レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

何食べ 聖おに 軍神ちゃん

2017-09-24 13:35:14 | マンガ
『きのう何食べた?』よしながふみ
 もう13巻。始まったころには43才だったシロさんも53.青年誌ならではのこと。
 元々は1~5巻を友達からもらって、その後しばらくBO狙いの数冊、その後、さっさと新刊を買って、読んでから売るというパターンになった。でも今回、つくってみたい料理がけっこうあるので留めておこう。
(「ブコフ行き」とは、つまらなかった!という意味で使用される言葉のようだけど、私の場合必ずしもそうではない。ずっと持っている本はごく一握りで、あとは、売る・あげるの道。)
 ケンジが「友達と初詣といったらふつー大晦日からのカウントダウンよ」と言うのに対して、シロさんは「家族と一緒に三が日の昼間にしか行ったことなかった」--私も昼間の発想だ。いや、朝から言って屋台で食べるのを昼食にするのを楽しみにしている。夜更かしキライ。
 先日紀行番組で見た、シンガポール風チキンライスが載っている。食べてみたい。(日本の「チキンライス」はチキンよりもケチャップが必須なのは誰が始めたのだろう?『オムライスの秘密 メロンパンの謎 -人気メニュー誕生物語ー』にもそのものズバリの答えは載っていない。大正末にはすでにそうなっていたようだけど)
 サツマイモとリンゴのレモン煮、つくってみたい。


同時に出た『聖おにいさん』は14巻。
 立川のイケアのロキさん再登場。4人、というのか一人と三匹の子供たちも。8本脚の馬スレイプニルに関しては、誕生エピをよ~く知っているだけに、若干の優越感と共に笑える、「あなたなんて父親とは思ってませんよ」、そりゃそうだ母親だもんね。
 ヘルはあずみ版よりもこちらのほうが美人。


『軍神ちゃんとよばないで』
 早いもので4巻。上洛して将軍や帝にも拝謁したお虎姫。
 即興で和歌をやりとりしたのは史実だと検索してみて知った。「たこ焼き」食べるシーンで、タコの脚を串にさしたものが出てきたけど、あれは冗談なのか裏付けがあるのか。いまでいう「たこ焼き」はずっとあとの時代に出てきたものだけど。
 川中島の最中に、正体を知らずに大将どうしがたわいのない逢引(?)して踊っている、クサいけどお約束でちょっといい。
 「戦において最も大切なものはなんだ!」「筋肉ですッ!」という柿崎隊のやりとりは好きだ。

ところでこの作家は、姉妹誌で姉妹編の『ここから風林火山』を連載している。そして『クレオパトラな日々』は「まんがライフオリジナル」で3回掲載されたという。もし『軍神ちゃん』のようなノリをあてはめるならば、ぐーたらなパトラ、野心家のアルシノエは綾姫みたいで、カエサルはハル((光源氏は)「女好きの男前だ!俺と一緒だな!」「光源氏は歌うまいよ?」)、すごく容易に想像できる。ここの山本勘助は美少年ふうの見かけで腹黒。・・・こんなオクタになりそうだ。 でもこれ単行本になるのだろうか。いくら昨今のコミックスが薄型化しているといっても、4コママンガの3回ぶんでは無理だろう。3回の連載ならば買っておいてもよかったな。

 
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○○の日雑談

2017-09-16 13:12:25 | 雑記
 台風18号で明日は雨風が強いという予報である。明日は美容院の予約があるので、その時にマシだといいと思う。
 雨ならほんとは出たくない。特に日曜は、家でごろごろしていたい。紅茶飲んでピアノ曲をBGMに本を読んでいたい。・・・美容院でも本を読むのに違いはないけど。


 先日、mixiで目にした記事:
 本日9月14日は「メンズバレンタインデー」。日本ボディファッション協会が1991年に制定したこの日は、男性から女性に下着を贈って愛を告白する日、です。
ーーだと。
 初めてきいたよ。 
 頭おかしいのか?
 恋人や配偶者ならともかく、つきあってもいない男から下着なんか贈られて、気持ち悪いと思わない女がいるのか?告白なんて段階ならばハンカチくらいにしておけよ。
 コメント欄には、そういう意味の意見と、「男同士の日かと思った」という人も少数ながらいた。

 男から女に花を・女から男に本を、の「サン・ジョルディの日」(4月23日)よりもはるかに、定着しなくて当然だろう。

 恵方に向かって走る「恵方マラソン」、私自身はまったくする気はなくて単に思いついて言ってみるだけなんだけど、これ以上に賛同者は稀だろうと思う。


 でも「サン・ジョルディの日」の趣向は悪くない。4月23日、男女で花屋と本屋に行って、選んで贈りっこするならば微笑ましいではないか。暇がないならば図書カードやお花券(あるのか?)とか。


 まだ9月だというのに、もう一部ではハロウィン商戦だ。コスプレするのは勝手だが、迷惑行為はするんじゃねーぞ、と言いたい。楽しければ取り入れるのは日本の強みだが、迷惑をかけまいという慎ましさの美徳も失くしてはいけない。
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『幻夏』

2017-09-08 06:09:08 | 
太田愛『幻夏』

 前作『犯罪者 クリミナル』に続くシリーズ第2作。
 刑事の相馬、その友人・いまは興信所をしている鑓水、前作の事件で彼らと関わった青年繁藤修司。
 鑓水の興信所に、23年前に行方不明になった息子の尚を探してほしいと依頼してきた女がいた。
 そしてその尚は、小学生の相馬が失踪前のひと夏親しくしていた友達だった。
 尚の父親は殺人犯として服役し、仮出所の間に真犯人が判明、しかしその数日後に事故死していた。
 その時の殺人事件で判決を下した裁判官の孫娘が行方不明になり、その捜査の指揮をとるのは、かつて尚の父を取り調べた刑事だった。

 --なんて悲しい物語だろう。
 尚がいなくなる少し前、相馬も家族の都合でじきに引っ越さなければならなくて寂しさを抱えていて、尚もまた大きな秘密をこの時すでに抱えていたことを読者はあとで知ることになるのだけど、台風の夜に相馬が尚たちの家に泊まってみんなではしゃいで、静かになった夜に外に出て満月を眺めて・・・のシーンは泣いた。

 ここから先ネタバレかつ読んでない人に不親切な書き方をする。




 自白を強いるために尚の父母に卑劣なウソまでついて絆を引き裂いた刑事に、結局罰が下っていないことが実に腹立たしい。尚の母に偏見むき出しで疑いをかけて、尚を失踪にまで追い詰めた刑事も殴ってやりたい。

 誘拐された子が殺されなかったことは、尚の罪状のためにはいいんだけど、・・・実にイヤなガキなのだ。本人の希望通りに演技の勉強をさせてもらえるようになったというけど、こんなのが演技なんて覚えたらますますイヤな女になるに決まっている。容姿だけいいからタチが悪い。
 悪い子つながりの連想だけど、『相棒』5-12『狼の行方』は、塾をさぼったことを隠すために誘拐されたと嘘をついた男の子たちが、その嘘で濡れ衣を着せられた男に殺されかかるという展開であった。これは、自分たちの嘘と、殺されかかったこととの因果関係がはっきりしていたので、彼らも懲りたと期待できる。
 しかし、こちらの場合、彼女が誘拐されたことと性格の悪さの間に強い関連はない(モデルになってという言葉に騙されたのは見栄っ張りという悪徳のせいと言えるけど)ので、反省するとも思えない。周囲にろくな大人もいないようだし(母親も頭カラッポ、祖父は冷酷)、誠実とか正直とか人間の大切なものを教えてくれる存在がない。--こいつの人生なんてどうでもいいが、周囲の誰かを不幸にしそうだと思うと、生きていてムカつくのが本音である。
 将来、女優になってあくどいことして、三人組に追い詰められる後日譚でもあってほしいくらいだ。




 脚本家でもある太田愛さんに関しては、『相棒』9-3『最後のアトリエ』で感動してささやかなファンである。怪しいと思われた行為がかつての約束だったというのにじわっときた。『相棒』のベストセレクションを私がつくるならばこれは絶対に選ぶ。
コメント (1)
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『カルバニア物語』17巻 今月買うコミックス予定

2017-09-01 06:20:05 | マンガ
 今月出るコミックスでの購入予定は
『軍神ちゃんとよばないで④』『北斎のむすめ。②』『アド・アストラ⑫』『きのう何食べた?⑬』『聖おにいさん⑭』歴史もの率は高い。


 先月出た『カルバニア物語』は17巻。
 再会した母とその現家族との交流を味わうタニア、コンラッド王子との仲も少し進展。あいかわらず根性の悪そうなナジャルと、その傍らでそれなりに前進しているアナベル。
 最後に置かれた『女の子あれこれ』、初の女王、初の女公爵が美貌だけでなく優秀さでも評判なので、カルバニアの女たちにとってはもはや「きれいなだけじゃだめ」の風潮が高まっている。女はきれいならば幸せになれる、そう思いこんでいるリンゼイ・パクスタンは、周囲の友人たちが勉強したり職業につこうとする状況を理解できず、美貌の寵姫(ということにしてある)アナベルに悪意なく暴言を吐いてアナベルは激怒する。
 『アデライトの花』1巻に出てきた、かわいいからと無知なままでいたメイドのマージが悲惨な結末を迎えたが、共通テーマがこちらではコミカルに扱われている。
 まあ実際「寵姫」なんて美しさだけで務まるものでないことは歴史も証明していると言える。
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