レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

タヌキの話 幽霊の本

2015-04-25 16:28:36 | 
『有頂天家族 二代目の帰朝』 森見登美彦
 京都、タヌキと天狗とヒトの入り乱れる世界の第2弾。
 タヌキの下鴨矢三郎には兄二人と弟一人と母上がいて、許嫁とされていた娘と今回まるで少女マンガのように仲が復活してしまったり、長兄はめでたく高砂屋になったりした。天狗の師匠の息子が英国から帰ってきて父子喧嘩があり、下鴨兄弟の敵対する叔父がしぶとく悪巧みして、退場したり復活したり。阿呆兄弟「金閣」&「銀閣」のアホぶりがますます目立つ。
 「タヌキ」とは腹黒の意味でも使われるけど、化けっぷりがはがれて尻尾がぽんと出る様を想像するとなんともかわいい。
 キツネのかわいい話といえば『陰陽屋へようこそ』、オオカミならば『ひみつの犬神くん』by桑田乃梨子。やはりムクムクの毛がだいじ。

『英国の幽霊伝説』 原書房
 どこかの本の巻末の広告か、それとも白水社あたりのペーパーか、気になる本としてメモしておいたけど地元図書館にはない、ところが大学の図書館に思いがけずはいっていた。
 「フォトストーリー」と肩書きがついていて、写真が多い。「シアン調に加工されている」ことに対して、アマゾンでは低評価されている。カラフルに見られたらそれはそれで楽しいだろうけど、本としてはこのモノトーンは風情があって悪くないと私は思う。

 いま手元にある本は、
読みかけの光文社新訳文庫のホフマン、図書館でまわってきた『漆黒の森』、宮部みゆきの新刊。
図書館で順番待ちしていた1冊も届いている。600ページ以上あって時間かかりそう。次の待ち人もいるから早くしたほうがいいんだけどね。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シャーリー・ホームズ

2015-04-18 12:53:54 | 
高殿円『シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱』  早川書房 2014
 図書館で予約してやっとまわってきた。
 タイトルからしてホームズの女性化だろうと思ったがそのとおり、かつ現代化。
 アフガン帰りの元軍医で目下求職中のジョー・ワトソン(30代始め)は友人から紹介されてシャーリー・ホームズ(27歳)と同居を始める。スレンダー美女のシャーリーは人工心臓で生きているが、パラリンピックの馬術で金メダルを取ってしまう特技もある。奇妙な研究にとりくみ、たまに政府のお偉方らしい姉からブランド品の山が送られてくる、変人のお嬢様。一人称が「僕」なので私の耳には安直に天王はるかの緒方恵美ヴォイスで浮かぶ。
 ホームズ&ワトソンだけでなく、レストレード警部も、モリアーティ教授も、みんな女化されている。あいにくパイプはないけど、変人の天才ぶりは発揮されている。
 原典はたいへん女っ気に乏しい物語世界を女体化させている、ある意味過激なアレンジ。タイトルの「緋色の憂鬱」からしてなにを意味しているかというと・・・。
 ワトソンの名前は元がジョンたからジョーになることはたいした変化ではないけど、これで小説を書いているとなるとどうしても『若草物語』の連想も働くというものだ。
 文庫版が出たら買ってもいいな。

 目下、図書館で返却待ちで次が私の番である本が2冊。
『ベルリンに一人死す』byハンス・ファラダ  ドイツ文学史できいたことのある作家だということしか知らない、600ページ越える(重い本だと電車内読みに気乗りしない)、次の予約者がいるから延長できない。タイミング良くまわってくることを祈る。
『漆黒の森』ペトラ・ブッシュ 創元推理文庫  ドイツ作品でSF以外はたいてい読んでみることにしているし、ミステリーは守備範囲。
 

 先月出たスーザン・イーリア・マクニール『国王陛下の新人スパイ』(創元推理文庫)を昨日やっと予約した。まだ購入はされていないけど私は4人目の順番待ち。

 今月は、光文社新訳文庫の新刊を2冊買った以外、購入予定の文庫はない。来月も『ミラージュ』昭和編の新刊しかない。
 文庫以外の近日発売書籍が一覧で見られるHPなどないのだろうか。特定作家についてならばアマゾンなどである程度調べようもあるが。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ぽっちゃり

2015-04-12 06:37:26 |   ことばや名前
 「ぽっちゃり」という言葉はクセモノである。
 mixiで紹介されているコラムでは、この言葉の意味するところの男女差が大きいことがしばしば指摘される。男性読者が「ぽっちゃり」の例として挙げる芸能人たちを私は知らないが、女性読者からは「○○の程度で「ぽっちゃり」ならば私は肥満じゃねーかふざけるな!」という意味のコメントが多く寄せられる。
 「スリム女子よりもぽっちゃり女子に着てほしい服」というアンケートには、「ゆったり大きめサイズの服」「ムチムチ感を強調」等が上がり、それに対して女性側からは、「体型を隠せるから」は結局太めが嫌なんじゃないか、とか、ぴたっとした服では胸だけでなく腹も目立つんだよ、とかのコメント。ーー要するに、「ぽっちゃり」ということに対して都合のいい幻想を抱いているということになるな。
 私は「ぽっちゃり」という言葉は、デブというほどではなく太めで、顔・性格が可愛い場合にふさわしいと思っている。
(晩年のオクタヴィアーー初代皇帝アウグストゥスの姉ーーは太っていたという話があるそうだけど、この人の場合似合っているニュアンス。)
 手元の小さめの辞書をひいてみると、
「(女の人の顔が)まるくふくらんでかわいらしいようす」と書いてある。男だってそういうタイプはいると思うのだが。
 うちにある広辞苑には載っていない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

図書館休み中  マギー・ホープ

2015-04-05 16:11:38 | 
今日から地元図書館が春恒例の整理期間で1週間ほど休みである。だからといってたくさん借りているというほどではなく、
・ツヴァイク『昨日の世界』、
・中公新書『フリードリヒ大王』、
・阿刀田高『この一冊で読める!日本の古典50冊』
の4冊。
 買ってまだ読んでいない本が、清水義範『朦朧戦記』その他あるので困りはしない。西洋史ものライトノベル2冊、中野京子さんのオペラ本の文庫化、『船を編む』文庫化等。
 それよりも、先月出た創元推理文庫の『国王陛下の新人スパイ』byスーザン・イーリア・マクニール の予約申し込みし忘れたことのほうが悔しい。まだ購入していない本の予約もできるのである、既に発売されていれば。
 これは大戦中の英国が舞台のシリーズ。アメリカ育ちのイギリス人、数学に造詣の深いマギー・ホープは前作『チャーチル閣下の秘書』のあと、スパイの訓練を受けるが体力不足ではねられてしまう。そして彼女は、ウィンザー城のエリザベス王女の家庭教師という名目で護衛を命じられる。早々に、王女たちの乗馬に付き添った女官が殺害される事件が発生。狙いは王女だったのか?しかしその女官にスパイ疑惑も浮上した。さらに、マギーの父の過去、母の死の真相もひきずりだされ、次の任務へとつながっていく。
 ーーわ~っという感じで怒涛の展開、これは早いところ次を読みたいのである。撃墜されて絶望視されているマギーの恋人はやはり生きてたし。

 図書館の「新着図書一覧」は、並べ方についていままでなにも指示をせずにタイトルのアイウエオ循で見ていたが、「著者名順」「出版社名順」などに変えられることに気がついたので、「著者名順」で見ている。このほうがずっとわかりやすい。古いのも新しいのも混ぜこぜで同じ作家のものがずらっと並んでいるのは、愛読者がまとめて放出したのだろうなんてことが推測できる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

なぜいまオクトーバーフェスト

2015-04-01 07:35:38 | ドイツ
月始めなのでなにか投下したい。しばらくご無沙汰なので無理矢理感のあるドイツカテゴリー。

 先月ネットで、「秋葉原オクトーバーフェスト2015」というものを知った。「ドイツの食文化とポップカルチャーのイベント」だそうだ。
「秋葉原オクトーバーフェスト2015」
 
 言うまでもなく、「オクトーバーフェスト」とは、ミュンヘンでの巨大なビール祭であり、10月の第1日曜までの16日が原則、従って実際には9月のほうが多い。
 いつのまにかこの名称が日本でたびたび使われるようになっている。
「オクトーバーフェスト2015」
 「オクトーバー」とは十月の意味であることくらい多くの日本人にはわかりそうなものなのだが、
「今年で5回目となる「オオサカオクトーバーフェスト2015」を大阪・長居公園で平成27年5月15日(金曜日)から5月31日(日曜日)の17日間にわたり」なんてのもあるくらいで、まるで無視されている。「ふるさとへむかって急ぐ五月雲」を秋冬によむくらいの無茶である。
 きちんと10月でなくてもいいから、せめて秋と呼べる範囲にしてほしい、秋のビールかせめてワインのイベントくらいの意味はとどめてもらいたいな~という気持ちになる。
 ・・・ま、水をさす気はないのだ、楽しくやってもらいたい。それでドイツに関心を持ってくれるならば結構なこと。私だって、上記秋葉原のイベントに気乗りはする、気分と時間に余裕があるならば(接続法Ⅱ式非現実話法)行きたいくらいだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする