レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

来年冬のコミックス購入予定

2012-12-30 14:43:06 | マンガ
 まずは「大洋社」のHPで見る。そのあとたいてい月末には地元福屋書店に置いてある来月のコミックス表で再点検する。
 来月出るぶんで、これまでは買っていたけど倹約してBO待ちにするもの若干。
 迷っているのが2冊、
 羽崎やすみ『PTRETTY GUYS』は、出版社がなんだかマイナーなようで、地元の書店にあったら買おうか? 
 大竹とも『ハードナッツ』3 光文社、女性自身コミックス
   去年の夏からしばらく「女性自身」であずみさんが連載していたので買っていたが、その際に気に入った4コマ。この雑誌からはコミックスなんてまず出ないものと思っていたが、BOで既刊1,2を見つけて驚いた。3巻はどうなる?と気になっていたら、ちゃんと出るのだな。
 確実に買うぞというのは1冊しかない、いいんだか悪いんだか。
 

2月号「まんがタイムファミリー」で、
駒倉葛尾『教師諸君!』がついに、今年はクリスマスをすっとばした!大胆! 
 年末ということで、年賀状や干支の蛇の話題。ヘビのイメージもほんとはプラスのものもいろいろある・・・とはいえ、やはり通常見たくない代物だと思う。ヘビのカレンダーがたとえあっても少数のマニアにしか需要はあるまい。
香日ゆら『博士の白衣女子攻略論』
 機械をおだておだて使うハカセたち、いつのまにか染まっている白銀君。
「まんがタイムスペシャル」2月号
駒倉葛尾『趣味じゃない園芸』
 ずぼらな蘭が集めるだけした化粧水作りデータを、男性職員たちが役立てたオチが静かにおかしい。
(関係ないが、かつて「ハイシー」を開発中に、幹部たちがせっせと試し飲みしていたので、女の子みたいに白いつるつるお肌になっていたという実話がおかしくてたまらない)
ナントカ『メー探偵フワロ』
 名セリフ「誰かを喜ばせたくてプレゼントを贈ればみーんなサンタなの」
この『フワロ』と、『アテナの初恋』は「ゲスト」やめてきちんと「連載」にしてしまってくれ。
アニメ化されるという『恋愛ラボ』で、
お互いを意識しまくっていながら精一杯さりげなく話をしようとしている二人の会話、
「セウスとヘラ夫妻ってどう思います!?」
「ハタ迷惑な夫婦だよな!」
ーー中学生がすかさず受け答えする内容だろうか。
 このマンガは、恋愛願望めいっぱいな子が主要のわりに私が楽しめるのは、女の子同士の関係もしっかりと描かれていることが強みだと思う。

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スペイン本  カルメン

2012-12-26 13:50:52 | 
 国書刊行会から出ている『スペイン中世・黄金世紀文学選集』全7巻は、地元図書館にそろっている(書庫に)。
 1巻目の『わがシッドの歌』は、岩波文庫でも出ているのでそちらで読んだ。
 11世紀に実在した武将を主人公として12世紀半ばに書かれたと推測される、「武勲詩」と呼ばれるジャンル。
 2巻目は『よき愛の書』、14世紀。「イータの主席司祭フアン・ルイス」と名乗る語り手による。神への祈りや聖母讃歌に始まりながら、目をつけた婦人を獲得しようと心を砕き、それが成功せずに「愛の神」である「ドン・アモール」に悪態をたれる、いかにアモールが七つの大罪と結びついているかという理屈をこねまわす。それに対してアモールが反論し、恋の手管をアドバイスし、彼の退場のあとは愛の女神ドニャ・ヴェヌスが現れて引き続き講釈をたれる。これらの指南はオウイディウスに準拠している。
 「私」がさる婦人をくどく話であったはずなのに途中で男の名前が交替していたり、取り持ち婆に死なれて実に大げさに悲嘆して故人の徳をたたえていたり、イソップふうの寓話も山ほどはいっているし、「よき愛」とはなにを指して言っているのかたいへんに混乱させられる。難解な物語では全然なく、むしろふざけた内容とすら言えるのだけど。

 歌劇『カルメン』を借りて見た。
 「1987年2月メトロポリタン歌劇場におけるライブ収録 指揮ジェイムズ・レヴァイン  アグネス・バルツァ ホセ・カレーラス」
 カルメンの歌手は、格別美女というわけではないが、魅惑的な胸の谷間を大いに見せびらかしていた。
 ホセの人は、わりあい濃い顔。
 カルメンが心を移す闘牛士エスカミーリョは、これは全然美男ではない、むしろゴリラっぽい(カーンに似てる?)。しかしいい声! (どうやら私はテノールよりもバリトンが好みのようだ) 
 ホセの許嫁のミカエラは、役どころとしては、強烈なカルメンとの対比で清純派のはず。セリフのうえでも「かわいい娘」とされている、ーーしかしぜんぜん可愛くない、体つきもいかつく見えるし。声はきれいだけど。
 フランスの作家による小説が原作で、フランスの作曲家だし初演はパリ。つまり、舞台がスペインとはいえ非スペイン人による作品であり、外国人にとってのイメージであることはもちろんである、異国情緒というものは時には偏見に基づいているということは念頭におかなければなるまい。  そういった理屈はあれど、ジプシー(今日では差別後扱い)、闘牛、そういった要素をたっぷりと詰めて、おおいに堪能させてもらった。
 それにしても、『闘牛士の歌』のメロディでどうしても「三階建てを建てるなら~ セキスイハイム セキスイハイム」のCMが頭に浮かんでしまうのは困ったものである。
 『蝶々夫人』に対して少なからぬ日本人は複雑な気持ちを持つと思うが、スペイン人の見る『カルメン』はどうなのだろう。



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年末年始の図書館休み

2012-12-23 12:30:49 | 
 年末年始には1週間休みなので、いまの時期に借りると普段よりも期間が長くなる。
 もっとも、ビデオなどは元々1週間の期間なので、きのうからがその延長対象、きのう今日は私は外出せず、あさって出る予定なので、オペラ『カルメン』のビデオを借りる予定。
 来年は日本とスペインの交流400年ということなので、講義の題材に取り入れる計画で、歴史や文学史を読んでいる。去年(の一部)はディケンズイヤーだったけど、いまはスペインフェア。
 スペイン文学ではないけど、『アルハンブラ物語』や『誰がために鐘は鳴る』も再読しよう。

 図書館のカウンターの会話で、届いた本が借りられる冊数を超えている場合に、「ご家族のカードなどありますか?」と図書館員の側から尋ねていることがあるので、同居の家族の名前くらいならば借用することがまあ大目に見られているのだろう。
 私は、長期に渡って待たされそうな本を予約する際には母のを使っている。
 ところで、待たされている本の中で、玖保キリコ『ロンドン丼』は、私の待ち順が2番目になったのが11月23日。延滞もたいがいにせえ!読むのに時間のかかるものでもないだろ。 阿刀田高の新刊も、もう3週間動いてないぞ。(こんなことをいちいちPCで見張っている私はうるさい利用者)
 うちの県では、「市外」で県内の本は、出てから(買ってから?)3ヶ月は借りられないことになっている。そして、予約したあとからでも、市内から新たに予約者が入ったらそちらが優先されることになっている。 今年出た某ライトノベルの新刊、出てから充分3ヶ月以上経過してから予約を入れて、その時点で6人だったそうだけど、まだまわってこない。1時間もあれば読めるものなんだけど。

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ショートケーキ

2012-12-22 14:31:44 |   ことばや名前
 ショートケーキの「ショート」は短いではなくてサクサクしたという意味だということを最近になって知った。

 『美の壺』という番組でクリスマスケーキがテーマだったので見た。日本でのケーキの代表である、スポンジケーキに生ムリームとイチゴという組み合わせは、元々はアメリカのもので、クッキーの部分をスポンジに変えて出来たものであると説明していた。(『ヘタリア』日めくりカレンダーでもそのように解説がついていた)
 shortを英和辞典でひいたら確かに、何番目かの意味にサクサクがある。スポンジケーキを念頭においてサクサクという連想にはまずなるまいよ。

 私自身は、イチゴショートはそれほど好きではない。それを誰かが持ってきてくれた、焼いてくれたのならば文句は言わないが、チーズケーキやチョコ、モカなと選べるならばイチゴを選びはしないだろう。

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映画『テルマエ・ロマエ』その他

2012-12-19 14:16:03 | ローマ
映画『テルマエ・ロマエ』
 DVDでやっと見た。これまであちこちで言われていることと重複するのは仕方ないと思って素朴に書く。
・主役の阿部寛始め、日本人出演者が現地人の中に混じってローマ人になっていることが違和感ないことに驚いた。
・ ところどころ混じるイタリアオペラのアリア(?よく知らん)が奇妙なようでわりに合っていた。それぞれどういう内容の歌であるのかわかるともっとおかしさがわかるのか?  (そういえば(?)アニメでもクラシックがかなり使われていたな。)
 エンディングのとき、この歌手もゆったりと休息していたのがなにやら愉快。
・ラストのラストで、風呂の隅っこのルシウスの傍らにフルーツ牛乳のあるのがかわいい。
・オリジナルヒロインの設定が漫画家志望だときいたときには、オチは読めたと思ったけど、始めから天才学者である原作のさつきよりも、あとから歴史やラテン語を勉強したマミのほうが受け入れやすい。そんなに短期間で習得できるのだろうかという疑問はあるにせよ。  展示場に出現したルシウスが熱心に展示物を見学しているのに「キャラ立ってるわ・・・」の反応も「キャラ立ってる」と思う。
 不満な改変は、
・妻リウィアの不貞、と
・ケイオニウスの悪役化
  後者に関しては、ノベライスのほうがフォローがあった。
 よそのブログで、オンドル小屋作りにローマ軍が活躍すべきだったという感想を読んで、なるほどそれもそうかと思った。アントニヌスの発案ということにしているのだから、兵を使う理由はそれなりにあったはずだし。

 EDでのクレジットに「飯沼慧」という名前が出てきて、え?と思った。私の偏愛する『燃えよ剣』において新見錦だった人である。その5年前の『新選組血風録』でも、二つの作品の間の『俺は用心棒』でも。(芹沢鴨は『燃えよ剣』では違っている)
イヤミっぷりが評価されたのだろう。 『テルマエ・ロマエ』でどこに出ていたのかわからなかったが、「平たい顔族」のじいさんの中にいたのだろう、もういい年のはずだし。うーん、ちょっと感慨。

 重箱の隅だけど、(セリフの中で)年号を西暦で言うのは考証の点ではおかしいのだろうな。しかし、「○○とxxが執政官の年」ではわかりづらい。言い換えるとすれば、ハドリアヌスが即位して○年とか、アンティノウスが死んでから○年とかそんなところか?
 考証に青柳さんのお名前があったのは嬉しい。

 話題その2。
 季刊誌「ジャンプSQ19」で連載されて3巻まで出たあとでWEB掲載に移行した『アグリッパ』by内水融、好調連載中。雑誌ならば2回分に相当するものをまとめて読んだ。カエサルがいつぞやタラニスに入れ知恵したことも単なる気まぐれ利敵行為ではなかったことも説得力がありたいへん面白い。(あんな薄汚いオヤジよりも勇敢な若者たちのほうが気に入るのも事実だろうが。)
「ジャンプSQ 」

 話題その3.
 雑誌「ダ・ヴィンチ」誌上で知ってコミックスを買った『アド・アストラ』、いつのまにやら3巻まで出ているので購入、まとめて読んだ。感情を欠落させたようなハンニバル、軽そうにしていて切れるスキピオ、キャラが鮮やかで読みやすい。
 順調に続いて刊行されているようで結構なことである。
「Amazon アド・アストラ 」
(いちばん問題なのは1巻が出たきり続きが出ない『秘身譚』だ・・)
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美術館の通販

2012-12-16 05:55:54 | 雑記
私はクリアファイルが好きだ。ミュージアムグッズが好きだ。展覧会や博物館へ行けばたいていは買ってくる。
(ドイツであちこちで行きまくったのに買ってないということは、当地にはそういうグッズがなかったということか)

 私が来年行くことになっている某キャンパスは、いくらか足を伸ばしたところに二つの美術館がある。検索すると、グッズはそれぞれある。通販もある。
 T美術館は、クリアファイルが欲しい。しかし所蔵品のジャンルは私の関心をあまりひくものではなく、入館料はわりに高い。
 S美術館は、さほど高価ではない、展示物への関心の度合いは・・・わからん。料金はあまり高くない。欲しい品は、クリアファイル、ノート、一筆箋。  クリアファイルがそもそも2種類あるうち、片方はもう品切れになっている。それでもう一つについても焦りが湧いてしまったのである。(その焦りがなければ、来年でもよかったのだが)
 いずれも現金書留での申し込み。
 Tは、品の金額ぶんを送って、送料は着払い。
 Sは、電話で問い合わせて、品のぶんを現金で、送料ぶんは切手で送る。
 そして、Tのほうは、中身が700円送料750円。現金書留のぶんも含めたら、入館料よりも結局高くついてしまったのではなかろうか。浮かせたのは時間だけか・・・。
 HPには「ゆうメール」使用だと書いてあるのだ、それならばあんなにかからなかったはずだろう、ヤ○ト便なんか使うな~~!
 Sは、中身が1650円で、冊子小包で340円の送料、こちらが妙にお得感があった。  Tもふつうの郵便にしてくれたらあんなムダな気分にならなかったのに・・・。 品じたいは渋いデザインで良いのだ。

 私がコミケに行った最後は2004年の夏であり、そのころは同人誌の通販は為替が一般的であった。現在私が通販で買うサークルは、あずみ椋さんなど2つくらいしかなく、それらは郵便振込である、ほかのところがどうかは知らない。
 私の知る限りでは、現金書留や速達はダメとされていた。在宅でなければならなくて大迷惑だから絶対にやめてくれという訴えを2回は目にした。
 だからというわけでもないが、私はどうも速達というものが嫌いである。あんなのが来ると、いったいなにごとかと心臓に悪い。急ぎの知らせは悪い知らせであるという印象もなんとなくある。
 重要な用事があるので連絡して欲しいなんて言う場合、重要なのは本人にとってであり相手にとって嬉しい用件ではないものだ、という内容で始まっていたのは、モームの『お菓子と麦酒』か。
 話がそれているけど構わず、私は送料をケチりたがるタチであり、多ければ文句ないんだろうとばかりにデタラメに多額の切手を貼るなんてこともゆるせんのだ(母は手紙を出すときに私に持ってくる、私は計量器でそれを量って切手を指示する)と、締めにならない終わりで今回は終わる。
 
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ガイドブックプラスアルファ

2012-12-12 05:43:43 | 地理
 ビデオ録画の中身をDVDに移して、そのレーベルについ凝って、なにか縁の風景写真でも貼りたくなる。それで『地球の歩き方』の古い版とか、旅行パンフレットから切り抜く。『地球の歩き方』の「ドイツ」は数年ごとに買い替えるのが常で、来年あたりそうしよう。  「フランス」もところどころ穴の空いた本になってしまったので替えたいけど、行く予定なんか皆無なのにガイド本をまた買うのも虚しい気がするのだ。旅行のあてがあるわけではないし。ホテルやレストランの情報はいらん、きれいな写真がはいってて、ミュージアム紹介、各都市の歴史の説明などひととおり書いてあるフランス本が欲しい。
 新潮文庫の『フランスものしり紀行』があるので、ウンチクならばあれで済むとも言えるが。
 ドイツに関しては、JTB『街物語』(主要博物館・美術館が紹介されている)、山川出版社『世界歴史の旅 ドイツ』を持っている。『街物語』はほかに「イタリア」を、ローマにはまったあとで買っている。でもこれ、「パリ」はあっても「フランス」はないのだ。ま、たとえあってもいまはもう売ってないけど。 後者「世界歴史の旅」は、「フランス ロマネスクの旅」があり、「パリ」があり、「フランス」は2巻(以上?)にわたってしまっている。「フランス」で1冊がなぜない・・・。たとえあっても、これまたいまは品切れだろう。   
 ポーランドみたいに比較的マイナーどころだと、観光ガイドでまあいいかと思うけど。私が行くときに買った版よりも、いまの『地球の歩き方』のほうがカラーが増えているのだな。チェコ、スロヴァキアといっしょで1冊なのは変わらん。
 
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『男の絆』

2012-12-09 05:42:58 | 歴史
本の感想の場合、歴史フィクションならば「本」に入れるけど、ノンフィクション寄りの場合は「歴史」にするという原則に従って、下記の本はここに。

『男の絆  明治の学生からボーイズ・ラブまで』 前川直哉  筑摩書房  2011
 三浦しをん『本屋さんで待ち合わせ』で紹介されていて読んだ本の1冊。
 日本は同性愛に寛容だと時に言われるが、決してそうは言えない、歴史を見てもそれは極めて限定された条件つきであるし、現代でも揶揄の視線は根強くある、ということを軸に、社会史にも目を向けながら「学生男色」以来の歩みをたどる。
 
 私がかつて大学で「比較文学」の講義であったかそれとも国文学だったかできいた話:、それまでの「色恋」がもっぱら遊郭を舞台にした非日常のもの(そしてそこにはまた独特の美意識も存在した)、「恋愛」とは明治に出てきた概念であった。
 上記の本に依ると、「恋愛」は1890年代にloveや amourの翻訳語として生まれた。「恋」「色」ではなくてもっと清く正しいものとしてとらえられた。それは当初、危険なエネルギーさえも秘めたものであり、情熱的、神秘的なもので、その極端な例が北村透谷。 しかし、透谷のあとの言論人たちによってその「毒抜き」がなされ、「結婚」へとつながるものにもされた。
 「硬派」「軟派」という言葉にも変遷があった。 明治初期の学生の場合、男色奨励が「硬派」、女色が「軟派」。このころには、彼らが相手にする女はたいてい遊郭(あるいは料理屋の女中や下宿の女)。
 しかし、20世紀には「女学校」ができて、「女学生」が誕生する、つまり、男子学生にとって、教育があり堅気で同年輩の娘さんたちが現れる、このことと、「恋愛→結婚→家庭」という幸福イメージと関連してくる。(現実にはそういう恋愛結婚は少数とはいえ、そういう理想が生じてくる)
 それに伴い、70年代~90年代には「智力の交換」「大志の育成」として高尚視されていた関係が、1900年代には男女交際の代替物であり、「硬派」にとって「恋愛=男らしくないもの」になる。
 これ以上ここで要約することは避けるが、
 すると、木原さんの『摩利と新吾』(話の始まりは明治43年=1910)での「硬派」「軟派」という使い方は、すでに合わなくなっていたということになるな。作中でも言及されている鴎外の『ヴィタ・セクスアリス』は発表当時よりも20年ほど昔を振り返ってのことだというし。
 本来、『摩利と新吾』は、『あ~らわが殿!』(侍堂院高校が女学校と共学の実験)の前日譚として始められたのであるけど、前川氏はこちらの作品はどう評価しているのだろうか。
 「ボーイズラブ」というジャンルに対して蔑視していない様子はわりに嬉しい。「男の絆」から締め出されているのが同性愛者(男性)と女性であるけど、女性がその「男の絆」を鑑賞する手段として解釈している。


 ついでに。
 学研の日本史学習マンガの新しいものが出た。本屋で少し手にしただけで買ってはいないけど。氷栗さんが大正時代を担当。芥川龍之介は、有名な写真の顔と、氷栗さんの絵とほどよく溶け合って中々良いキャラデザインになっている。

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風雲児たち 大奥 聖おにいさん

2012-12-05 10:02:49 | マンガ
みなもと太郎『風雲児たち 幕末編』21
 歴史上の有名事件として誰もが名前くらいは知っている(べきだ!)の「桜田門外ノ変」、これにまるまる1冊費やして、まだその後始末は終わりきっていない。現代ならば明らかに被害者側であるはずの井伊サイドは面目というものがあり、それを立てるための面倒な手続き。長かった太平のせいで、ありえないと思われていた刃傷沙汰、想定外での不手際、田沼意次の息子の斬殺事件も思い出す。
 大雪の静けさと事件の大きさの対照に思いを致すと感慨がわく。

よしながふみ『大奥』9
 映画化やドラマ化のせいなのか、8巻が出てからさほど経たず急ぎ気味に9巻。
 平賀源内は上記『風雲児たち』でも重要な役を担っていて、田沼意次とも懇意であったことは描かれていた。ところで源内の末路といえば、殺人事件で獄死なのだけど、男色絡みだとする説もある(『風雲児たち』では、設計図を盗まれたと誤解してということになっていた)。よしなが版ではばっちり同性愛者のようなので、やはりそのセンになるのだろうか。吉宗の血縁者たちの陰謀が絡むけど。
 オランダ語を学ぶシーンは、ああやはりドイツ語や英語と兄弟語なのだなと感じられて楽しい。ドイツ語には進行形がないけどオランダ語にはあるのか。
 意知を斬り殺す佐野善左衛門はやはり女なのか? 

『聖おにいさん』8巻
 ここのユダにジェイムズ君を連想する読者は私だけではないらしい。
 ボウリングとルターの関係について検索した人々もたくさんいたようだ。
 大江戸線の深さは、東京ローカルなネタだけど、よ~くわかる! 
 でも最も興味深く思ったセリフは、「本当のアイドルになれるかどうかは・・・・・・ あとは どうやって死ぬか次第だよね・・・・・・!」  これは歴史上の人物を考えれば納得できる。 

 ここで挙げた3作のうち、『大奥』は映像化されている、『聖おにいさん』はついに劇場アニメ化。 『風雲児たち』もテレビアニメにならんものだろうか。

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手帳選び

2012-12-01 08:43:58 | 雑記
 手帳に書いておかないといけないほどたくさんの予定はない。せいぜい、授業が何回あって回数券をどのくらい買うべきか勘定するとか、買う新刊の発売日を記入しておくとかその程度。だから、手帳はないならないでそれほど困るというものでもない、しかしやはり用意しておくのが常である。
 まず、特別好きなキャラものがあればそれを使う。ーーしかし、今回は「しばわんこ」も『ヘタリア』もない。
 では、店のサービス品があればそれにする。ーーもっとも、そういう店(私の心あたりは書泉グランデかプラザ)に行ったとしても、まだそのサービスがあったかどうかわからんが。11月も下旬ではすでに終わっていたかもしれないし。
 最後の手段として、ダイソー。もちろん、ふつうの品でも気乗りするデザインはいろいろあるのだ、しかし、ないならないでいい程度のものに金をかけたくない。
 で、先日行った。小さくて薄いものがいい。黒無地のあまりにそっけないものは気乗りしない。ディズニーが多いけどそれは絶対にイヤだ!  すると候補は3種類。 1、ピンクの花柄。2、テディベアふうの絵。 3、パリのエッフェル塔などのカット。
 1は、確かにピンクは好きな色であるし、これも決して幼稚すぎるタイプの色ではない、しかしできれば別の色のほうがいい・・・。
 2は、クマがたいしてかわいくない。
 3は、ーーなんでこういうデザインってパリはあってもベルリンじゃないんだろう、ブランデンブルク門ならば文句はないのに、せめてウィーンならいいのに。そりゃ、パリにだって興味はあるけどさ~~。
 1か3かしばらく迷った末に、1のピンクを選んだ。 まぁ、たいていの人は、ヒトが使ってる手帳なんてどうでもよかろう。もしかするとなにか私が加工を加えるかもしれない、ドイツの風景か柴犬の写真を貼るかもしれない。
 
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