レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

さいとうちほ画集 軍神ちゃん 大奥13

2016-05-21 16:59:20 | マンガ
 miwiのポイントで買い物券が発行されて、期限が5月中。私はこういう場合の買い物は、あとに残す品でないといけない気がするので迷ってしまうのが常である。

 さいとうちほ画集が出たので、この機会だからとそれを購入した。ハーレクイン系のものが数としては多い。アメリカの雑誌に載った『ウテナ』の絵が収録されるという点が珍しい機会であるようだ。
 ラノベ『ローゼンクロイツ』もある。
 まえにBOで入手した『ロマンス交響曲』(94年)だと藤本ひとみ作品のイラストが載っていた。『花冠のマドンナ』やワルツシリーズが中心と言える。
 これから20年以上経っているのでその間に多くの作品が出ている。『ウテナ』の画集もあるけど(見たことない)これにはたぶんウテナだけ、ほかの諸々はどうするのだろうか。21世紀になってからの一番の傑作は私は『ブロンズの天使』だと思うけどこれからは1篇しか載っていない。バレエものの『ビューティフル』は文字通りまさにビューティフルな絵にあふれていた。
 数年後にはまた画集が出てほしい。

 私がほかに持っているマンガ家の画集は、あずみさん、『セーラームーン』、『ヘタリア』。佐伯かよのさん。


 今月出た『ローカル女子の遠吠え』1巻by瀬戸口みづき(芳文社、まんがタイムスペシャル連載中)は、発売の3日後に地元書店で無くなっていたので注文。品切れで来週増刷が出る予定である。


 「まんがタイムファミリー」連載の『軍神ちゃんとよばないで』by柳原満月 は、謙信がぐーたらでひきこもりの女の子、でも周囲の誤解と運の良さのせいでまつりあげられてしまったという設定。武田に追われて助けを求めてきた村上義清がオカマキャラになっている。かつて『SENGOKU』を貸したマンガ友達が「戦国武将にオカマ言葉って妙にマッチしますね」とコメントしていたことを思い出す。あれでは武田父子がオカマだった(勝頼ときたらゴーカン魔だし服部半蔵が3回も○られている)。佐々木けいこの『信長君シリーズ』では家康がオカマ言葉だった。
 そして『軍神ちゃん~』では高坂が「男の娘」である。本人は男らしいつもりでいるけど。山本勘助は見かけが美少年である。
 落ち込み気味の虎千代が出会った青年「ハル」・・・ベタな展開だけどやはりこうなるのがお約束だろうな~。


 先月出た『大奥』13巻。中心キャラは阿部正弘(女)と13代家定(女)。12代家慶(男)は好色変態でいいとこなし、わざわざ「家慶編」と名付けるほどの存在でもなかった。
 老中の阿部は、美男だった、太っていたという史実があるので、女版がぽっちゃり美人であることは妥当なセンであろう。
 大河便乗の「篤姫」マンガ(さちみりほ)にも家定のカステラづくりは出てきたのでこれは史実か。(検索しても出てくる) 見てると食べたくなる~。上様、いちどくらい正弘にも食べさせてあげてねと言いたい。
 老中首座をのちに正弘から引き継ぐことになっている堀田は肖像に似せてある。
 セクハラおやじの水戸の斉昭は憎々しく登場。
 14代家茂は女ならば、和宮は男なのか。どんなキャラでくるのだろう。

 この作品では、男女が色気抜きで結びつく・協力しあう関係がたいへん好ましい(源内と蘭学者グループなど)。
 そして、主役級の本命カップルには子供がいないという法則がやはり生きている。
 カタブツの水野忠邦(女)が、男女の交わりは子づくりのための清廉なものだけに限るべき!と言っている時の、正弘の表情は賛成する様子ではなかった。作者の言う、人間は生殖のために生きているのではないというテーマの反映だろう。 

 
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なんとかソンの不適切

2016-05-14 15:58:37 |   ことばや名前
 某紀行番組のフィンランドの時に、ポルヴォーという町の説明で「スウェーデン王エリクソンの元で発展し」云々と出てきて引っかかった。なんとかソンとはなんとかの息子という意味で、こういうのが固定して姓になっていることがよくある。しかし昔の話だとそういう現代人のような姓とは違うのではなかろうか? 調べてみたところ、やはりスウェーデンに「エリクソン」とう「名前」の王はいない。

 ポルヴォーの町は1346年に設立されている。その時代のスウェーデン王はといえば

 マグヌス4世 1316~1374(在位1319~64) 父エリク・マグヌソン(マグヌス3世の次男) 母インゲボルク(ノルウェー王女)

ーーこれであろう。マグヌス・エリクソンという表記を見て、「エリクソン」を採用してしまったということであろう。

 名前というものは時に難しい。なじみのない世界の人については、はしょって呼ぶ際にどの部分を使うのが妥当なのかわからない。
 たまたま自分が知っているからといって人の間違いを軽々しく笑いものにしてはいけないのであると、私も心得るべきである、わかってはいる。

 でも、ベルばらを語るうえで、アントワネットとフェルセンを「マリーとハンス」なんて言い方はダサくてがまんならない。それではまるで太郎と花子じゃないか~!


21日に付記。
 沖縄の事件の犯人の「シンザト・ケネフ・フランクリン」は私の見た限りでは「シンザト容疑者」と書かれているけど、それでいいのか? 6人殺害の「ナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン」という名前も、どういう成り立ちなのか説明してほしい。「ナカダ容疑者」「ナカダ・ルデナ容疑者」で適切なのだろうか。

  
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赤ん坊は川を流れる その他

2016-05-07 12:05:01 | 
数か月の間にたまっていたぶんを放出する。ミステリーも純文も混ぜこぜ。


イエジィ・エディゲィ『顔に傷のある男』『ペンション殺人事件』  ハヤカワミステリ
 ポーランドの作品。邦訳もかなりまえのこと。それぞれ単発もの。
 前者は、田舎での連続強盗事件に挑む話。勇敢に戦った過去はあるけど学歴がないので出世しにくい刑事が手柄をあげようと張り切る。試験をまえに数学に苦しむついでに冗談で編み出したヘアスタイルが村でヒットするという脇エピソードが和む。「パリ」がブランドになってしまうのは昔の東欧も同じなのか。
 後者は、舞台はスウェーデン。高級ペンションで常連客の大会社の持ち主である婦人が殺された。彼女は元々ポーランド人で、アウシュヴィッツにいた過去があるという。当時そこにいた戦犯を最近発見して、ほかの証言者を探していたらしい。
 有名古典ミステリーを連想する点がある。だから非難しているわけではない、念のため。


『回想のブライズヘッド』 イーヴリン・ウォー  岩波文庫上下巻
 大戦中、画家はある貴族の領地に駐屯するが、そこはかつて訪れたこともある、学友の故郷だった。連想するのは『失われた時を求めて』と『桜の園』。


『デイジー・ミラー  ねじの回転』 ヘンリー・ジェイムズ  岩波文庫
  光文社古典新訳文庫の『ねじの回転』は市内の図書館になくて、別のがあるので借りてみた。貧しい牧師の娘が、金持ちの独身男の姪・甥の家庭教師として雇われた(よくある話)。たいへん美しい子供たち、しかし前任者の不審な死、行方不明の従僕の怪しい品行、彼らの幽霊の気配。


『赤ん坊は川を流れる』 エルスベツ・イーホルム  創元推理文庫
  デンマーク産。わりに新刊。
  離婚と引っ越しをしたばかりの記者ディクテは、40才の誕生日をオープンカフェで友人2人に祝ってもらっている時に、桶に入れられた赤ん坊が川を流れていくのを目撃する。彼女は川にはいって拾いあげたが赤ん坊はもう死んでいた。友人の一人イーダ・マリーは出産間近の身であり、もう一人アネは助産師。アネの職場でイーダ・マリーは出産するが、赤ん坊は行方不明になる。川の赤ん坊はムスリムの少女である疑いが濃厚であり、人種問題にも影響しかねない。
 それぞれの日常の悩みも大いに重要な要素を占めている、こういうのは「フェミクリミ」というジャンル名で呼ばれるそうである。


『墓地展望亭  ハムレット』 久生十蘭 
 岩波文庫の新刊。
 『墓地~』、有閑青年が倦怠で自殺しようとしていたが、謎の美女と一夜の恋をしたことから彼女を忘れられずに運命が転変する。
 『ハムレット』、素人芝居でハムレットを演じていた名家の青年が、上演中の事故で死にかけて、命はとりとめたが気がふれていた。その仲間が世話に雇われて、ただならぬ事情に気がつく。 
 久生十蘭は初めて読んだけど、奇妙な味わいで面白い。残グリ向きの話てんこもり。


『極夜(カーモス)』 ジェイムズ・トンプソン 集英社文庫
 アメリカ人でフィンランド人と結婚して当地に住んでいる作家がフィンランドを舞台にしたミステリー。作中では男女逆で、フィンランド人の男カリ・ヴァーラがアメリカ人の妻と共に北部のラップランドの田舎町で警察署長をしていた。2作目で首都のヘルシンキに舞台が移った。ミステリーという枠に文化摩擦の要素もあり、家庭のトラブルも抱え込み、やがてアウトロー的な方向になり、新たな出発か?というところで(4冊出た)作者の急死により中断した。「俺たちの戦いはこれからだ」エンドに見えなくもない。
 スピンオフらしい作品も出ていたということである。


「アジアミステリリーグ」
「推理作家一覧」

ソフィ・オクサネン『粛清』
 上記サイトで紹介されていたけど、ミステリーかというとかなり疑問。
 こんな題だけど恐ろしい話というわけではない。
 ロシア、ソ連、ナチスドイツ、いろいろな他国の支配を受けてきたエストニア、その小さな村の老女アリーダが見知らぬ若い娘ザラを拾う。男に追われているらしいザラの持っていた写真には、若いころのアリーダと姉が写っていた。かつて、アリーダの恋した青年ハンスはアリーダの姉インゲルと結婚したが、ハンスは愛国者として反ソ活動で追われる身となる。アリーダは、むしろハンスをかくまう目的で、ソ連寄りの男と結婚にこぎつける。しかしインゲルとその娘は捕らわれてソ連に送られてしまうのだった。
 現在と過去の話が交差しており、現在が90年代で、チェルノブイリ事件もちらついてくる。


アルネ・ダール 『靄の旋律  国家刑事警察 特別捜査班』 
 立てこもり事件で手柄はたてたものの問題行動とされてクビになりかけた刑事が、特別捜査班に引き抜かれる。ほかにもどこか変わった面々が集められている。
  集英社文庫で12年に出た。原著は99年。10冊でシリーズは完結しているというけど、いまのところこれだけである。
 シリーズものなのに1冊しか訳されないで終わるものはしばしばある。数冊で中断したり、間がとばされたり。原著じたいも中断ということだってもちろん多いのだろう。
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ルパの今月パン

2016-05-01 13:17:09 | 雑記
 5月の開始。

 月初めの楽しみの一つはベーカリーの新商品。
「ルパ」
このHPは新商品のお知らせが遅いことがしばしばあるが、現在はもう5月ぶんが載っている。今朝はまだだったけどな。 5月に「北海道フェア」はもはや恒例のようである。都合で今日はまだ買っていないけど、ほとんど気乗りする。
 やってみたいこと、ただし、できないことではないけど思い切りや機会がいること、--といって私が挙げることの一つが、ベーカリーで食べたい品を全部試すことである。もっともルパの場合は長いこと行っているので、食べたい品はあらかた試してしまっているけどな。別の近所の新しい店に行ったときに強くこの願望を意識する。
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