図書館の企画コーナーで、『21世紀版 少年少女古典文学館』講談社 が並んでいた。好きな作家では、ヨシノリンや阿刀田高が書いていたので借りた。
『16巻 おとぎ草子 清水義範 / 山椒大夫ほか ねじめ正一』
ヨシノリンは通常でも古典パロの作品は多いので、馴染みのあるノリ。『ものぐさ太郎』の原文はほとんど知らんが、出てくる歌のダジャレはたぶんそれなりに原典をふまえているのだろう。
『御曹司島渡り』という話は初めて知った。御曹司とは義経を指す。旗揚げまえで奥州にいたころ、兵書の伝授をめざしてはるばると旅立ち、そこでいろいろと身につける、「林の中の木になる術、かすみをかける術、霧をはる術、鷹になってとぶ術、小鳥になって雲の上までとぶ術などだった」ーーそこまでいくと忍者だろおい。
『山椒大夫』は森鴎外の作品の原典である説話。これについては、津島佑子『古典のなかの少女たち』(記憶あいまい、そんな感じのタイトル)できいたことがあった。元の話では、弟を逃がした安寿は拷問されて死ぬが、鴎外では入水している、元の版のほうが気丈で良いとして、鴎外の変更を批判していたことを覚えている。 しかしなんといっても元バージョンで凄まじいのは、出世した厨子王の復讐である、鋸引きなんてさせられたゆきずりの人々が哀れ・・・。
『13巻 古今著門集ほか 阿刀田高』
「ほか」は、『十訓抄』『沙石集』。
永井路子『歴史をさわがせた女たち 庶民編』などで紹介されていた話(「ありがたい女房」とか、「スイクキ食おう!」の姫とか)がちらほらあってちょっと懐かしくもある。アリとダニがなぜそういう名前なのかの問答のダジャレはなんとなく『パタリロ!』のイメージで浮かんでくる。 金の延べ棒を拾った正直者が役所に届けたが、落とし主がケチ心をおこし、そこへ名裁きーーは、もろに同じ話が『ドイツ炉辺ばなし集』(岩波文庫)にあった。
この『少年少女古典~』はほかに、田辺聖子さんが『とりかえばや物語』、氷室冴子さんが『落窪物語』を担当しているのでいずれ読んでみたい。
『16巻 おとぎ草子 清水義範 / 山椒大夫ほか ねじめ正一』
ヨシノリンは通常でも古典パロの作品は多いので、馴染みのあるノリ。『ものぐさ太郎』の原文はほとんど知らんが、出てくる歌のダジャレはたぶんそれなりに原典をふまえているのだろう。
『御曹司島渡り』という話は初めて知った。御曹司とは義経を指す。旗揚げまえで奥州にいたころ、兵書の伝授をめざしてはるばると旅立ち、そこでいろいろと身につける、「林の中の木になる術、かすみをかける術、霧をはる術、鷹になってとぶ術、小鳥になって雲の上までとぶ術などだった」ーーそこまでいくと忍者だろおい。
『山椒大夫』は森鴎外の作品の原典である説話。これについては、津島佑子『古典のなかの少女たち』(記憶あいまい、そんな感じのタイトル)できいたことがあった。元の話では、弟を逃がした安寿は拷問されて死ぬが、鴎外では入水している、元の版のほうが気丈で良いとして、鴎外の変更を批判していたことを覚えている。 しかしなんといっても元バージョンで凄まじいのは、出世した厨子王の復讐である、鋸引きなんてさせられたゆきずりの人々が哀れ・・・。
『13巻 古今著門集ほか 阿刀田高』
「ほか」は、『十訓抄』『沙石集』。
永井路子『歴史をさわがせた女たち 庶民編』などで紹介されていた話(「ありがたい女房」とか、「スイクキ食おう!」の姫とか)がちらほらあってちょっと懐かしくもある。アリとダニがなぜそういう名前なのかの問答のダジャレはなんとなく『パタリロ!』のイメージで浮かんでくる。 金の延べ棒を拾った正直者が役所に届けたが、落とし主がケチ心をおこし、そこへ名裁きーーは、もろに同じ話が『ドイツ炉辺ばなし集』(岩波文庫)にあった。
この『少年少女古典~』はほかに、田辺聖子さんが『とりかえばや物語』、氷室冴子さんが『落窪物語』を担当しているのでいずれ読んでみたい。