うならばむしろゲルマンのほうがヒゲだろうけど。「エジプト」ならばやはりあのヘンな頭(被り物しててもその下でもヘンだと思う)なんだろうか。
 大マジメなドイツを見ていると、少佐を思い出してたいへん懐かしい。

『風が強く吹いている』4巻
 ついに駅伝に突入。スポーツものを私が読むのは珍しいのだけど、ストレートで熱い世界もたまにはいい。・・・自分が走る気にはまったくならんけど。
 絵はワイルドな中にもところどころ端正な部分がある。ハイジはけっこうキレイだと思う。原作では、マンガオタクの「王子」が「アイドルみたいな顔」とされているけどマンガ版ではむしろギャグっぽい、でもいい奴。

『鬼国幻想』by市川ジュン
「あおば出版」が倒産して、後半の単行本はどうなるかと思ったけど、「グリーンアロー出版社」から上下巻各1200円A5サイズで刊行。(まえの1,2巻分は上巻と同じで、持ってる人は下巻だけでいいように配慮してあるらしい)
 物語の世界では戦国と違ってマイナーな南北朝。「悲劇の皇子」大塔宮護良親王(八雲王)、「国母」たる野望を抱く、後醍醐帝寵愛の阿野廉子(千寿)、千寿の異母妹で八雲を慕うお転婆姫・緋和。
 前半の、八雲への、八雲との恋にまっしぐらな緋和は健気だけど、そのあとの悲劇を知っていると見ていてかえって辛かった。そして八雲の死後、彼を非業の死に追いやった足利兄弟、そして千寿への復讐として、世の争乱を願って両者の間を暗躍するのは、なんとも痛々しい。ここでふと思い出すのはロキ、『緋色い剣』の後半は、己の心を弄んだオーディンへの復讐で神々と巨人族との最終決戦をひきおこすべく画策するのだけど、こちらは、神話としての史実(?)であるし致し方ない。痛ましくていじらしくてじりじりする気持ちで読んでいて、しかし思っていたよりもはるかにカタルシスのあるフィナーレで充足感があった。
 そこいくと、『鬼国~』はなにか哀しさのほうが重い。千寿は「国母」になっても満たされていないし、千寿の凋落のきざしを見ても、足利直義の死を見届けても、それで緋和が救われたとも思えないし。
 尊氏妻や忠義妻の静かな強さが小さな救い、直冬の可愛さが清涼剤。 

『マダム・ジョーカー』7巻 by名香智子
 ゴージャスマダム蘭子さんの元級友の娘百合子ちゃんは、高慢ちきで贅沢なお母様からは美貌だけ受け継いでいて性格は素直で堅実というたいへんスグレモノのお嬢さん。その百合子は、ひもじい思いを知っているので「食にいやしい」という悩んでいた。
 この百合子、貧乏なのにお嬢様だと周囲に思われているという点が「山田太郎」と共通している(お嬢様なのは事実だけど)。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『色の名前507』を買った

2008-12-21 08:04:20 | 雑記
 色見本に凝って、そのサイトの図と身近なものを比べてなんという色なのか調べることが楽しみになっていたのだけど、きのう『色の名前507』を買った。やはりパソコンの画面で見るよりも紙本のほうが落ち着く。  もっとも、必ずしもすべての色が載っているわけでもないけど。そして、この本とサイトとで色にズレもあるし。ややこしいものである。
 少なくとも、カダケスのブックカバーの「チェリーピンク」はおおいにマチガイだろう。見本で「チェリーピンク」はわりにフツウの(?)明るさのピンクであり、ブックカバーで「チェリーピンク」とされている品は濃いピンク、これは「ルビーレッド」、「ストロベリー」だ。 ま、なにかの名前になっていても、そのなにかの色と常に一致しているわけでもないけど。黒っぽいチェリーもあるし。

「日本の伝統色 和色大辞典」
「原色大辞典」
「洋色大辞典」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クリスマスソングのCDをききながら

2008-12-19 06:56:33 | 雑記
 ポストが「年賀」と「一般」に分けられる季節になった。
 私は半分はクリスマスカードで代用してしまったので、年賀状は20枚足らずだ。宛名・切手・スタンプやシールの段階をすませて、あとは本文の記入だけ。これならば講師室の待ち時間でも少しずつ済ませられる(なんていうと忙しい人間のようだ)。 もう大学も終わりだけど。少しはほっとする。
 クリスマスCD(ドイツのやら『セーラームーン』やら)をききながら年賀状の用意をするのは、たぶん心がけのいいほうに属するのだろう。『紅白』や『ゆく年くる年』見ながらなんてひとも珍しくはあるまい。それはそれで年末らしくていいと思うけど。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

このごろ買った本

2008-12-17 05:40:58 | 
・飯田道子『ナチスと映画 ヒトラーとナチスはどう描かれてきたか』
・新潮文庫「おとなの時間」の『草原の記』『アメリカ素描』by司馬遼太郎
・『月と六ペンス』モーム
・『テンペスト』池上永一
・松村栄子『雨にもまけず粗茶一服』
・清水義範『猿蟹合戦とはなにか』
・天野笙子『警視庁幽霊係』 祥伝社文庫
  これは文庫新刊コーナーでふと目にはいった。カバーと挿絵がTONOさん。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ユリ・クラの系図をながめて思う

2008-12-14 08:03:55 | ローマ
 歴史ものに対する感想は難しい。綿密な考えなく話していれば、純粋にその作品についてだけ語るのではなく、自分の勝手な想像力が入りこんだり、ほかの作品との比較になったり、当然史実との比較も出てくる。作者当人へ書き送るとなると特に肩が凝る。(史実ではこうだ、という話さえ嫌がる書き手までいるし)

 『小説 ティベリウス』の感想追加を少々。
・リウィアやアントニアのセリフが、年齢によって変化していないことは良かった。『この私、クラウディウス』の邦訳について、年寄りの言葉遣いがステレオタイプだという批判をネット上で目にしたけど、それをもしかして意識しているのだろうか。若いころに「女ことば」で話している人ならば、若くなくなったからといって激変するものでもないだろう、とは私は常々ヘンに思っていることだ。
・アウさんがドルスス(ティベ弟)について、感情・愛情表現が素直だということを「大きな尻尾が見えた」と言っている。ワンコな比喩が可愛い。ティベも、もし動物に例えるとすれば犬だろう、ノーブルで重々しい感じの。
・せめて、グルマニクスの死が(その父のように)謀殺の疑いなど出てこないものであれば、そしてアグリッピナが被害妄想に凝り固まらずにすんでいたら、あんなに悲惨な事態にはならずにすんでいたかもしれない、ひいてはカリグラがヘンになることも、小アグリッピナが野心にはしって「暴君」を生み出すこともあるいは?とせんないことがいろいろと浮かんでしまう。
 「キザなせりふをさらりと言う」ゲルマニクスのキャラクターは、確かにカエサルの血をひいているなーと思わせる。軽率な部分はアントニウスのせいにしてしまいたがる私は不公平かも。 こういう凛々しい息子に賛美され甘えられるアントニアは母親冥利だったに違いない。母の嘆きの場面は意外なほど心に響いた。

 ユリウス・クラウディウス朝の系図を眺めていると、末期ほど悲惨なことを感じる。不幸な死に方した人に印つけていくと、平和な人があまり残らない。
 ティベリウスの直系は(少なくともユリクラ内部に限れば)、孫のティベリウス・ゲメルスのところで途絶えてしまっているのか。3代目・4代目・5代目皇帝と血縁はあるとはいえ。
 その点、最後のネロのところまで、アウグストゥスの、オクタヴィアの、リウィアの、アグリッパの直系はつながっているのだ、しかしアントニウスのも一緒に、しかも史上最も悪名高い「暴君」の中で! 皮肉なものである。
 アグリッパ・ポストゥムスはなぜグレたのだろう。父親の死後生まれたなんて境遇だと不憫がられそうなものだけど。兄たちほど可愛がられてなかったのか? 心がけ次第でいくらでも幸せになれる身の上だったろうに。(時代が下ると、身内ほど危ないという事態になるけどこのころはまだそんなでもなかったはず)
 アウグストゥスが、自らと身内のために望んでいた「安らかな死」は、本人以外にはあまりかなえられていなかったな~としみじみ思う。
 だから私はせめて庶子妄想設定で幸せな夢を見たくなるのだ。
 ティベリウスはロドスでアウさん庶子(父似)との間に子をなしているとか、彼女はユリアとユルスの子もひきとって育てているとか。
 アグリッパ・ポストゥムスは流刑地で子をもうけていて(曽祖父似)、長じて奴隷に売られたこの子はやがてカプリのティベのもとへ来るとか、
 もうキリなし。ガイウスやルキウスに隠し子がいてもおかしくないな。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする