レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

「佳作」のニュアンス

2018-05-20 14:39:46 |   ことばや名前
mixiの「つぶやきネタ」で、「傑作とまでいかないけど佳作だと思う映画」というお題があった。
 「佳作」は「傑作」よりもランクが下とされていることに抵抗を感じる。
 手元の小さい辞書「三省堂国語辞典」では
「すぐれた作品」とある。
 しかしすぐに用例として「選外佳作」なんてものが出ている。
 たぶん、「入選」できなかったものにこういう名称の賞を与えているから、あまり上でないような感じを持たれてしまうのだろう。
 私個人としては、「佳作」とは上品な響きがあると思う。(「美人」より「佳人」のほうが風格がありそう)
 世間で騒がれるほど有名ではない、派手やかではない、しかし味わい、深みのある良い作品、そのようなニュアンスを感じる。
 名作、傑作、良作、それぞれの雰囲気やとらえ方は個人差もあるが、少なくとも、「佳作」が傑作や名作よりも劣るものだとは決して思わない。

 なお、「佳作」という言葉がしっくりくると私が思う映画は、『わが愛の譜 滝廉太郎物語』『シューベルト 未完の旅』等である。
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読んでみたら面白かった異性マンガ?

2018-05-13 09:46:11 | マンガ
 mixiの「つぶやきネタ」に、
「読んでみたら面白かった、自分とは異性向けのマンガは?」
というお題が出てきた。日本語として奇妙だけど言わんとすることはわかる。女の場合、青年誌・少年誌のマンガを、男が少女マンガやレディスコミックを読んだ場合、ということであろう。「読んでみたら」は、女は女マンガを、男は男マンガを読むのが普通だという前提に立っており、昨今、女で男向けマンガを読むなど珍しくもないので、それがあたりまえだという人にとっては違和感があるに違いない。
 私の場合どうかといえば、基本的にやはり少女マンガ読みである。
 女子高漫研の後輩が貸してくれた『スラムダンク』、弟の持っていた『ペリカンロード』などがそれに挙げられる。
 新しいところでは、『聖おにいさん』『テルマエ・ロマエ』も挙げてよさそうなものだけど、私の中でなにかひっかかる。それはなぜかといえば、歴史もの(の一種)というくくりに入れられるから。それならば私にとって、ガラにもないと抵抗を感じる理由もないのである。
 『スラムダンク』『ペリカンロード』の場合、スポーツやバイクという題材では通常私の守備範囲ではないので、「読んでみたら」にしっくりくるということである。
 弟がジャンプを買っていたころに好きだったのは、『王様はロバ』、『マインドアサシン』、『ワイルドハーフ』等。

 『内閣総理大臣織田信長』も歴史ものくくり、『セスタス』も然り。
 あ、『チェーザレ』も!ーーこれが少女マンガとして描かれてイタリアでもウケていれば、塩野さんに対してざまあみろと思えたのに残念だ。

 『ヘタリア』、もともとネットの作品だけど商業誌では「バーズ」も「ジャンプ+」も男向けだ、でもあれを男ものと見なすことには抵抗があり過ぎるぞ。
 『きのう何食べた?』、青年誌だけど作者は一般少女誌でもBLでも描いているし。

 現役少女以外を読者から締め出すと「少女マンガ」はまず滅亡するだろう。少女がこだわらずに少年誌青年誌を読むのはいいことだけど、せっかく日本の誇る少女マンガという世界が手近にあるのだから、きちんと目を向けて欲しいと元少女でいまも少女マンガを好きな私は切に思う。「半径50m」でも丁寧に繊細に描いた名作はあるだろうけど、非日常の壮大さを味わえる世界も少女マンガに残してほしい。そういう作家たちをだいじにしてほしい。
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しばらく行かないと町も変わる

2018-05-08 18:35:54 | 雑記
 今日久々に町田に寄った。
 アニメイトのポイントがどういう決まりになっているか知らんけど、ああいうのはあんまり長いこと放置しているとパーになってしまうものだろう。出費メモからすると去年6月に買い物をしている、だから今日行ってきた。ヘタリアグッズの棚の前でいろいろ考えた末、「日本」のシールを選んだ。(これとアメリカと中国しかなかった)

 JR近くにあるルミネの7階には本屋があるが、・・・ブックファーストになっていた、前に来た時には有隣堂だったのに。

 小田急線駅を出たところにかつてはベーカリー「HOKUOU」があったが、これとは別のところにあるのを発見。ここはメロンパン系が美味しい。今日はやめておいたが「カプチーノレーズン」を次の機会には買いたい。でも検索してみたところ町田の店はいまHPに載っていない。更新が怠慢なのだろうか。
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特捜部Q 新刊

2018-05-01 07:58:32 | 
『特捜部Q 自撮りする女たち』
 デンマークのミステリーの人気シリーズ『特捜部Q』の第7弾。順番通りに順調に訳されているものはけっこう少ない、このほかはスウェーデンのヘニング・マンケルのヴァランダーくらいだろうか、アイスランドのアーナルデュルのもそうだろうか。
 殺人が過去のものと最近のと類似した事件があり、その関わりが疑われる一方、また別の連続事件も起きる。
 ソーシャルワーカーの若くはないアネリは失業者たちの相手をしているが、怠惰に福祉によりかかっている連中に憤りを感じている。おまけにガンが見つかり、絶望と共にある企てを進める。
 失業者女3人の中でも、次々に妊娠出産をくりかえして手当をせしめ続けている女はクズの中でも最低のクズである。

 レギュラー陣の一人であるローサは精神不安定で、ますます悪化している。それは父の精神的虐待に起因していた。その父は工場で、ローサの目の前で死んでいたのだが、たとえローサにその責任があったとしても、私は「よろしい私が許します」と佐藤愛子さんふうに言いたい気持ちである。

 ところで、チョイ役でアイスランド人の女(これもろくでなし)が出てきて、フルネームでない場合はなんとかドッティルと言われている。これは、なんとかの娘の意味で姓でないことがデンマーク人にも知られていないのか、それとも、知っているけど名前で呼ぶことに抵抗があるからなのか気になる。アイスランド製の小説『魔女遊戯』でも、捜査に来たドイツ人が主人公をフラウ・○○ドッティルと呼んでいてそのままだった。
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