11月も早くも半分過ぎた。11月といって頭に浮かぶ、『11月のギムナジウム』は萩尾望都の旧作。『トーマの心臓』の原型ともいえる短編。(萩尾さんに対して特にファンというわけではないけど叙勲は祝福する!)
長編ヒット作に、その前身・原型、前編が存在することはままある。
弟が少年サンデーを購読していた時期があるので読んだのだが、安永航一郎『県立地球防衛軍』(イメージアルバムも出たな、『元旦が来た』はウケていた)の前の『肉弾X』。
ジャンプでも、読み切りを載せてその反響で連載化ということはよくあるのだろう。『るろうに剣心』でもあった。 『スラムダンク』は、デビュー作の『楓パープル』が原型と言えるだろうか。(『カメレオン・ジェイル』に併録されている)
『セーラームーン』にとっての『セーラーV』もある意味そうかも。
ヒット作は、何回も違うバージョンで出しなおすことがよくある。そういう際に、上記のような関連作は収録されるのだろうか、それが気になる。
『スケバン刑事』は、『校舎は燃えているか?』という読み切りが先にあった。白泉社文庫にはいっていたのかは知らん。「新装版」には? アマゾンで見たら、『スケバン刑事if』に入っている。「if」は、もともとは「スケバン刑事second』という題で2作出た、パラレルワールドもの。
『あさぎ色の伝説』は、初めて掲載されたのは別冊マーガレットの読み切りで、しかし途中まで(「うちのしじみが売れた・・・こんなうれしいこと初めてや」まで)で中断したままで、あとで番外編の一つとして完成。しかし、最初の2ページ(タイトルページ以外)は多少の違いがあったのだ。作者自身が講釈師のように「お待たせいたしました ヒゲクマ初の時代劇ロマン、さて始めよう! 時は幕末ー-(略)血みどろの幕末にあって さわやかな笑顔を残した青年、その名は 沖田総司!」 「え? しじみ売りの佐平さんか」 これらを、数年前に出た『あさぎ伝』にもいれてほしかった。
その点、秋田書店から出た『Z(ツェット)』は、掲載当時のとじ込みピンナップや予告編などまではいっていてみごとなものだった!
「前身」ではないけど、川崎苑子『りんご日記』はもしもまた出る機会があるならば、事実上の続編・後日譚である『夢の入り口』を併録してほしいと強く思う。
関連作はなるべくまとめてほしい。逆に、長編の最終巻の穴埋めでまったく関係ない作品がはいっていることは歓迎しない。