レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

バルザックに木原さんの挿絵

2019-10-28 10:26:57 | 
『バルザック 三つの恋の物語』
 国書刊行会の新刊。アマゾンからの宣伝で知ったのだろうか。
 訳者・安達正勝氏の前書き「この本は、フランス文学の巨匠バルザックの小説を絵本にするという、本邦初の試みである。今年で画業五十年となる木原敏江さんにすばらしいイラストを描いていただき、DVD大好きなバルザックの本をこのような形で世に送り出すことができたことは望外の喜びである」
 恋愛心理の微妙さや怖さを感じさせる短編に、美しい絵がつけられている。ソフトカバーでA5変形というのだろうか、カラーも多くて2400円+税、ページは少なめ、ちょっと贅沢な本。
 (地元図書館でリクエストして買ってもらえたよ、ありがとうH本図書館!)
 自分では買わないで言うのもなんだけど、これが好評ならば、この手の企画が続くのだろうか。画業50年レベルとなると、ほかに大和和紀、里中満智子といった名前が挙がる。そういうベテランと古典作家の組み合わせ、ヘッセならば萩尾望都、竹宮恵子、池田理代子、描きたそうなマンガ家は多い。30年くらいならば、さいとうちほ+プーシキンが合いそう。川崎苑子、市川ジュンとモンゴメリならば、(メジャーでないけど)あずみ椋+アンデルセン となれば私も確実に買うぞ! 劣化するまえならば、森川久美+ゲーテのミニョンも見たかった。
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『貧乏お嬢さま』等

2019-10-20 14:02:05 | 
『1793』ニクラス・ナット・オ・ダーグ  小学館
 新刊。スウェーデン産。
 タイトルの1793という年号から連想するのはフランス革命のまっただ中ということ。しかしこの話の舞台はストックホルムなので、直接の関連はない、噂がちらっと出はするが。国王グスタフ3世が前年暗殺されたところである。
 退役軍人で名ばかりの「ひったて屋」(娼婦やチンピラを捕まえるのが仕事だが弱い者イジメに近いものがある)ミッケルは、浮浪児の知らせで、川に浮かんでいた惨殺死体を発見する。警視総監の友人ヴィンゲはその事件の捜査に載りだす。ヴィンゲは有能な法律家だが結核で先が長くない。
 実に悲惨な過去が突きとめられるが、救いはある。
 三部作で続きもあるそうで、読みたい。


 リース・ボウエンの『英国王妃の事件ファイル』というよりも『貧乏お嬢さま』シリーズと呼ぶほうがわかりやすく適切ではなかろうか(#)と私は思っている、原書房の「コージーブックス」という文庫レーベルから出ているシリーズ、買って読んで図書館へ寄贈するのが常である。7月に出ていたのを気づかず、アマゾンからの広告メールでいまさら知った。同じ作家の別シリーズも。

『貧乏お嬢さま、イタリアへ』
 ジョージアナ・ラノクは、王室とも遠縁で王位継承権もわずかにあるけど貧乏なスコットランドの公爵家のお嬢さま。その恋人は、やはり貧乏なアイルランド貴族のダーシー、神出鬼没で、政府のスパイをしているらしい謎の男、前回は駆け落ち寸前までいったけど事件でとりあえず延期。
 この巻の舞台は1935年4月。ジョージィは親友が密かに出産をひかえているのでその見舞いでイタリアへ行こうとしていた。しかし王妃(ジョージ5世の妃メアリ)に依頼というより命令、近くでのイタリア貴族の屋敷のパーティーにデイヴィッド王子がシンプソン夫人と出席するらしい、もしや密かに結婚を済ませようとしているのでは?それを見張るようにというお達し。しかし例によって殺人事件。
 次の年36年は、ジョージ5世の死去、「エドワード8世」戴冠、そして退位、という怒濤の年、それはジョージィの身の上にも大いに影響してくるはず。すでに11冊目だし、終わりも近いのではなかろうか。

『巡査さん、合唱コンテストに出る』
 同じ作家の『英国ひつじの村』第3弾。ウェールズの田舎村での事件簿。
 「アイステズヴォッド」とはウェールズの伝統行事である、歌や踊りのコンテスト。歌い手が足りないので、巡査のエヴァンも駆り出される。指揮者の旧友である高名なオペラ歌手が加わってくれることになるが、彼はけっこうトラブルメーカーだった。そして遺体で発見された。
   カバーイラストが、うまくはないけどいい感じの絵である。マンガ化でもするならば遠藤淑子さんなどどうだろう(失礼な指名?)。

(#) とは言うものの、「英国王妃の~」となっているからこそ私も、どの王妃?いつの時代?と注目することができたので、やはり意義はあるのだろう。
 上記のように、買って読んで図書館へ、が常なのであるが、さあ今日持っていこう、と思っていたら今朝HPでチェックした「新着図書」にもう入っていた。出てから3か月経つしな。
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M区は広いから

2019-10-16 12:50:13 | 雑記
 ・・・・・・10月に台風なんて、みっともない!もう来年の手帳やカレンダーが出回っているというのに。
(季節はずれを「みっともない」というのはウチでの使い方である、かつて近所の生協の人が、「冬にプリンやゼリーがあるのはみっともない」と発言したことが意外でおかしかったので定着した。)

 周知のように、去る12日は台風が猛威をふるい、いまも各地に被害が残っている、収穫がだめになった様なんてなんとももったいなくて心が痛む。
 私の住むS市M区も土砂災害の様子がニュースに出てきたが、――うちのあたりはなんともなかったのである。停電も断水もない。お見舞い電話が数件あって恐縮である。
 強いて言うならば録画がなぜか途中で中断していたくらいか、これは台風のせいなのか、機器の古さのせいなのかわからん。『聖おにいさん』は明らかに放送中止で台風報道に替わったのだとわかるけど、特番の『日本に恋したゴッホ』『日本史の新常識4』は、HPを見る限りそういうわけでもなさそうである。
  「台風コロッケ」という風習がネット発で一部に存在する。うちではその2日前にたまたま作ってあったので、意図しないで台風コロッケになった。食事にもおかずにもなり、冷えても食べられるし、けっこう合理的なものかもしれない。
 昨日は授業に行ったが、小田急線は通常ダイヤよりも区間が狭かったり本数が減ったりの状態だった。
 明日使うのは別の路線だが、どうなっているだろうか。
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玉名の観光

2019-10-09 09:30:38 | 雑記
「玉名市」
「たまララ」

 町田駅の某所に、熊本地震への応援企画として臨時に出店があった。まもなく終了する。先週、私の生まれである玉名の品が出ていることに気がついて、クリアファイルを買った。市のキャラクター「タマにゃん」というネコ、いまひとつ可愛くない。デザインも、もう少し色使いは控えめなほうが私は好みであるけど、はっきりしているほうが向いているのだろうか。
 「日本マラソンの父のふるさと」金栗四三書として「体力 気力 努力」と、似顔絵が描いてある。
 金栗という人の名前は知っていたが、玉名の人とは知らなかった。『草枕』の舞台が玉名であることも10年ほどまえに初めて知ったくらいなので、マラソン関連ならあたりまえである(いばることでもない)。
 きのう、もうじき出店も終わりなのでもう一度寄ってみて、玉名のパンフをいろいろもらってきた。いつのまにか、観光にも力を入れていたのか。もう母方伯母も故人で行く機会もほぼなくなったが、もし行くならば、草枕交流館はまた訪問したい。
 いくら「マラソンの父」縁の地であってもマラソンはしたくないけどな!
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『超ビジュアル!世界の歴史~』

2019-10-04 07:10:12 | 歴史
「超ビジュアル!世界の歴史」
『超ビジュアル!』が頭につく『世界の歴史人物事典』と『世界の歴史大事典』を借りてみた。西東社。内容上のダブりも多く、イラストレーターもほぼ同じだろう。
 『人物事典』で、
「歴史を動かしたイケメン!」は、1.ケマル・アタチュルク 2.ラファエロ 3.ブラームス
 美男であることには反対しないが、「歴史を動かした」なんて言っていいのはケマルくらいだろ。音楽家ならばフランツ・リストのほうが上だろ。
 「絵画に描かれた美女」は
1.シシィ 2.マリア・テレジア(少女期)3.ベアトリーチェ・チェンチ
まあよかろう。私はマダム・レカミエを推したい。
 これらの本、隅々まで読んだのではないが、エカテリーナをポーランド出身と書いてあることには異議を申し立てる。確かに現代の地図ならポーランドになる地域であっても、当時はプロイセン領だったのだからドイツ人扱いでよかろうに。ポーランド分割のニュアンスも違ってきてしまう。

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くわた屋その他

2019-10-01 16:30:44 | マンガ
名香智子『マダム・ジョーカー』23巻
 巻頭に主要人物の相関図が載っていて、これら15人は美男美女ぞろいである。そしてフィクションとしてわかりやすく、血縁者ははっきりと似た顔をしている。
 主人公蘭子さんの系列は、息子の十蘭、蘭奈、再婚して産んだ蘭丸。
 再婚相手の斎と母の蔦さん。
 桜庭幸男→一人息子の朝人→隠し子(?)の東条嵐士→薫
 (載ってないけど)藤原貴子→百合子→莉菜
 朝人の妻・桐葉→響子
 幸男の妻で朝人の母である清子のみ似た人がいないけど。
  遺伝子といえば、蘭奈の高校の同級生の母でゴリラみたいな人がいたけど、娘はきれいだし姪は女優だし、あそこの血統はどうなっているのだろうか。
 

桑田乃梨子『くわた屋食堂』 幻冬舎
 焼き鳥、ビール、お弁当、おでん等、日常的な食べ物を話題にした友達やカップル(未満)のつきあい風景。
 あちこちの焼き鳥食べ比べ、私もやってみたい。
 ついでに言えば、『888(スリーエイト)』でやっていた「室内ピクニック」というものが楽しそうでやってみたいとまえから思っている。


秦 和生(はた かずき)『カイニスの金の鳥』1巻 イースト・プレス
 19世紀初頭の英国、田舎の牧師の娘リアは小説を書く。しかし女が書くことは認められていない、それでリアは、男名前で出版社に原稿を送り採用される。男装してロンドンに出たリアは「アラン」として、同じく作家のマイルズと意気投合して同じ下宿に住むことにした。
 意識の高い娘でありつつ、ふつうの女を見下しているわけではなく、娼婦たちにも蔑視がないのがいい感じである。
 ネット上の連載を2回目くらいまで読んだあとしばらくご無沙汰していたら単行本化がさっさと決まったのはめでたいことである。
「マトグロッソ」

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