レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

新学期

2009-09-29 20:15:30 | 雑記
 今日、秋学期の初授業。「ガイダンス」ということでふだんよりも短い。
 ドイツの歴史・文学史のプリントは使いまわし、『聖おにいさん』と『ヘタリア』からカット引用したもので、反応はあった。

 本屋で、今日が発売日の『大奥』5巻と、正式には明日が発売日の『ヘタリア』絵コンテ週2とファンブック、勢いで、「まんがで読破」の『若きウェルテルの悩み』(これまでのものよりも絵がまあまあのようなので)まで買った。
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星間商事、銃口、もつれた蜘蛛の巣

2009-09-27 07:20:41 | 
 私は、タイトルをカッコでくくらない書き方嫌いなのだけど、短くするために「タイトル」部分では敢えてこうすることがある、

 ひとつきくらいの間に読んで面白かったもの。


三浦しをん『星間商事株式会社社史編纂室』
 会社員川田幸代29才、放浪癖のある恋人がいる。社史編纂室というほとんど窓際のようなヒマな部署にいるが、オリジナルやおい同人誌で小説をせっせと書いている。その活動を知った室長が、我々も同人誌をつくろう!と言いだして、書いてきたヘンテコな時代劇もどき、しかしそれには社の闇の歴史が隠されていたのだった。
 コミケに縁のある者ならば、あるいは関心のある読者ならば、ところどころの講釈にうんうんとうなずいたり笑ったりできるだろう。作中にはさまれる小説中小説も、作者のいろいろな顔(やおい、お笑い、ロマンティック)を発揮している。


三浦綾子『銃口』
 昭和の終わりで幕を閉じるという点で『緋の稜線』を連想した。
 北海道旭川、昭和の初年。良心的な質屋の家に育つ北村竜太は、誠実で信念に満ちた担任の先生に感化されて、自分も教師の道を選ぶ。しかし時代は思想・言論統制が重くのしかかって、恩師は特高警察に捕まって命を落とし、竜太自身も戦地へおくられる。
 幸い、軍隊でもわりあい周囲にいい人が出てくるので、それほど読んでつらくはない。

 ああそれにしても、思想弾圧とは忌まわしいものだ。(だからこそよけいに、「言論の自由なんぞくそくらえ!弾圧しろ!」と言いたくなるような一部の輩ーー痴○サイトだの

 
モンゴメリ『もつれた蜘蛛の巣』
『赤毛のアン』が有名なカナダの作家L.M.モンゴメリの単発作品で、去年『青い城』が角川文庫で復刊したとき、こちらも予告されていたけどようやく実現。
 プリンス・エドワード島のペンハロウ家とダーク家とは長年にわたって縁組をくりかえしていて、実にこんがらがった家系図になっている。その長老であるベッキイ伯母は先が長くないとみて、家宝の水差しの相続人を言い渡そうと一族を招集する。
 たくさんいる親族にはそれぞれキズもアラもあり、いちいちそれに嫌味をたれるベッキイばばあが憎らしいのなんの。でもそれなりに魅力がある・・・のかなぁ、ううむ、リアルで存在感があるのは確か。
 若者の一目ぼれの局面が2種類登場し、片方は、紆余曲折の末にハッピーエンド、もう一つは悲喜劇。ちょっと少女マンガのお約束展開もあり。
 夢見がちなオールドミス(死語)マーガレットの幸せがほほえましい。月を「レディー・ムーン」と呼んで崇拝する変人「月の男」も注目に値するキャラクター。
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ローマ喜劇 クレオパトラの娘  後継ぎ希望

2009-09-23 05:44:25 | ローマ
 9月23日なのでローマカテゴリー。しかしまとまった話題ではなのでまた3つの小ネタ。

1 中公新書で先月出た『ローマ喜劇』を少しずつ読んでいる。共和制時代の二人の作家がメインなので、おなじみの名前はほとんど出ないけど、ヨーロッパ演劇の伝統にとっての意味を考えるうえで興味深い。


2 アマゾンから時々案内が来る。先日、英語の小説『クレオパトラの娘』なる新刊のお知らせがあった。めんどくさいのでコピー。

Cleopatra's Daughter: A Novel (ハードカバー)
Michelle Moran (著)

内容説明
The marriage of Marc Antony and Cleopatra is one of the greatest love
stories of all time, a tale of unbridled passion with earth-shaking
political consequences. Feared and hunted by the powers in Rome, the lovers
choose to die by their own hands as the triumphant armies of Antony’s
revengeful rival, Octavian, sweep into Egypt. Their three orphaned children
are taken in chains to Rome; only two? the ten-year-old twins Selene and
Alexander?survive the journey. Delivered to the household of Octavian’s
sister, the siblings cling to each other and to the hope that they will
return one day to their rightful place on the throne of Egypt. As they come
of age, they are buffeted by the personal ambitions of Octavian’s family
and court, by the ever-present threat of slave rebellion, and by the
longings and desires deep within their own hearts.

The fateful tale of Selene and Alexander is brought brilliantly to life in
Cleopatra’s Daughter. Recounted in Selene’s youthful and engaging voice,
it introduces a compelling cast of historical characters: Octavia, the
emperor Octavian’s kind and compassionate sister, abandoned by Marc Antony
for Cleopatra; Livia, Octavian's bitter and jealous wife; Marcellus,
Octavian’s handsome, flirtatious nephew and heir apparent; Tiberius, Livia’s sardonic son and Marcellus’s great rival for power; and Juba, Octavian’s
watchful aide, whose honored position at court has far-reaching effects on
the lives of the young Egyptian royals.

Selene’s narrative is animated by the concerns of a young girl in any time
and place?the possibility of finding love, the pull of friendship and
family, and the pursuit of her unique interests and talents. While coping
with the loss of both her family and her ancestral kingdom, Selene must find
a path around the dangers of a foreign land. Her accounts of life in Rome
are filled with historical details that vividly capture both the glories and
horrors of the times. She dines with the empire’s most illustrious poets
and politicians, witnesses the creation of the Pantheon, and navigates the
colorful, crowded marketplaces of the city where Roman-style justice is
meted out with merciless authority.

Based on meticulous research, Cleopatra’s Daughter is a fascinating
portrait of imperial Rome and of the people and events of this glorious and
most tumultuous period in human history. Emerging from the shadows of the
past, Selene, a young woman of irresistible charm and preternatural
intelligence, will capture your heart.


コピー終わり。
作者は、ほかに『ネフェルティティ』なんて本も書いているようだ。


3 「尊厳者」が批判される点の一つに、己の血縁の後継ぎに執着したということがある。確かに、政略結婚をくりかえさせられた娘ユリアや、そのために離婚までさせられた継子ティベリウスにとってはいい迷惑だった。早世した甥や孫息子たちにもプレッシャーはきっとあっただろう。
 しかし、目をよそにやってみると、息子を得るために離婚再婚、妃に濡れ衣着せて処刑までしたヘンリー8世、怪しい占いにすがって悪法で民を圧迫した綱吉。いまの大河を思い出しても、実子の邪魔だからと養子を亡きものにしたばかりかその妻妾・子まで処刑した秀吉(結局、なんの役にもたたなかったムダ極まりない殺生)も連想される。
 --それにくらべればアウちゃんなんて迷惑かけたのは身内だけだし、血を流したわけではないし、まだまだかわいいものではないかと思うぞ。
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初秋の朝顔

2009-09-21 13:16:48 | 雑記
 まえに住んでいた町の生協のおばさんが、「冬にプリンやゼリーがあるのはみっともない」と言っていたことがおかしく思えたので、私と母は季節はずれの意味で「みっともない」という言葉を使うようになった。
 いま、庭で少々「みっともない」状態。
 マンションの1階なのでささやかな庭がある。かつての隣の庭からもらったのだか、飛んできたのか、朝顔が夏にはたくさん花をつけるのが常。しかし、今年は夏の間には姿を見せず、9月になってから咲くようになった。今日もいくつも咲いている。小ぶりの、形のよいきれいな青紫の花である。「みっともない」けどかわいい。

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きのう書店で

2009-09-20 06:47:23 | 
 行きつけ書店の一つで、和風小物をいろいろ並べていて、ブックカバーもあった。「ふすま地ブックカバー」、デザインが上品で、値段が840円で許容範囲(文庫サイズでは1000円以上は出さないことにしている)なので、とりあえず2種買ってみた。使い心地によってはまた買おう。

「ねっとわーく ぎゃらりーならっぷ」

 光文社文庫がフェア中。対象の本のオビのシール1枚で図書券1000円ぶんが当たる。1冊で一口と手軽だ。気乗りするのは、宮部みゆき編『贈る物語 Terror みんな怖い話が大好き』(英米短編のホラー)なのでこれを買った。
 文春文庫も、5冊で一口の懸賞をしている。折り返しの三角マークを使う。私はかつてこれを、意義があるのかどうかわからずに集めていたことがあるが、おととしあたり問い合わせたところ、あのマークはかつてのフェアの名残で、いまのところ新しいフェアの予定はない、という回答だったので捨てた。いまのフェアは、たいへん心をそそるというほどのものではないけど、いつかもっと楽しい企画があるかもしれないのでこれからはとっておくことにしたほうがいいのだろうか。

 ほかにきのう買った本、
・清水義範『身もフタもない日本文学史』 PHP新書
 出たのは7月で、どうも目次に見覚えはある、買った記憶はないのだけど、・・・まぁいいか、たとえ2度になっても。
・グレゴリー『愛憎の王冠  ブーリン家の姉妹2』  集英社文庫
 英国王家のシリーズの続きがめでたく出た。これはヘンリー8世の娘、メアリとエリザベスの時代。

 同じ集英社文庫の新刊で、藤本ひとみ『令嬢たちの世にも恐ろしい殺人』が出たのでこれも手にしたけど、すでに読んだ『殺人の四重奏』で、再読したいほどではないのでパス。
 題を変更することが悪いとは言わないが(『逆行のメディチ』→『ダ・ヴィンチの愛人』なんて最低最悪のセンスもあるけど。『ジャンヌ・ダルク暗殺』→『聖女ジャンヌと娼婦ジャンヌ』は、内容を適切に表すようになってよろしい)、巻末の作品リストで、変更まえのタイトルが書かれていないことには毎度腹がたつ。わかりにくいだろうが!
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グスタフ3世

2009-09-16 05:55:34 | 歴史
 前々日曜あたりにテレビでたまたま『城 王たちの物語』が目についたので、途中からだけど見た。18世紀のスウェーデン王グスタフ3世の話。父王のころは貴族たちが大きな顔していて王権が弱く、教養高く野心家の王妃は弱腰な夫がはがゆく、息子に、強い偉大な王になるように期待、もっといえばプレッシャーかけまくりで育てた。そして実際に強い王となるが、その後も干渉してくる母をグスタフは宮廷から追放する。たびたびの戦争で費用がかさみ、貴族たちからとりたてるので不満分子が陰謀を企て、発覚して処刑者も出る、そんな不穏な空気の中、仮面舞踏会で王は暗殺される(1792年)--
 いや~ドラマチックだなぁ。途中で、ああこれは、中野京子さんの本でも紹介されていた、オペラの題材にもなったあれか、と思い当ったけど。
 この次の代で王家は終わり、フランスから新しく王が迎えられたというのは、ナポレオンの部下のベルナドットのことか。
 この番組は、NHKハイビジョンで放映され、たまに総合での再放送があるのかな? 上記のは総合ではなかたはずだけど、まえに別の回を録画したことがあると思う。DVD出たら買うぞ。『ヨーロッパ城物語』でも。
 あ~、こういう世界を少女マンガでどんどんやってくれないものか。
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黒い画集 氷姫 警視庁幽霊係

2009-09-13 06:52:34 | 
 私は特にミステリーというジャンルに関してマニアというわけではなく、好きな作家や、興味のある題材だと読む(歴史がらみだと手が出る)。

松本清張『黒い画集』
 松本清張は、なにかフェアで文庫が出てるとけっこう買う。これは新潮文庫の「おとなの時間」というくくりで出ていた短編集。
 浮気が発端になっている話がいくつかある。そして相手の女もしたたか、読んでいるほうとしては、バカ・・・と思うんだが。古女房を軽んじた態度が気に入らん。こんな夫の遺体引き取りなんて拒否して当然だ!
 
カミラ・レックバリ『氷姫』
 集英社文庫の新刊。珍しいスウェーデンのミステリー・・・といっても、解説によるとスウェーデンはミステリー大国なんだそうだ。そういえば、角川文庫全10冊の『マルティン・ベック』シリーズがあったな(『エロイカ』で言及されていたことから読んだ)。
 伝記作家のエリカは、子供のころの友達が浴室で死んでいるのを目撃、自殺と思われたが検死の結果で殺人と推測される。
 両親の死後の妹夫妻とのトラブル、妹のDV夫、近在の有力者とその養子、美しかった友人とは全く似ていない妹の正体、もろもろの人間たちは、いかにも現代の都市の裏側にいくらでも潜んでいそうな諸問題をうかがわせる。
 これはシリーズものだそうだ。妹のDV夫にはなんらかの罰が下るのだろうかとそれも気になる。・・・読んでて、ぶちのめしたくてたまらなくなる。

天野頌子『警視庁幽霊係と呪いの人形』
 祥伝社ノンノベルの新刊。去年、シリーズ1作目の『警視庁幽霊係』が文庫で出ていて、そのイラストがTONOさんだったので目に留まった。親本であるノベルスでは坂田靖子さんが担当している。
 なんかしらのヘンな力を持った刑事たちの集められた「お宮の間」。幽霊と話せる柏木青年には自称「守護天使」の美少女幽霊がついていて、ストレスで胃弱に悩みながらも変死者たちとつきあわさるをえない日々。
 今回は、マンションの火事で一人暮らしのおばあさんが死んで、行方不明の愛犬を探してほしいと要求される。事件の経過について、幽霊、隣人、愛犬、で証言が食い違う。(犬と話せる刑事もいる)
  幽霊とゆかいな刑事たちのほのぼのミステリー。
 なお、2作目も同時に文庫化された。挿絵もっと増やしてほしいな~。
 
 同じ内容の本でイラストレーターの代わることがあるけど、長い年月ののちに復刊だとか、別の出版社で出直すとかいうことならわかるとして、このシリーズのように、同じ社から数年後に文庫化で交代なのはどういう理由なのだろう? 2種類楽しめるということだろうか。
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『少女漫画革命』の記事

2009-09-11 05:43:54 | マンガ
すでに先月のことだけど、読売新聞に少女マンガの記事があり、いまはまだネットで読めるのでこの際貼っておくーーと当時書いたしリンクしたが、既に無効になっているのでその部分を削除(2015.11.30)。


 74年に「花とゆめ」創刊、76年に姉妹誌「ララ」創刊。私は77年あたりから『あさぎ色の伝説』めあてで「ララ」を買い始めたのだった。じきに『あさぎ伝』は中断してしまったけど、その後もかなり長いこと買っていた。萩尾、竹宮、大島、山岸、木原など他誌の大物と、ここでデビューして育っていった新人たち、百花繚乱。『方丈記』の鴨長明が、新古今時代をふりかえって、すごい時代であった・・・と感慨こめて述べているけど、私もそういう気持ちになる。
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破天荒 時を分かたず 敷居が高い

2009-09-09 05:36:25 |   ことばや名前
 --こう並べると五七五みたいだ。

 先日、新聞に「文化庁国語調査」結果の記事があった。
 「誤った使い方や意味の取り違えの例」は出ている5つ全部知っていたが、「どちらの意味だと思うか」の5つは、知らないものがけっこうあった。「時を分かたず」は「いつも」、「破天荒」は「だれも成し得なかったことをすること」。 「敷居が高い」は、「不義理をしていきにくい」も知ってたが、「高級すぎて入りにくい」も、言葉としてはそんな感じもするなぁ。
 

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メイプルシロップの幸せ

2009-09-06 06:23:59 | 雑記
「カスピ海ヨーグルト」が3カ月くらい、5個ぶん一口で応募できる、メイプルシロップの懸賞をやっていたので、母と二人でせっせと食べていた。9月10日までにはもう一口応募できると思っていたが、もう店からはその応募券のついた品はなくなっているようで悔しい。--いや、すでに一度当たって送られきているんだが。
 『ヘタリア』のドラマCDで、「プロイセン」が、中国の売ってた「幸せになれるパンダのぬいぐるみ」をのせられて買ってしまい、そのあと、カナダから「幸せになるメイプルシロップ」をもらい、まただまされたかと思うけど、ホットケーキにかけて「うめ~うめ~」と食べて、「確かに幸せになった」と納得していた。ホットケーキにシロップ、そりゃ確かに幸せだろうよ。バターもじゅわっと染みてると最高。
 いまはけっこうメイプル味は流行りのようだ。「塩キャラメル」も多いな。私は、キャラメル味、プリン味、メイプル味はたいへんに気乗りするので、そういう新製品は手が出る。
 ふと思いついて「サーティーワンアイスクリーム」を検索したら、9月の新フレーバーは「モンブラン」。秋なので、マロン味も出てくるのか。あ、ハロウィンにちなんでまたパンプキンも来月ありそう。
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