レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

オットー・シュタイガーの本

2014-02-25 08:30:41 | 
 図書館の「新着図書」で知った『日記は囁く』の解説をきっかけとしてドイツ児童文学・ヤングアダルトの注目作をいろいろ知ったので、このごろいろいろ読んでいる。

オットー・シュタイガー『泥棒をつかまえろ!』『フリー・スクール』『海が死んだ日』
 スイスの作家。
 『泥棒を~』、主人公はギムナジウムの男子生徒ペーター。彼らが教師の引率のもとキャンプに行くが、お金が盗難にあう。警察に届けると、最近イタリア人の泥棒が捕まったけどまた逃げられたのでそいつに違いないと言われる。自分で捕まえたら、と警官が無責任に言ったことから本当にそういう成り行きに。つかまえた泥棒に過度の暴行を加えてしまったことに対して、ペーターは屈折したやりきれなさを感じてしまう。おまけに「泥棒」は人違いだった。
 少年たちが泥棒を捕まえるという大筋は明らかにケストナーの『エーミールと探偵たち』が意識されているのだが、底には人種偏見や貧富の意識などの陰りがある。 もっとも、解説にあるほど読後感が暗くはなかった。ペーターは離婚家庭で周囲の生徒たちよりは貧しく、GFのカーリンの家はうんと金持ちでその兄アルトゥールが同級生。アルトゥールはペーターに絡んでくることはあるが、最後近くの会話でペーターに、おまえ自分とこが貧乏だって意識しすぎてウサい!(意訳)とずけっと言うのはわりに救いに思えた。
 『フリー・スクール』
 14歳、ベルンに住むエリアーネは、父の浮気から母と共に祖父母の下に移る。キャンプに参加するという口実でベルンに戻ろうとするが、途中で持ち金を盗まれて、キャンピングカーで暮らす放浪青年の世話になる。
 もちろんこれで連想するのは『ふたりのロッテ』であるし、『点子ちゃんとアントン』も重なる。離婚が阻止できるのか、それはわからない。
『海が死んだ日』
 70年代、フランスでのタンカーの事故で原油流出してブルターニュ沿岸が大損害を被った事件をモデルにした物語。
 舞台はブルターニュの寂れ気味の漁村。16才のガストンの父ジュールは雑貨屋とバー、バカンスシーズンにはホテルを経営している。村長は、アメリカの石油会社がこの村に土地を買おうという話に飛びつき、それに反対するジュールは孤立させられていく。しかし沖での事故で状況は一転した。
 これはもちろん、いまの日本でも他人ごとでない。

 ついでに、『緑衣の女』byアーナルデュル・インドリダソン アイスランドのミステリー。まえに言及した『湿地』の同じシリーズ。昔の死体発見の謎と、刑事の家庭の事情と並行して進む。 ミステリーというジャンルはしばしば外道な奴が出てきて、こいついつ殺されるんだろうと期待しながら読むということがあるが、これもそうだった。
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「正直どう思う?」

2014-02-22 15:18:56 |   ことばや名前
 mixiの「つぶやきネタ」などでせっせとつぶやいている。でもあれは字数に制限があって存分に書けないことがあるので、こちらに話題をいくつか持ってくる。

 話題の中に、「小説の実写化作品、正直どう思う?」という記事があった。
 「正直どう思う?」、これでは、「大きな声では言えないかもしれないけど本当のところどうなの、こっそり教えて」というニュアンスが出てくる。しかし、たかが、小説のドラマ化映画化が面白かったとかつまらなかったという感想を、または、小説を原作にとることに賛成か反対かの意見を尋ねているだけのことであり、遠慮するほどのことではなかろう。
 「小説の実写化作品どう思う?」で充分だろう。
 「正直」と不要につけることは、率直にものを言うこと、それが反発を生むことを過剰に避けたがる傾向の現れではなかろうか。

 ついでに言えば、小説から実写、マンガからアニメならありがちなので、いっそう「なにをいまさら」という感じがして私の目に奇異に見えるのだ。「マンガからの実写化」ならば少しはわかる。

 「つぶやきネタ」の中に、「マンガ派?アニメ派?小説派?それとも原作派?」というお題があり、これは意味不明だと思った。最後のがなければ、これらのジャンルのうちでどれが好き?同じ物語ならばどれを手にする?の意味だろうかと解釈できるけど、「原作派」とつくのでわけわからん。
 昨今のコミックスリストなどを点検していると、著者としてマンガ家の名前が一つ挙がっているのではなく、「原案」「構成」「作画」などのように、いくつも並んでいるものが珍しくない。ゲームなりライトノベルなり、ヒット作があればそれにのっかってマンガ化アニメ化とほかのジャンルにも活用していく。私も、好きな話であればそれを別の形式で見ることに関心はあるから一概に悪いとは言わないけど。

 同じ話でいろいろ出ている場合、私はまず小説を手にする、たいていはいちばん短いから。
 見たい映画はまずノベライズを読んでおくということもする。1回で登場人物を覚えられるかどうか心配だという理由もある。

 「ドラマ」とは本来「劇」「芝居」「戯曲」の意味なのに、舞台ではなく、映画ではなく、テレビドラマ、になってしまっていることも思えば変な話である。 

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鬼さん 薔薇ジョゼ

2014-02-19 12:56:51 | マンガ
日丸屋秀和『大正浪漫 鬼さんやめてえぇっ!!』 
 これまで幻冬舎からA5版しか出ていなかったひまさんの初めての新書サイズで180ページ以上で400円台という最も基本的なコミックスなので新鮮に見える。
 横浜に住む「港町るく」(これが名前)、普通の女子高生と思っていたけど実はアンドロイドで、製作者である祖父が大正時代に行ってしまったので迎えに行く使命をおってしまう。行った先には特殊な病があり、体の一部または全部がサイボーグ化するという。拾われた食堂で祖父を待ちながら、店に来る変な挑戦者たちその他の相手をしているるく。
 タイムトラベルものはよくあるけど、実際の大正と昭和が混ざったような、微妙にズレのある異世界もの。

『薔薇のジョゼフィーヌ』4巻
 え、もう終わり? ナポレオンが皇帝になってからが駆け足過ぎないか?
全体として、ジョゼフィーヌが優しすぎる。浮気者で浪費家でちゃっかりというデフォルト(どの程度信憑性があるのか確信はないけど)がまるでないのは拍子抜けだ、「プリンセスGOLD」はそれが許されないほどのお子様雑誌ではないだろうに。テレジア・タリアンも妖艶さ皆無だし。(でも、『和泉式部日記』『アンナ・カレーニナ』『ボヴァリー夫人』、色気の要る話をいがらしゆみこが担当した前例はけっこうある。)
 ナポレオンの再婚相手のマリー・ルイーズに関して「その生活はかつての宮廷のように形式と浪費がはばをきかせていった」ーー塚本哲也さんの本を信用する限り、彼女は質素堅実な性格のはずでは? 「民の気持ちを汲むことはなく」ーーのちにパルマで名君となったことからしても嘘くさい。
 ナポレオンのキャラデザインが、実物に似せつつごつい方向へ傾いているのが少女マンガの男主人公としては新鮮。ま、少女マンガ的外見は架空のアガト(ジョゼフィーヌの異母弟)が担っているからだろうけど。
 なんだか、『アレキサンドリア物語』を思い出す。悪女として描くこともできるしそれが期待される傾向のあるヒロインを優しく持ち上げすぎ、かえって話を面白くなくしているという点で。

近いうち買う新刊
『アド・アストラ』5巻 (今日出ているはず)
来月ぶん
『恋に落ちた眠り姫』山下友美  なんと、山下さんがハーレクイン!
『少女よ漫画の星となれ』
『薔薇王の葬列』1
『マダム・ジョーカー』15  まえのが出てからが短い気がする。もしかして、話を畳みにはいっている?

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テストでどっちか迷った歴史上の人物ランキング

2014-02-16 07:20:49 | 歴史
 mixiで「テストでどっちか迷った歴史上の人物ランキング」という記事があった。アンケート結果は以下の通り。

1.白河天皇と後白河天皇 2.蘇我馬子と蘇我入鹿  3.清少納言と紫式部
4.天智天皇と天武天皇   5.フビライ=ハンとチンギス=ハン
6.北条時政と北条時宗   7.浅井長政と浅野長政
8.足利義満と足利義政  9.最澄と空海   10.藤原頼通と藤原道長
11.中臣鎌足と中大兄皇子 12.上杉謙信と武田信玄
13.源頼朝と源義経 14.平将門と平清盛 15.鴨長明と吉田兼好
16.石田三成と明智光秀 17.ペリーとザビエル 18.新井白石と杉田玄白
19.土方歳三と近藤勇 20.吉田松陰と吉田茂

 まず私が言わずにいられないのは19。近藤=局長。「四角い顔の口の大きい男」 土方=副長。「役者のような男」、こんなわかりやすいコンビがあるかっ! それに、彼らの名前が出てくる歴史のテストがあるのか?うらやましいけど。
 「吉田松陰と吉田茂」、吉田しか同じじゃないだろう、「ペリーとザビエル」、時代も役目も違うし名前も似てない!
 3と15は、文学史も知っていれば間違えるはずもない。
 4と11は、「あかねさす~」周辺のロマンスものでも読んでいればばっちりの分野。
 『日出処の天子』知っていれば2は楽勝。
 北条でも時政と時宗ではメジャーさがかなり違わないか?7も同様。
 12や13なんて間違えたら私は怒るよ。
 足利義満と義政なんて、ルイ14世と16世くらいイメージ違うぞ。(義満とルイ14世が木原敏江キャラの中で同じ「自信家組」に分類されていたことからの連想)
 最澄と空海は、清水義範『ザ・対決』で、音楽評論家の対立になぞらえて面白く説明されている。
 紛らわしいものは、まずどちらかをきっちりと覚えるようにすることがだいじだと思う。なるべくならば、キャラの立ってるほうから。でも白河と後白河なんてどちらもインパクトあるよな~。
 混同しそうな人物として、キケロとセネカ、山田長政と呂宋助左衛門とジョン万次郎、ヘシオドスとヘロドトス、モンテスキューとモンテーニュ、マリー・ド・ブルゴーニュとアンヌ・ド・ブルターニュ、カフカとカミュ なんていう例ならば私も納得できるけど。
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3月の文庫新刊

2014-02-12 15:09:02 | 
 Books Index に載っている3月の文庫新刊リストを見ると、私が気になるのは、
コバルトの『ロマノフ大公女物語』
三浦しをん『星間商事株式会社社史編纂室』
創元推理文庫の『エリザベス王女の宮廷教師』byスーザン・イーリア・マクニール
 である。『星間~』は単行本で既に読んでいる。わりに好きな話なのでまた買うかも。
 『ロマノフ~』はロシアの歴史ものだろうか? 史実準拠で絵が好みならば買うかも。
 『エリザベス王女~』は、のちの1世? 買うかもしれないし、図書館を頼るかもしれない。

 文庫だけでなくて書籍全般についての新刊案内サイトはないのだろうか? 特定作家に関してならばアマゾンででもあらかじめ見ておくことがあるけど、ジャンルで選ぶ場合にも使えるものが欲しい。


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鶯の声なし、雪ばかり

2014-02-09 10:51:20 | 雑記
 きのうは大雪だとまえから予報されていた。しかし歯医者の定期検診になっていた。もちろん変えてもらうことは可能であるが、使う電車は動いているのでやはり出かけた、いちばん暖かいコートとホッカイロで。予約の時間は10時半、本来は10:10に駅に着くはずの出発だったのに(医院はほぼ駅前)30分だった。医院のほうでもなにか混乱があったのだろう、ふだんならば終わっているくらいの時間にようやく始まった。終わってから、近くの酵母パンの店で買うことが常であるが、品が少なく、目玉である酵母パンではなくて菓子パンとパウンドケーキを少し購入(美味しかったが)。
 帰りの電車も本数が少し減っている。地元駅に着いて、図書館に寄り、本屋で日丸屋秀和の新刊と「まんがタウン」を買い、「ルパ」でフランスパンと今月の新商品を買う。
 1時過ぎ、私にとっては遅い昼食時。残り物シチューと買ったパン、あ~ルパは美味い。

 今朝、空気は冷たくて晴れている。雪かきの音もあちこちでしている。

梅が枝に来ゐる鶯春かけて鳴けどもいまだ雪は降りつつ(古今5)

 これを本歌取りした

鶯の鳴けどもいまだふる雪に杉の葉しろき逢坂の山(*後鳥羽院[新古今])


 これのほうが有名かもしれない。

 目下テンプレートは鶯を使っているけど雪に戻したい気もする、しかし上記の歌もあるのでこのままにしておこう、鶯の声なんてきこえないけど。


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図書館順番待ちの論理 マイクとチック オペラ座の怪人

2014-02-06 10:10:13 | 
 私の居住する市の図書館では、PCで登録すれば「マイページ」ができて、利用状況が示される。予約した本の状況は、ない本をリクエストした場合まず「検討中」、購入と決まったら「購入待ち」。貸し出し中の本ならば、「返却待ち」で待ち順が数字で示される。それがだんだん数が減っていき、「1」になる。運良く自分の受け取り館に返却されればいきなり「取り置き済み」になるが、そういうことはめったになく、まず「配送中」、たいていは1、2日で届く。
 予約した本の順番の動き方を毎日チェックしている私はうるさい利用者である。
 貸出期限は2週間(ほかに予約者がなければ1週間延長可能)。予約した本が届いてその翌日朝にメールで連絡が来る。取り置き期間はそこから10日。したがって、ルールを守っているならば、27日くらいで次の利用者のところにまわるはずなのである。
 さていま私が予約している穂村弘『蚊がいる』は、先月12日に「9」になって以来、動きがない。上記の期限は超えていないが、遅い歩みに違いはない。延滞か、中々引取りに行っていないか、少なくともどちらかではあるだろう。ーー早くせい!



『14歳、ぼくらの疾走  マイクとチック』 ヴォルフガング・ヘルンドルフ  小峰書店
 以前は結構金持ちだったけどいまは財政上破綻している父とアル中の母を持つマイク、それなりに特技だってあるけど学校ではつまんない奴扱いされている。 クラスにロシア移民のチックがはいってきて、マフィアとのつながりがあるとか言われて遠巻きにされている。クラスの美少女の誕生パーティーに招かれずに落ち込むマイクは、やはり呼ばれなかったチックに誘われて、盗んだ車でチックの祖先の地であるワラキアを目指して旅立つ。
 ドイツ映画『ノッキン・オン・ヘヴンズ・ドア』を多少思い出す展開。もちろん病気持ちではない。旅の途上ではいろいろなヘンな人たちに会って、いい思い出ができる。
 図書館の新着図書で知った、ヤングアダルトに分類されている本。平凡な奴、その他大勢の人間にも個性や感受性はある、叫びたいこともある、そういう普遍性はたぶん多くの国で通じるはずだ。

ガストン・ルルー『オペラ座の怪人』
 まえにも読んだけどけっこう忘れていた。今回は角川文庫版。
 パリのオペラ座に潜む謎の「怪人」、歌姫クリスティーヌと彼女を愛する子爵ラウル、怪奇事件の数々。
 ボンボンと身分違いの美女の恋というのは『椿姫』の連想があるし、醜さゆえに疎まれた怪人の身の上はどうしても『フランケンシュタイン』だし、怪人エリックがクリスティーヌに向ける狂気のような口説きは『ノートルダム・ド・パリ』のフロロみたいだと思ったし、クリスティーヌを敵視する歌手の口からカエルが、のくだりで『ファウスト』、あれこれと先行作品が思い出される点は、エンターテインメントとしての正統性としてむしろ魅力になっている。(私が似ていると思ったこれらが本当に影響しているかどうかは知らんが)
 順番は違うけど、クリスティーヌが怪しげな「天使」から教えを受けて成功するのは、トーマス・マンの『ファウスト博士』(音楽の霊感のために悪魔と結ぶ)を思い出した(マンのほうがあとだけど)
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恵方マラソン

2014-02-03 09:21:05 | 雑記
 すっかり浸透している「恵方巻き」。うちでも今夜は巻き寿司と決まっている。
 簡単で楽しいからこそ普及したのだ、これが苦行では広がるまい。
 そこで思った、「恵方マラソン」。その方角に向かって走る。スタート地点はグラウンドにするとして、「恵方」への道を地図上で点検して特定の長さになるように設定する、もちろんある程度の走りやすさや広さも考慮。おまけに毎年変わるから計画がたいへんだなあ。広い道はそうそうないから、縦の列になって走らざるをえない、順位を競うということにしにくいから地味だ。
 
 万一実現したところで私が参加する気はまったくない。
 「恵方」○○という言葉がおめでたい感じなので、ほかになにかイベント案は出てこないだろうか。
 節分にソバを食べるところもあるらしい。「年明けうどん」の提案もあったし。
 季節の行事が廃れ気味だという記事も読んだが、新しくつくってもいいではないか。
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ララチッタとロマンチック街道

2014-02-02 07:26:37 | ドイツ
 図書館の新着図書の中に『ミュンヘン・ロマンティック街道・フランクフルト』というものがあったので借りてみた。JTBパブリッシングの「ララチッタ 大人カワイイ女子旅案内」というレーベルのガイドブック。ミュンヘンとフランクフルトはけっこうまわったし、ロマンチック街道の町はいくつか行った。もちろん心残りはたっぷりあるし、私が行った時にはまだなかった見どころも出来ている。
 ミュンヘン、「アルテ」と「ノイエ」のほかに「モダン・ピナコテーク」が出来ていることは知っていたが、この近くに「クリスタルの世界博物館」なんてあるのか。「鉱物の標本を展示」ならば私の好きなガラスではなさそうだけど。
 「ビール&オクトーバーフェスト博物館」も新しいのだろうな。
 「ジャガイモ博物館」は、いつからだろう? 
 私が行ったのは98年10月と99年3月。 当時すでにあったけど行ってなくて行きたいのは、
・グリプトテーク(古代彫刻美術館)  ここには美しいアウグストゥス像がある!
・レーンバッハハウス美術館   
 なにしろミュンヘンは(ルートヴィヒ1世の功績か)ミュージアムだらけなので、1週間あっても足りないだろう。
 行ったけどまた行きたい、ロマン派絵画のたくさんある「シャック・ギャラリー」はこのガイドに載っていない。
 
 「ミュージアムグッズを発見」欄で、あれ、こんなのあったっけ?と思う箇所が時々ある。忘れているだけか、あとからできたのか。(ボンのベートーヴェンハウスは、90年に行った時よりも99年のほうが明らかにグッズが増えていた。いまはどうなっているだろう)
 日本では(ミュージアムに限らず)グッズの定番のクリアファイル、ドイツではそうではなさそう。
 各観光地で土産物として製作したら、さぞかし素敵な品が満載になるだろうに。美しい風景も建物も山ほどあるのだから。

 「ロマンチック街道」のついでに。
 とあるサイトで、「ドイツロマン派の詩人たちが住み、または訪問して作品を残した」云々と書いてあるので首をかしげた。私の知る限り、ロマン主義者たちと「ロマンチック街道」の町々との縁は深くないはず。
 ドイツのInsel-Taschenbuch(インゼル文庫)でかつてLiteralischer Fuehrer durch Deutschlandという本が出ていた ドイツの各町に文学上のどういう著名人たちが訪問したり住んだりしたかが記されている本がある。この本で、ロマンチック街道の町々(全部は載っていないが)を調べてみると、
・ネルトリンゲン ハウフが1826ー27に住んだ
・ヴュルツブルク シェリングが1803-06に教授を務めた
・ドナウヴェルト メーリケが訪問
・バート・メルゲントハイム メーリケが訪問
 シェリングは初期ロマン派の哲学者。ハウフ(『こうのとりになったカリフの話』はわりに有名)はロマン派に数えられることもあるが、必ず出てくる名前ではない。
 メーリケは、ロマン派の範囲をうーんと広げればはいるかなというところ。
 結局のところ、ほとんど関係ないのだ。少なくとも、有名な町に有名な詩人が訪れたということはなさそうである。
 もしかして、「古城街道」のハイデルベルクやニュルンベルクまで「ロマンチック街道」だと誤解しているのだろうか?
 ついでながら、Taschenbuchは直訳すればカバン本、ポケット本。いま手元にある辞書では「紙表紙のポケット版の本、ペーパーバック」と書いてある。岩波文庫の手本となったレクラムは別として新書サイズに近い。だからむしろ「インゼル新書」のほうが適切かもしれない。概して装丁がきれいだと思う。
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