レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

「先生」

2007-02-28 05:37:06 |   ことばや名前
 映画監督の山田洋次さんのエッセイ『映画館(こや)がはねて』を読んだことがある。よき人々との思い出を大切にした暖かい人柄を感じさせる好著だった。
 そこで印象に残っている部分の一つは、呼ばれ方に関するもの。「カントク」と呼ばれるのはいい気持ちではない、「山田さん」でいいから名前を呼んでほしい。学校の先生同士が「先生」と呼び合っているのはヘンだ、という点。
 --私も常々そう感じている。
 小学校低学年では、生徒に対して先生は一人称として「私は」の代わりに「先生は」だし、先生同士の会話でも「先生」。これに理屈をつけるならば、生徒がそれを真似るように、ということなのだろう。
 しかし、成長して生意気になれば、呼び捨てでも○○クンでも○○サンでも好き勝手に言うようになる。面とむかって図々しくなるのは困るが、カゲで「先生」呼びでなくなることなど関知することもないと思う。少なくとも、学生に「先生」と呼ばせるために先生同士が先生と言い合うことなど必要ない。
 日本語の習慣として、それほど親しくない相手に「あなた」とは案外使えない。講師室で隣り合って話す程度で名前を覚えていない人に、「あなたは」の代わりに「先生は」ですませてしまいたくなるという面はあるだろう。--私は言われたくないけど。何度でも名前をお尋ねくださってかまわないから「先生」はやめて下さいよ、と言いたい。
 私の名前が○○○であることをとっくにご存じの方にはもっとやめて頂きたい。特に年長の方は。
 「先生」を使うのは、実際に教室で教えられた間柄だけでけっこうだと思う。
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新選組の日

2007-02-27 05:32:17 | 新選組
 こういう名称を初めて見たのは、数年前の読売新聞のおまけについてくる月ごとのカレンダー。ほぼ毎日に「○○の日」があてられていて、だれがいつ決めたんだ、というものがほとんどだった。その中に、2月23日が「新選組の日」と書いてあった。文久3年(1863)のその日、浪士隊が京に入った(そして2年後に山南が切腹)ということを考えればそうおかしくもないか。
 しかし、いま検索してみたところ、「新選組の日」で出てくるのは2月27日、3月13日。前者は、会津お預かりとする建白書が提出された日、後者は正式に「お預かり」と発表された日、だそうだ。ほかに、「新選組」の名をもらった8月18日とか池田屋の6月5日の主張もあり、芹沢鴨の命日9月18日を茨城では「行方新選組の日」とする催しがあるらしい。
 ううむ、知らない間にいろいろ進展していたのか・・・。

 かつて「週刊100人」のHPでやっていた投票「世界に誇る日本の偉人」で、「芹沢鴨」の名が挙がっていた。2004年だったので原因は推測できる。
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お題「少女マンガ」

2007-02-26 06:14:08 | マンガ
 自分での回答。

 1.パソコンまたは本棚に入っている「少女マンガ」に関するものは?
 本棚ではそれほど占領しているわけではない・・・とは言っても、常時数十冊貸し出し・まわしよみ中で、所有はしていても手元にはないという本も多いし、購入・回し読み・放出が頻繁でどのくらい持っていると把握できない。パソコンでは若干のサイトのブックマーク。

 2.今妄想している「少女マンガ」に関する事は?
 「ちくま文学の森」なんて読むと、少女マンガでこういうテーマ別短編アンソロジーがあったらどんなだろうと想像する。「幼なかりし日」には川崎苑子『星の庭から』、「美しい恋の物語」に、やまざき貴子『ディア・シェアラ』、「心洗われる話」にあずみ椋『生命の樹』、等々。これはいずれ別に書こう。

 3.最初に出会った「少女マンガ」は?
 幼稚園のころ、読めもしないのに「週刊マーガレット」を買ってもらっていた時期がある。シリアスなストーリーマンガをきちんと読解できた初の作品は、「別冊マーガレット」の美内すずえ『真夏の夜の夢』、小学3年か1年のとき。

 5.「少女マンガ」についてどう思いますか?
 日本文化の宝。
 
 6.「少女マンガ」のいいところ
 絵の美しい点。もっとも、時代は移るので、私の思う「典型的少女マンガ」の絵はもはや多数派ではなさそうだし、私の好みの絵は古臭いと思われている節さえある。

 7.「少女マンガ」の悪いところ
 若さという制約で、主要人物の年齢層が限られてしまい、本格的大河が描かれにくい。

 8.「少女マンガ」に一言
 編集部・出版社へ。ヒットしたからといってヘタにずるずる引き延ばしてレベルダウンさせることはしないでもらいたい。ヒット作を出した作家を「一発屋」にせず、次の作品でも読者をひきつけようとする道を果敢に選んでくれ!

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ローテンブルクとノイシュヴァンシュタイン城

2007-02-25 06:53:21 | ドイツ
今年卓上に置いてあるカレンダーは、バイエルンの風景。1月がローテンブルク、2月はノイシュヴァンシュタイン。両方とも、ロマンティック街道に属し、ドイツの4大観光スポットにはいる。(ドイツのパックツアーでの4大定番は、上記二つのほかはライン河クルーズ、ハイデルベルク。)
 私が行ったのは、ローテンブルクには98年の9月。ニュルンベルクに3泊する間に日帰りした。「お伽の国のような」というありふれた表現がやはりふさわしい町並みで、あまりにも観光地らしすぎてなめられそうなきらいもあるが、可愛らしいことには変わりない、私は素直に楽しんだ。「中世犯罪博物館」、「おもちゃ博物館」その他を見て、人形劇場にも行ったのだが、客が少なすぎたのかその日は上演がなくて、それが心残りだった。クリスマスグッズの店「ケーテ・ヴォルファールト」の店内のキラキラしい迫力は中々のもの。内部がけっこう陰気な感じだと思ったのは、市庁舎だったか郷土博物館だったか。その時のメモには、ここで見た『祝福する幼児イエス』という15世紀末くらいの絵が「釈迦のような髪」と書いてある。市庁舎のあるマルクト広場が楽しい印象で覚えている。
 名物菓子「シュネーバル(雪の玉)」は、ぐにゃぐにゃした形のドーナツのようなもので、プレーンタイプ、チョコつき、ナッツつきいろいろな種類があるが、けっこう大きいのでやたらと食べられるものではない。複数人で買って分けて食べたいものだった。

 ノイシュヴァンシュタイン城は、99年3月、ミュンヘンから行った。当初、JTBのガイドブック(「自遊自在」というシリーズはいまはないみたいだ)に載ってたミュンヘンからのバスツアーに問い合わせたのだが、人数が足りなくて催行できなそうなので、よそのツアーを紹介してくれたのだ、良心的。
 ちょっと高級そうなホテルのロビーで集合して出発。ノイシュヴァンシュタインとリンダーホーフ2つの城を見ることと、途中でオーバーアマバウの中をゆっくり走ってバスの中から見物することがセットになった日本語ツアー。
 まだ3月で観光シーズンでないので、比較的すいていた。
 新白鳥城(めんどくさいのでこう書く)は、テレビなどでたびたび見ていたハデな装飾はもちろんたいしたものなのだが、あまり映ることのないサイドが、なんだかベニヤ貼りといった感じで、いかにも未完成という風情がむしろ可愛げがあるように見えた。台所が熱をうまく使った装置で、時代錯誤の主と近代とのミスマッチが面白い。
 このときのガイドさんの説明では、ルートヴィヒが狂っていたというのは王位を奪うためのウソだという方向だった。でも精神異常でなくてもあの性格は充分ヘンだったと思う。 男色に言及もなかったな。
 フュッセン&シュヴァンガウにはほかにも、ホーエンシュヴァンガウ城やら修道院やら見ものが多いので、新白鳥城だけしか見ないのはもったいない気がした。もしも再訪できるならばじっくりと見たい町。
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マニアの選ぶ歴史美男

2007-02-23 06:20:11 | 歴史
 少しまえに書いた、クレオパトラのコインのニュースのつながりで発見した投票。
どうしてこれ「芸術」分野に入れてあるんだろう?
「世界の美人といえば?」

 この際だからと私も立てました、
「マニアの選ぶ歴史美男」
「ゆめうつつ館」の「あなたが選ぶ世界史的美女 №1は…?」共々よろしく。
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マンガ ローマ帝国の歴史

2007-02-23 06:14:12 | ローマ
『マンガ ローマ帝国の歴史1 カエサル登場!』 講談社 さかもと未明 予価
\1,575<税込>3月23日刊行予定

 さかもと未明という人は、講談社のプラスアルファ文庫で「ギリシア神話」描いてた。手にとってパラパラとしか見ていないので印象にしか過ぎないけど、絵はたいしてきれいではない。なんだかケンのある感じがした。4コマでのギャグタッチのほうがむしろ良さそう。そういうわけで甚だ不安ないし不満があるのだけど、作家としての気迫はある人らしいので、話や構成のほうで面白いことを期待しよう。(作家当人に含むところがあるわけでないし) ローマものは売れる、と思わせることも今後のために肝心だし、とりあえず買おう。
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佐藤愛子さん

2007-02-23 06:08:59 | 
 いま集英社文庫で、『これが佐藤愛子だ 自讃ユーモアエッセイ集』が出つつある。40年ぶんからの選集。「自選」でなく「自讃」である点が潔くてよい。
 既に30年以上まえ、「コバルト文庫」(より厳密に言えば、集英社文庫コバルトシリーズ)が創刊されたとき、その第1弾に『困ったなァ』が入っていた。作家の母を持つ女の子が主人公のコメディだった。その話を母にしたところ、佐藤愛子という作家は、別れた夫の借金を返してやったキトクな太っ腹な人だということをきいた。なんだか珍しい人物らしい。その後なんとなく、ジュニア小説やエッセイを読むようになり、いまに至る。思えば普通の大人用の小説をほとんど読んでいないのだが。上記「自讃」のモトである本をほとんど私は読んでいるではないか。「変わってる」ことを気にしないこと、ものごと「覚悟」が必要なことなど、堂々たる姿勢に大いに学ばせてもらったと思う。(下世話なこともいろいろ知ったな)

 いま2冊目を読んでいる。
 かつて読んだ内容で、ある有名男優がいいトシして若い女と再婚して、「私は気が多いのでこれから先また目移りしたらと心配」と言っていることに対して筆者愛子さんは、ふつうは若い妻が若い男と浮気しないかと心配するだろうに、それを自分のほうの心配をするとは、なんて大物なんだ、と感心していた。読んだ私は、そういう感心をする愛子さんが大物だと感心したものだ。
 私はこの男優は上原謙だと思っていたけど、今回再読したら別の人だった。
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ギリシア神話

2007-02-21 06:16:09 | 歴史
 まえに「お題バトン」として数人の方にまわしたうち、自分でも回答したいものがあるので、その一つ。

・パソコンまたは本棚に入っている「ギリシア神話」に関するものは?
岩波文庫と新潮文庫の数冊、若干のサイト。

・最初に出会った「ギリシア神話」は?
30年以上前に「別冊マーガレット」で読んだ、西谷祥子『オリンポスは笑う』
それより少しあとだと思うけど、「フレンド」で読んだ松本るい『神さま恋の矢はいかが?』(このタイトルを確かめるために、「鈴木めぐみの情熱的マンガ生活」にお世話になりました!)も。

・「ギリシア神話」のいいところ
キャラクターの多様性、特に女神たち。私は北欧神話のほうが全体としては好みなのだけど、あちらは、設定は決まってるけど具体的なエピソードが乏しい神々が多いので、比べたときにそう感じる。

・「ギリシア神話」の悪いところ
ゼウスが浮気しまくるのに、正妻ヘラの怒りが相手の女に向くのは理不尽だ。--現実でもよくあることだけど。


 里中さんの『マンガ ギリシア神話』は、よその国に翻訳出版しないのだろうか、その価値はあるだろうに。
 トロイア戦争を日本アニメでやってほしい。どうも外国アニメの絵は私の目では美しいと思えないので。 
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美人論争に一石?

2007-02-19 07:15:15 | ローマ
 先日サラさんからお知らせがあり、ユメリアさんのところなど(『十月の馬』邦訳リクエストに投票ありがとうございました)あちこちのサイトでも話題になっているので、やはりここでも一応記事にしておこう。念のため少し引用。

古代ローマ銀貨、クレオパトラの美人論争に一石
2月14日17時7分配信 ロイター

[ロンドン 14日 ロイター] 絶世の美女と形容されることの多い古代エジプトの女王クレオパトラだが、2000年前の古代ローマ銀貨に描かれた顔はその評価を覆すものになりそうだ。14日付の英タイムズ紙が報じた。
 それによると、ニューカッスル大学が発見した銀貨に描かれていたクレオパトラの顔は、とがったあごに薄い唇で、鼻も鋭角。

 引用終わり。
 「一石」もなにも、そんなこと、テーラーの映画などのイメージしか持ってない人は別として、多少なりと歴史にうるさい人々にとってはとっくに知ってることだろうに。プルタルコスの記述や当時の肖像彫刻だってあるし・・・ああもう言い飽きた。(でも言う)
 しかしあちこちで話題のようだ。

 
 冷静に考えてみれば、大昔の人の容貌についてムキになるのはむなしいとわかってはいる。それでも関心を持たずにいられない。
 このテの論争に関して、「美人なんて時代や地域で基準が違うんだから」とハナで笑う人もいるし、確かにそういう面もあるだろう。しかし、遠い国、遠い昔に美しいとされた人の肖像で、現代人から見てもやはり納得できるものもまた少なからず存在するのだ。エジプトで言うならば、王妃ネフェルティティなど、当時から美貌を讃えられ、その像は説得力がある。(ベナジル・ブットさんのような感じだ。) クレオパトラの同時代人では、敵側陣営のオクタヴィア&オクタヴィアヌス姉弟、近い時代の史料も同時代の肖像も裏付けとなり、信憑性は比べ物にならない。
 私は決して、クレオパトラをブス扱いしたいわけではない、映画などで美人女優が扮することには反対しない。上記の姉弟をないがしろにするなと言いたいのだ。
 思うに、容姿よりもセンスや機知がモノを言った平安時代の宮廷ならばモンクなく美人で通ったタイプだろう。美女でなくても美女オーラをまとった女。
 うーん、リアリティを追求するならば、本物の美人女優よりは、容姿じたいはまあまあ程度のレベルで、知的でセクシーで、エレガントでゴージャスという雰囲気を持った人、少なくともそういう演出を望みたいところだ。・・・ホンモノ美女よりもかえって難しいかも。  少なくとも、クレオパトラの役もらって嬉しくない女優はこれからもいないだろう。
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昨日の日記

2007-02-18 07:32:05 | 雑記
 わーい、やっとピンクのテンプレを使った。「ももいろ」。そのあとはしばらく桜の予定。
 雨の日曜日、ごろごろしていたくなる。そうもいかないけど。外出はしなくていいのでラッキー。

 以下は、きのうの日記。だから「きのう」は16日を指す。

 朝起きてまず、パソコンをつけてメールその他をチェックする。目覚ましでもある。
 2chの青池保子スレッドを読むと、きのう出た「プリンセスゴールド」があちこちで売り切れだったと書いてある。私は昨日たまたま外出がなくてまだ買ってないので、たいへん焦った。長いこと中断したままだった『アルカサル』の「完結編」が載るので、ふだんは買ってない青池ファンが殺到したようだ。私はいつも買っているのに逃したら悔しいぞ。
 しかし、午後に行った店であっさり買えたので少々拍子抜けした。私の行きつけの3軒にはたっぷりとあった。
 ほかに、やはり昨日出たT0NO『砂の下の夢』2巻を買い、気が大きくなっていたので「白グリム童話」文庫の『嵐が丘』by英洋子ーー好みというほどでもないが嫌いでもない絵ーーと、運良く目にはいった森奈津子『踊るギムナジウム』をレジへ。この本屋は品揃えは良いけど、しおりは好みじゃないのでもらわないようにしよう、と思っていたら、辞退する間もなく入れられてしまった。ところが、デザインが変わっていた。まえのは色彩がきつかったけど今回のは淡い感じで、これならばもらいたい。
 地元のほうの本屋に行ったら、隣の文具売り場では、しばわんこグッズが出ていた。ウチでは取り扱わないって言ってたのに。いいんだけどね。便箋その他を買った。使う機会は減ってるけど。トートバッグも欲しかったけど、このテの品は既に余るほど持っているので、とりあえずやめておいた。どうも私はカバンや袋が好きだ。マグカップも好きだ。これまた余るほど持ってる。紅茶用、コーヒー用なんて分けて使っているけど。でも、しばわんこ湯のみなんて出たらどうしても買ってしまうんだろうなぁ。
 弟が夕飯食べに来た。「プリンセスゴールド」返却ぶん持参。・・・なんでいまごろ去年の10月号なんだ。
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