レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

ヨシノリンや阿刀田氏の古典

2013-01-30 15:07:50 | 
図書館の企画コーナーで、『21世紀版 少年少女古典文学館』講談社 が並んでいた。好きな作家では、ヨシノリンや阿刀田高が書いていたので借りた。
『16巻 おとぎ草子 清水義範 / 山椒大夫ほか ねじめ正一』
 ヨシノリンは通常でも古典パロの作品は多いので、馴染みのあるノリ。『ものぐさ太郎』の原文はほとんど知らんが、出てくる歌のダジャレはたぶんそれなりに原典をふまえているのだろう。
 『御曹司島渡り』という話は初めて知った。御曹司とは義経を指す。旗揚げまえで奥州にいたころ、兵書の伝授をめざしてはるばると旅立ち、そこでいろいろと身につける、「林の中の木になる術、かすみをかける術、霧をはる術、鷹になってとぶ術、小鳥になって雲の上までとぶ術などだった」ーーそこまでいくと忍者だろおい。
 『山椒大夫』は森鴎外の作品の原典である説話。これについては、津島佑子『古典のなかの少女たち』(記憶あいまい、そんな感じのタイトル)できいたことがあった。元の話では、弟を逃がした安寿は拷問されて死ぬが、鴎外では入水している、元の版のほうが気丈で良いとして、鴎外の変更を批判していたことを覚えている。 しかしなんといっても元バージョンで凄まじいのは、出世した厨子王の復讐である、鋸引きなんてさせられたゆきずりの人々が哀れ・・・。
『13巻 古今著門集ほか 阿刀田高』
 「ほか」は、『十訓抄』『沙石集』。
 永井路子『歴史をさわがせた女たち 庶民編』などで紹介されていた話(「ありがたい女房」とか、「スイクキ食おう!」の姫とか)がちらほらあってちょっと懐かしくもある。アリとダニがなぜそういう名前なのかの問答のダジャレはなんとなく『パタリロ!』のイメージで浮かんでくる。 金の延べ棒を拾った正直者が役所に届けたが、落とし主がケチ心をおこし、そこへ名裁きーーは、もろに同じ話が『ドイツ炉辺ばなし集』(岩波文庫)にあった。
 この『少年少女古典~』はほかに、田辺聖子さんが『とりかえばや物語』、氷室冴子さんが『落窪物語』を担当しているのでいずれ読んでみたい。

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愛用マンガグッズ

2013-01-28 06:35:36 | マンガ
先日25日にアニメイトに行った。予定とおり、『ヘタリア』のクリアファイルの新商品2種類購入。原作絵と、新しいアニメ絵。
 1期2期のAxis Powers、3期4期の World Seriesに続く5期The Beautiful World(頭文字だとHBWということになるのか)はこれまでよりもすっきりした絵のようだ。どちらかといえば原作に近い?
 『はたふってベスト』の発売を知ったので、また「限定版」を通販で予約。もう少し早い時期(学期中)にしてくれていれば大学の帰りに寄ってすませられたのに~~。「限定版」は2枚組、もう1枚のほうが、カラオケバージョンだけならばまあなくてもいいかと思えるけど、ヴォーカルが1曲だけはいっている。『まるかいて』のときは、ファンディスクにはいっていたスペイン、今回はオランダ&ベルギー。   それにしても、「ベスト」なんてタイトルが看板に偽りありもいいとこだ、だって漏れたものないだろ!?(そりゃないほうがいいけど) だったら、「集合!」とでもしたほうが適切だろうに。

 某ベーカリーのプレゼント品としてもらったアリスの皿を母が愛用しているので、買ってから2,3年押し入れに入れっぱなしになっていた『ヘタリア』の「パスタ皿」を私も出して使っている。中央部に枢軸の三頭身キャラ、縁にトマト模様。深みがあるのでシチューにも可。
 ヘタリアのマグカップで未使用品が二つもあるのだ、出す機会はあるのだろうか。いまの日用品は、ドイツのクリスマス市のもの、上記ベーカリーの「スノーマン」カップ(だから冬限定)、そして『ッポイ!』の品。同人グッズである花道&流川三頭身キャラ絵のカップは大学でのマイカップにしている。

 『聖おにいさん』はクリアファイルが出ている。このコンビも(簡略型の絵なら)日用品に合いそうだ、茶碗でもパン皿でも。ありがたい感じ。

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月に2,3度のカレーの数え方

2013-01-26 16:40:13 | 雑記
 きのう、大学と駅の間の坂道の途中にあるトルコ料理店に行った。これが最後の機会なので、これまでまだ食べていなかったカレーを。ペルシアカレーという名称で、具はグリーンピースと豆と、コーンと小さいニンジン、米はタイ米のような、細くてパラパラしたタイプだった。  ところでこの数日うちでもカレーであったので、この日は昼と夜にカレーということになった。
 とある記事で、ある調査では月に2、3度カレーを食べる人が5割とかなんとか言っていた。数字は確かではないが、私が気になったのは、2,3回の数え方である。
 うちではカレーやコロッケを一度につくる量が多い。いちどカレーにしたら、最低3回は(一家3,4人)食べる。立て続けというわけではなく、初日の夜、次の日の昼、3日目に出かけるならば朝食、といった具合に。 こういうのも「2、3回」のうちにするならば、うちでは5,6回は充分に食べているということになる。
 上記の調査はどういう数え方なのだろうか。多くの家庭では、一度にどのくらいつくるものだろうか。

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エトルリアの微笑

2013-01-22 12:45:27 | 
ホセ・ルイス・サンペドロ『エトルリアの微笑』
 スペイン文学の棚から借りた小説。 
著者は経済学者でもある人物らしい。
 舞台はイタリア。
 南イタリアの田舎に住んでいた老人サルヴァトーレ、戦争中には英雄的な活躍をしていたが、ガンで余命少なく、ミラノに住む息子に招かれて移ってくる。途中のローマの博物館で見た、エトルリアの像、仲睦まじい様子で寄り添う夫婦の姿に感銘を受ける(タイトルはそれを指す)エピソードが序盤にある。
 偏屈な老人は、北の都会ミラノが気に入らなく、わりあいいい家の出である息子の妻とも相性が良くない。当世ふうのやり方にもイラつく。
 息子夫婦には男の子が生まれて間もない。この子はブルネッティーノと名づけられていたが、老人は、自分がかつてパルチザンとして戦っていた時代にブルーノと名乗っていたので、孫息子の名を大喜びする。
 田舎者・昔者が昨今の有様を嘆かわしいと思うさま、一方、嫁さん側からの困惑、たぶんどこの国でもいつの時代でもありそうな様子を、リアルに、ほのかに微笑ましさも混じえて描いている。
 知り合って恋におちた女性と結婚を決めて、いまは大物政治家になっているかつての戦友と語り合い、孫が「おじいちゃん」と言ってくれて、それに感激しながら息をひきとるブルーノ老人は、かつて感銘を受けたエトルリア人のような微笑を浮かべていた。
 ささやかな物語であるが、心地よい読後感の一冊。

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鳥肌が立つ

2013-01-19 07:35:07 |   ことばや名前
 新聞で何度も目にする、なんとかシロップの広告に、「あの時の母の姿に鳥肌が立ちました」と大きく出ている。
 某さんは、久々に会った母が老け込んでいるのに愕然、そこで○○を買って贈った、その後再会したら今度はぐんと若返っている母にびっくりーーという経過を語っている広告である。
 ところで、大きな文字で引用した鳥肌は、上記の驚きのあとのほうで使われているのだ。
 言葉の誤用としてたびたび挙がる「鳥肌がたつ」。オリンピックのインタビューや観客の感想などで、嬉しさなどのいい意味の感動に使われることも現状では少なくない。・・・まあ確かに、偉大なことが成し遂げられたとか、目をみはる風景を眼前にできたという局面で、ぞくぞくっときて、「鳥肌」と表現してしっくりくる感動はあるのだろうとは思う(※)。しかし~、お母さん若返ってる~~!という嬉しさに対しては、なんだか、合わないんじゃないかな~~。
 しかしまぁ、そう語った某さんに石を投げることはするまい。その部分をわざわざクローズアップして広告に使っているやり方に私は反発を覚える。おまけに、「この女性が母親にしたことは正しいのか」なんて白々しい言葉まで加えて。そりゃ、広告は人目を引くことが肝心なので、反発も予想のうえでやってるのだろうけど。
 私はムカついたよ、この商品は断じて買うまいと思ったよ、と発言くらいはさせていただこう。

※ 先月の新聞で、ある歴史家のエッセイで、古道具屋でたいへんな値打ちものを発見したときに「鳥肌」と書いていたことにはさほど反発がなかった。
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雪と犬

2013-01-16 15:39:25 | 雑記
 14日、首都圏は雪。もっとも、私はこの日にまったく外出せず、翌日の朝になってから初めて雪を目にした。新聞には、雪の中を振袖で成人式に向かう人々の様子が載っていた、私はおしゃれ心に理解がなく出不精なので、私ならばこんな中を出かけないと思うし、うわ~~マスクもしないなんて自殺行為~~!と思った。15日はゆっくりゆっくりと歩いて大学へ。すべってころびもしたけど、リュックがあるので頭を打たずにすんだ。雪のせいなのか電車の遅れで遅刻した学生2人。
 今朝、いつものようにうちのまえの散歩の柴犬をなでさせてもらう。犬の足でもやはりすべるらしい。でも、毛があるのでたいして痛手でないような感じがする。本人は嬉しくないだろうけど、犬がすてんと転ぶのはかわいい光景ではなかろうか、見てみたい。

 新潟にいる友達のところでも犬がいて、雪かきにたいへんな人間を尻目にひとり(?)喜んでいるらしい。上記の犬たちも、雨は嫌がるけど雪は好きだそうだ。20年以上まえのNHKでしばしば番組の間の穴埋めに動物を映していて、雪の中の子犬もあった。ああいうのはまた見たい。YouTubeにだってあるだろうけど。

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アルペン街道の話題、というわけでもない

2013-01-14 16:04:33 | ドイツ
 99年にフライブルク滞在中にこの季節にはなにをしていただろうか、1月末だと寒くて日が短かったことは確かだ。朝の7時でもまだまだ暗い。
 去年のBSの紀行番組でドイツアルペン街道をやっていて、それを先日見た。私はアルプス地方には、関心はあるけど行きたいという気持ちはあまりない。この番組で出てきたうち、リンダウだけしか行っていない。ミュンヘンから特急で南に4時間、ボーデン湖の中にある(細い鉄道路線でつながっている)この小さな町に4泊しながら周辺に行ったことはすでに書いた。
 番組ではほかに、ガルミッシュ・パルテンキルヒェンとベルヒテスガーデンが紹介された。前者は、ドイツ最高の山であるツークシュピッツェがある。名前だけはまえから知っているが、テレビででもあまり接することがなかったのは多少不思議。ここにも「哲学者の道」があるのか、と検索しながら知った。ハイデルベルクのは歩いたけど。
 ドイツの南東端でアルペン街道の終わりであるベルヒテスガーデンといえば真っ先に浮かぶのはヒトラーの山荘であるが、これは番組には出なかった。『サウンド・オブ・ミュージック』のラストの山越えの場面(実際には列車で行ったそうだ)、遠くにその山荘が映っていると『道浪曼』(かつてのTBSの番組)で言っていた。

 山か海の二択ならば山と答えるだろうけど、実のところ、山にも海にもそれほど行きたくはない、近い(?)ところで、森や湖、川のほうが気乗りする。ライン河畔、ドナウ河畔なら好きな町が多いし。でも河もあふれるとたいへんだろうな。99年の2月にデュッセルドルフに行った際にケルンにも日帰りしたけど、河の中にある「チョコレート博物館」は間の通り道が水没していたせいなのか閉まっていた。あれに行ってないのはケルンの心残りの一つである。
 あふれるといえば、ポーランドのヴロツワフ(ドイツ名だとブレスラウ)で泊まったホテル「ポロニア」のチラシには、ホテルの歴史を紹介する中で、川が増水したときに水がフロントまであがっている様子が写っていた。
 写真の一部だけで判断するのもナンだけど、水の近くで暮らす人々は、そういうのもまた淡々と受け入れていてそれほど不幸なこととは思っていないような印象を受ける。エジプトはナイルの賜物ーーとまで連想するとひんしゅくだろうか。

 あまり馴染みのないアルペン街道で話を始めたけどやはりあまりタネがない。
 むこうで買った傘は、大きくて重くて、雨や雪の中でさすにはたいへん頼もしい品であったが、たたんで持ち運ぶ時には実に厄介ものに思える代物であった。あの武骨な品、ドイツっぽくて記念になったろうに、持ってこなかったことを後悔している。
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アルハンブラ物語 その他

2013-01-08 16:47:02 | 
『アルハンブラ物語』 アーヴィング
 岩波文庫の上下巻。19世紀、アメリカの作家がスペインに赴き、思わぬ幸運からしばらくアルハンブラに滞在しながらそこで知遇を得た人々から数々の昔の伝えをきく。
 イスラム勢力としての最後の砦であったグラナダ王国の最後の王ボアブディルは悪名が伝わっているが、それらは後世の濡れ衣であると力強く主張している。
「あえて言わせてもらえば、この故意の曲解には、ほとんど犯罪的と言っていいものが潜んでいるように思われる。なるほど、歴史に基づくロマンスを仕立てるのに、解釈の自由は最大限に許されてしかるべきではある。しかし、踏み越えてはならない一線というものがある。描く対象が現存する著名な人物であろうと、歴史にその名をとどめる故人であろうと、まったく根拠のない中傷によって、その名誉を汚す権利は、わたしたちにはない」
 敗者であるボアブディルに対して大きな同情や共感もよせており、へ~っ、アメリカ人にもそんな繊細な感情があるんだ~~、と偏見丸出しの感想も私は抱いた。
 ロマンティックな魅力にあふれた本、大いにお勧めしたい。

スペインの20世紀の詩人・劇作家で割合有名な名前であるガルシア・ロルカ、岩波文庫で『血の婚礼』の題で「三大悲劇」が収められている。
 表題作は、とある村で婚礼の日に、花嫁が昔の恋人(既婚)と駆け落ちして、追っていった花婿とその男とが相討ちになるという筋。筋だけでは馬鹿げているのだが、なにか有無を言わせない迫力があって、妖しさと過激さを備えたタイトルがぴったりである。  私が以前読んだ範囲では、スペイン文学とは土くさく埃っぽく血の気が多いという印象だったが、これの影響が大きい。
 『イェルマ』 不妊に悩む女が思いつめて精神に異常をきたし、夫は和解を望むがイェルマは彼を絞め殺す。
 そういえば、ミゲル・デリーベスの『異端者』、宗教改革の時代、ルター派の教えに接近していった商人が主人公で、彼を含めて主要人物たちのほとんどが異端者として処刑される。その本筋よりも、この主人公の妻も、上記のイェルマと同様、子供を望むあまりおかしくなり、精神病院(?)で死ぬ、そのあたりのほうが印象に残った。いずれの場合も、夫のほうでは気にやんでいないのだが。
 自滅してしまった彼女たちと比べて、夫とさっさと別れてほかの夫で子供ゲットしたリウィアさん(『テルマエ・ロマエ』)はたくましいなあ・・・。


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歴史美男美女画像スレッド

2013-01-05 07:52:13 | 歴史
 2chの世界史板でのこのスレッドについては知っていたが、デラさんとこのツィッターで画像スレがあるとわかったので貼ってみる。

 数日後。リンクされていないという指摘があり、やり直してみたけどやはりダメ。「画像スレ 歴史上の美男・美女・美少女・イケメンについて 哲学ニュースnwk」で検索して下さい。ーーコメント欄にリンクを貼ったらこちらはうまくいったのでそちらをどうぞ。
 それにしてもこのタイトル、美男、美女、美少女、ときたら次は「美少年」だろうに、なんでよりにもよって「イケメン」だ、こんな軽薄な言葉(だと私はどうしても感じるのだ)!

 「イケメン」ついでに。
 ネット上で、『沖田総司はイケメンではない!? 新選組に関する意外な雑学』とかいう記事を見つけた。
 ここで挙がっていることは、多少なりと新選組をかじった人々には常識である。それは確かに、初めて知る人たちが当然いるからその人たちには意外でも当然だけど、もう少し表現を考えてもらいたい。「新選組の虚実」とか、「ドラマの創作と事実」とか。
 ここで答えている人物に対して攻撃しようというのではない、念のため。しかし一言文句はある。沖田=美剣士 は事実でないことに続いて、では土方=色男も眉唾?という質問に対する説明として、故郷への手紙でモテっぷり自慢をしていることを挙げている。それは事実だ。しかし、それは必ずしも美男の裏付けにはならんだろう。この男の場合、写真と数々の証言という押しも押されぬ証拠があるだろう、なんでそれを言わんのだ~~! (カットされただけならすまん)

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笑いの騎士団

2013-01-03 13:46:05 | 
 クリスマスや正月には心がけよく過ごさなければならない気がする。読書も、ある程度清らかなものやめでたいものを手にしようという気になる。
 今年初めて読んだのは、『笑いの騎士団  スペイン・ユーモア文学傑作選』 白水Uブックス。
『千慮の一失』
 女の悪知恵に2回騙された男が懲りて(?)、美しいがおバカなうら若い娘を妻にする、しかしその若い妻は無邪気なままにほかの男に横取りされた。  女の聡明さを毛嫌いする男への痛烈なあてこすりで締めるラストが実に痛快!と思ったら、作者は女だった、より結構。
『パトレス兄弟有限会社』
 亡くした恋人を嘆く男のもとに、故人と瓜二つの女性を与えてくれたパトレス兄弟。しかし、ほかの客たちからは苦情が殺到した。死者を痛むことは虚栄心を満足させる行為であり、必ずしも取り戻したいとは思わない、そして、もしも生き続けていたとすれば変わっていくのが当然で、思い出の中でのようにいいことずくめのはずがない、ーーなるほど。
『レボリャール村余聞』
 平凡な村でたまにはあった珍事件のいくつか。
 まじめな左官屋の妻は己のデカ鼻を気にしており、夫は無理して工面した金で手術を受けさせ、妻はみごとにべっぴんに変身する。     この恩知らず~~~!と言わずにはいられない話。
 虚弱で男っぽくない「ビードロ細工」(仇名)を散々笑いものにしていた「マッチョ」男がしっぺ返しうける話はざまあみろであった。
 う~む、清らかではあまりない本だなあ。
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