レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

自動詞他動詞「〇〇化」

2024-05-20 10:12:36 |   ことばや名前

 新聞のテレビ欄で、放映される映画の紹介によくある、「~~の小説を元に映画化。」という書き方に抵抗を感じる。なにを?と言いたくなる。「小説を映画化」ならばおかしくない。

 
「〇〇化する」は、自動詞と他動詞とある。
 「アイスクリームが溶けて液体化する」
 「あの人は親はドイツ人だが日本で生まれ育って日本人化した」
 「アキレウスは女装させられて女たちの間に預けられていたが、もしもこの時に心が女性化していたらトロイア戦争に行かなくてすんだかもしれない」
 これらは、〇〇になる、〇〇のようになるという自動詞。文としては主語が要る。
 一方、映画化する、マンガ化する は他動詞ではなかろうか。
 「〇〇が映画になる」は、「〇〇が映画化する」ではなく「映画化される」。「映画化する」ならば、監督とか製作会社など、誰がという主語と、なにをという目的語が要る。
 「映画化される」ならば、~~によっての部分はなくてもいいが、なにがという主語は必須。
 だから、「〇〇を元に映画化。」だとおさまりの悪さを感じる。
 「〇〇を映画化」と言い切るほど忠実ではないので「元に」というニュアンスを入れたいというのであれば、いっそ「〇〇に基づく。」でよくないだろうか、映画の説明だということは自明なのだし。
 
 
 どちらかあいまいなものもある。
 「別冊花とゆめは、初期は季刊誌だったが、やがて隔月化」された、だろう、「した」もありそうだと思うが、「された」のほうがしっくりくる。
 こういうことは個人差、感じ方の違いもあるだろうから断言できないが。
 
 
 先日、以下のようなタイトルの記事を読んだ。
 
「セラムン世代、集合!『美少女戦士セーラームーン』初期2シリーズをモチーフにしたアクセサリーになったよ!」
 
 
 私はマンガやそれ準拠のセラクリの絵のほうが好きだけど、世間ではそうじゃないから旧作を大きく出しているんだろうな、とか、 
 アニメの旧作とセラクリで絵の違うことは知ってるけど、アイテムにまでそんなに差があるんだろうか、マニアはわかるんだろうな、とか
「ピンズは洋服やバッグに着けても目立つよう、やや大きめのサイズに仕上げているんですって。」 大人狙いなのにそれはマズいだろ、とか
 ーーと思うところはあるけど。
(なお、私はその手のアイテムにはまったく興味ない)
 
 記述の「〇〇化」問題と似たものを感じる。
「~~をモチーフにしたアクセサリーになったよ」
・・・なにが?「なる」は自動詞だ、主語が必要だろう。アクセサリーができたよ、ならばおかしくない。
 
 「~を元に映画化」への抵抗、この際なので書いてみた。
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集英社から世界史学習まんがの新版が出る

2024-05-01 06:07:05 | 歴史
mixiの記事で、集英社の学習まんが「世界の歴史」の新バージョンが今年出ることを知った。
<A href=集英社版 学習まんが 世界の歴史 | 集英社 (shueisha.co.jp)>「集英社版 学習まんが 世界の歴史」</FONT></A>
 いま出ている版は2002年だったので、もう22年とは、リニューアルしてもおかしくないんだけど、あずみさんが産業革命の巻を担当していてたいへん良い出来であることもあって、現行版にけっこう愛着があるのでいささか淋しくもある。
 日本史の時と同様、カバーイラストを人気マンガ家に描かせる企画。やはり荒木飛呂彦が話題。
 集英社の「世界の歴史」学習まんがはこれで3つのバージョンが出たということになる。
 集英社から新旧合わせて3種類。
 角川のもある。↓こういうの見つけたので貼っておく
<A href=(263) 角川歴史最強チャンネル - YouTube>「角川最強歴史チャンネル」</FONT></A>
 学研では、ムロタニツネ象バージョンのほかに2016年に出た版があり、これのギリシア・ローマではオクタが美形でアグリッパも出ている、ここでも話題にした。去年「増補改訂版」で「13巻」が加わった。新しいのはソフトカバーになっている。
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