文春文庫の新刊、田辺聖子『私本・源氏物語』
田辺聖子さんは日本古典のアレンジ本が多く、特に源氏はたくさん書いている。これは、源氏に仕える40男の視点で描かれている。まだ十代の若者である「ウチの大将」のあれこれ厄介な、優雅なだけに気もはる恋愛沙汰を眺めながら、自分はもっとくだけた女たちと楽しんでいるそれなりに結構な身の上で、そういう観察が大阪弁(都なんだけど)でのんきに語られる。既に訳知りの目から見れば、まだまだ青い、という感じである。 そしておなじみの物語が展開されるけど、必ずしも一般的な設定ではなく、例えば「末摘花」は二人いたなんて「真相」が出てくる。 田辺聖子節の、リラックスしたオトナの裏源氏。
同じく文春文庫で、新刊ではないけど増刷で並べて売られていた『小袖日記』by柴田よしき。
(やはり源氏からみで『千年の黙』という本も並んでいた。)
不倫相手にふられてヤケになってた女が雷に打たれて、気がついたら平安時代にタイムスリップ、どうやら紫式部とのちに呼ばれる女官香子(こうし)に仕える「小袖」と体が入れ替わっていた。小袖は『源氏物語』のネタになりそうな事件を香子に提供していたので、彼女もその役目を果たし続ける。現代人で『源氏』の知識は一通りあるので、出くわす事件にはどの話のモデルなのか見当がだいたいつくけど、それらの真相は少しずつ違うのだった。 こちらでも末摘花の話はあるけど、たいへん痛快なアレンジである。
6月にはテンプレートに紫を使うことにしている。この記事投下はちょうどいい。まだ5月だけどもう梅雨入り宣言もあったし。
田辺聖子さんは日本古典のアレンジ本が多く、特に源氏はたくさん書いている。これは、源氏に仕える40男の視点で描かれている。まだ十代の若者である「ウチの大将」のあれこれ厄介な、優雅なだけに気もはる恋愛沙汰を眺めながら、自分はもっとくだけた女たちと楽しんでいるそれなりに結構な身の上で、そういう観察が大阪弁(都なんだけど)でのんきに語られる。既に訳知りの目から見れば、まだまだ青い、という感じである。 そしておなじみの物語が展開されるけど、必ずしも一般的な設定ではなく、例えば「末摘花」は二人いたなんて「真相」が出てくる。 田辺聖子節の、リラックスしたオトナの裏源氏。
同じく文春文庫で、新刊ではないけど増刷で並べて売られていた『小袖日記』by柴田よしき。
(やはり源氏からみで『千年の黙』という本も並んでいた。)
不倫相手にふられてヤケになってた女が雷に打たれて、気がついたら平安時代にタイムスリップ、どうやら紫式部とのちに呼ばれる女官香子(こうし)に仕える「小袖」と体が入れ替わっていた。小袖は『源氏物語』のネタになりそうな事件を香子に提供していたので、彼女もその役目を果たし続ける。現代人で『源氏』の知識は一通りあるので、出くわす事件にはどの話のモデルなのか見当がだいたいつくけど、それらの真相は少しずつ違うのだった。 こちらでも末摘花の話はあるけど、たいへん痛快なアレンジである。
6月にはテンプレートに紫を使うことにしている。この記事投下はちょうどいい。まだ5月だけどもう梅雨入り宣言もあったし。