レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

ラシーヌのローマ史もの

2008-02-27 15:01:59 | ローマ
 岩波文庫から、新刊『ブリタニキュス  ベレニス』が出た。17世紀フランス古典主義の悲劇作家ラシーヌのローマ史素材の二つ。
 前者は、クラウディウスとメッサリーナの息子で、アグリッピナにより後継者の座を奪われ、さらにはネロに殺されたブリタニクスがタイトルロール。しかし、当然想像されるように、いまひとつカゲが薄い。いちばん目立っているのはアグリッピナだろう。 作者は、ネロをそもそも「怪物」として解釈しているので、まだ治世の初期であるけどすでにその萌芽をちらつかせている。
 フランス文学だからやむをえないけど、人物名がフランス語式の表記なので、だれだそれは、という感じもする。しかしな、「ネロ」が「ネロン」はまだいいとして、(セリフにしか出ないけど)「オト」が「オトン」はいかがなものか。「おとん」・・・。
 『ベレニス』はもちろん、ティトゥスとベレニケの話。コンマゲーネーの王アンティオコスが絡んでの三角関係。公と私の葛藤というのはよく出てくるテーマだ。
 
 1回通読しただけで書いているので、ほとんど紹介だけ。
 戯曲自体は本の半分しかない。ユリ・クラ朝の系図は見ないでもわかるぞ、ははは。
 せっかくの岩波文庫だし、題材に関心のある人はぜひ読もう、と宣伝しておきたい。
 どうせなら、同じ時代のコルネイユの『シンナ』も出してもらいたいものだ。
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31でスヌーピー

2008-02-24 08:59:50 | 雑記
「31アイスクリーム」で、1月あたりから3月まで、スタンプ30枚でスヌーピーのトートバッグかレジャーシートのプレゼントをしている。100円でスタンプ一つ。そこまでたまるかなーと思っていたけど、とあるきっかけで6個パックを買ったら一気に10になったので、これならあとは簡単、と思い、先日たまった。トートバッグをもらった。けっこう大きい。内ポケットもついている。
 
 スヌーピーは、私はまとまった読み方はしたことがない。絵としてけしてキライではないし、わりに可愛いと思う。上記バッグを使うことにやぶさかではない。
 それにしても、トートバッグは充分持っているのに、また増やしてしまった・・・。レジャーシートはいらないしな。
 
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歴史美形投票結果

2008-02-22 19:26:12 | 歴史
「センタク」の結果発表です。

私が立てたのではないけど関心を持っていた「世界の美人といえば?」

1 マリア・テレジア ...16.2% 294票 10件
2 ネフェルティティ ...15.4% 279票 1件
3 エリーザベト(シシィ) ...15.3% 278票 2件
4 クレオパトラ7世 ...13.7% 249票 -
5 エリザベス・テーラー ...6.5% 119票 2件
6 オクタヴィア ...5.2% 94票 3件
7 小野小町 ...5.1% 92票 -
8 楊貴妃 ...4.3% 78票 -
9 前田有紀 ...3.4% 61票 2件
10 中島みゆき ...3.3% 60票 1件
11 リュウイーフェイ(劉亦菲) .. 35票 1件
12 リウィア・ドルシラ 27票 1件
13 ジゼル・ブンチェン 17票 -
14 ドンジエ(董潔) 14票 -
15  12票 ヘレネ リア・ディゾン 研ナオコ 細木数子
19 ファビオ・カミーリョ・デ・ブリト 9票 -
20 グレース・ケリー 8票 -
21 ソフィー・マルソー 7票 -
22 市川寛子 5票 -
23 4票 上戸彩 小雪 滝川クリステル
26 3票 アルマ・マーラー ダイアナ妃 マーサ・タ・カハシ
柳原可奈子 柴咲コウ 河野洋子 高樹沙耶  高橋愛
34 2票 アリゼ 仲間由紀恵
36 1票 ベナジル・ブット 八代みなせ 前田亜季
39 マーサ・ス・ドー 0票 -
計 1817票 計 23件


 私の立てた「マニアの選ぶ歴史美男」、後世の創作や単なるイメージでなく、史的根拠のある人を選ぼうという趣旨でした。リンクしてくださってた「ゆめうつつ館」さん、「座・乱読」さん、ありがとうございました。
1 アウグストゥス 146票 -
2 周瑜公謹 .71票 -
3 土方歳三 . 51票
4 チェーザレ・ボルジア 41票 -
5 孫策 .. 39票 -
6 源頼朝 . 33票 -
7 ドルスス 28票 -
8 上杉景虎(北条氏秀) 18票 -
9 高坂昌信 .. 16票 -
10 ルートヴィヒ2世 在原業平 . 12票 -
12 レオナルド・ダ・ヴィンチ 11票 -
13 アンティノオス 潘岳(潘安) 10票 -
15 ゲルマニクス 藤原時平 9票 -
17 アレクサンドロス クレメンス・メッテルニヒ 8票 -
19 アンリ・ド・ラ・ロシュジャクラン
     サン=ジュスト シャー・イスマーイル
 ムハンマド(マホメット) 田沼意次 織田信長 7票 -
25 ジェリコー 陶晴賢 6票 - .
27 源義経 5票 -
28 白洲次郎 4票 -
29 伊藤博文 沖田総司 近松門左衛門 3票 -
32 ユリウス・カエサル 名古屋山三郎 1票 -

  そして、ここで広告はしてませんでしたけど、「根拠なく美形化される歴史人物」、上と逆に、史実かどうか無視して美形に描かれることの多い人たち。

1 源義経 . 43票
2 沖田総司 . 26票
3 ジャンヌ・ダルク 13票 -
4 小泉純一郎 . 8票 -
5 佐々木小次郎 . 4票 -
6 森蘭丸 聖母マリア 3票 -
8 キリスト 聖徳太子 2票 -
10 卑弥呼 福沢諭吉 1票 -
12 坂本龍馬 0票 -

 なんだかヘンなのも混じってますが。

 投票くださった方々ありがとうございました
コメント (3)
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探偵オルコットとレオナルド

2008-02-20 06:15:25 | 
 歴史上の人物を探偵役にしたミステリーは多い。
 最近「創元推理文庫」から出た、アンナ・マクリーン『ルイザと女相続人の謎 <名探偵オルコット 1>』。オルコットというのはもちろん、『若草物語』等の作者ルイザ・メイ・オルコット。本格デビューまえのルイザが出会う事件。この話は、新婚旅行から帰ったばかりの親友がなにか不安を抱えているらしく、それを打ち明けられないまま死んでしまう。、まずは夫が怪しまれて密告の手紙で逮捕される。しかし、兄にも動機がありそうだし、ほかの身内とも関係は良好ではなかった様子。
 19世紀半ばのボストン、中流階級の婦人たちの不自由さとそれに対する抑えた反抗心が作品のそこここに反映されている。歴史ものに現代の感覚を持ち込み過ぎると抵抗を感じることもあるが、この作品の場合はたぶんオルコットの心にもかなっているだろう。
 三雲岳斗『旧宮殿にて  15世紀末、ミラノ、レオナルドの愉悦』 光文社文庫の新刊。こちらは副題の通り、探偵役はレオナルド・ダ・ヴィンチ。ミラノの宰相ルドヴィコ・イル・モーロの友人として大きな顔したレオナルドが、彼や、その庇護下にある才色兼備の令嬢チェチリアの持ってくる奇異な話の謎を解いてみせる。
 同じ趣向の長編『聖遺の天使』でも、この短編集でも、レオナルドの初登場でたいていは「美しい男なのである」が出てくるのにはなんだか笑ってしまう。その周囲の描写を、ところどころ言葉を入れ替えて尊厳者に使いたいものだ、と私は当然思うのだった。
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サル団子

2008-02-17 07:18:01 |   ことばや名前
 先日ニュース番組で、「サル団子」という言葉が出てきた。どこぞの動物園で、寒いからサルたちがくっついている、それを「サル団子」と呼ぶそうだ。しかしこのサルたちがくっついて退屈して、毛をむしってしまう。病気ではないけどケガしやすくなるので、飼育係の人はなんとかこのサル団子にならせまいと四苦八苦。サルに愛を持っていることが伝わってくるエピソードだった。
 私の使う「柴犬」カレンダーでも、犬がくっついている様子はたびたび出てくる。「イヌ団子」という言葉はないのだろうか。イヌは相手の毛をいじるという習性はなさそうだけど。 イヌ団子状態はたいへん可愛い。
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さらば「用心棒」の旦那がた

2008-02-11 13:30:47 | 新選組
 本日、時代劇チャンネルでの「栗塚特集」が終わった。『俺は用心棒』(「新」のほう)が最終回を迎えた。『天を斬る』のラストは、終わりらしくいちおうのカタをつけて 
いたけど、こちらはまたひょっこりと再開がありうるようなラストだった。いつものように、どこへともなく去っていく。
 最初の『俺用』は、新選組や見廻組が出ていたりして幕末という背景が意識されていたけど、『新』はわりあいそれが稀薄だ。
 私がこれらの作品で最初に大部分見たのが『天を斬る』で、あれはアンハッピーが主流だったので、その点『用心棒』シリーズのほうがハッピーエンド率が高い。その点で際立っているのは20話『廻り灯篭』、ーー小さな旅籠の女将が、贅沢で見栄っ張りな舅の世話をしながら健気に働いている。そこへヤクザになった夫が帰ってくるーー悪い奴らはみ~んなやっつけられて、善良な人々は幸せになって、実に爽快だった! 忠義なじいさんの役の人も、たびたび出てくる顔だ。
 だいたい、配役に並ぶ名前に数えるくらいはお馴染みさんがいる。
 22『ひぐらしの鳴く町』で主人殺しの疑いのかかる実直な手代の役だった大丸二郎は、『燃えよ剣』の『鬼の通る町』で、源さんのはからいが仇になって切腹した隊士。『天を斬る』には2回、『帰ってきた用心棒』では『丁半の符号』にゲスト。いかにも、だまされるような感じの顔だ。中学のときの担任の先生(新選組ファンだった)に似ているので、見るとなんとなく懐かしい。
 旦那がたトリオで、野良犬(この名前は最初の『俺用』のあと出てこない?)の旦那は用心棒、万平は宿で料理や雑用をして勘定を待ってもらう芸があるけど、・・・その点田島くんは稼ぐ力があるのか。いちばん、あやしく見えないのが特技といえば特技か。
 たいへん「キャラ立ち」した物語群なので、見やすいところで放映されたら同人誌を生むタイプだろう。
 再放送の予定はあるらしい。

 ありがとう旦那がた、出演者製作者の皆さん! もう少なからぬメンバーが鬼籍に入ってるけど、作品は語り継がれていくとも!
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きのうは雪

2008-02-10 08:09:37 | 雑記
 今朝は積もっている。よりにもよって、こんな日に入試の人々はたいへんだ。大きなトラブルなくすむといいね。
 私は、本来コンサートに行くつもりもあったのだけど、やはり家にいることにしよう。約束してるわけでなし。
 冬らしさは続くけど、文房具売場では桜の絵のハガキ等が並ぶ。「しばわんこ」レターセットには春夏秋冬まとめて描いてある品もある。サクラの絵の品も持ってるし、さしあたっては新しいの買うことはガマンしておこう。
 
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苦し紛れのドイツカテゴリー

2008-02-08 14:21:08 | ドイツ
 新聞に、ドイツ文学者で文芸評論家で翻訳家の川村二郎さんの訃報が載っていた。合掌。
 私の見た読売の記事では、翻訳として『ウェルギリウスの死』の名が挙がっていた。私にとってもまずこれである。実のところ、ヘルマン・ブロッホのこの長編は、ずいぶん難解で私は理解したとは言えないのであるけど、--アウグストゥスを美しく描写してあるので気分が良い。四十路を越えながら25才このかた変わらぬ、とか、ほとんど可愛らしいといってもよく、とか、あいかわらず少年のような、なんて。史実をいえば、このとき44歳になろうとしていてもう孫がいるのに、それで可憐な美少年のようだというのか。
 (これについて、ここのブログで前に書いたような気がするけど、「ローマ」カテゴリーを読み直しても出てこない。もし別のところにあれば、--私が言わずにいられないのだと納得してもらうしかない) 
 あの本は図書館で借りただけである。復刊したら買う。
 たしか、アイヒェンドルフの『のらくら者』の訳もこの川村さんにはあったはず。ほかでも読んだに違いない。

 ドイツ語の翻訳といえば、去年、『捕虜』という本が学研M文庫から復活して嬉しい、と書いたけど、いまは、かつてソノラマの航空戦史シリーズで出ていた『不屈の鉄十字エース』も同文庫になっている。東部戦線で活躍した「黒い悪魔」(なんて名前は黒い機体のせいで本人は金髪、童顔、通称「ブービ(坊や)」ことエーリヒ・ハルトマンの伝記。では、『砂漠のキツネ』もリクエスト!

 いま、週替わりのドイツのカレンダーは、謝肉祭の様子として、ミノムシのような衣装をつけた道化が映っている。さそかし寒いだろう。その寒さの中でせめてもの気晴らしで騒ぐのだろうな。
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『ロンリーウルフ』

2008-02-06 14:09:42 | マンガ
『俺は用心棒』を見ていて、なんだか思い出すマンガ。

作者:新子友子  これは姓名ではなくて「新子」と「友子」姉妹。
確か、『ミステリオン』目当てで角川の「ミステリーDX」を購読していたころに載っていたのだった。北村夏(元・川崎苑子)目当てで「さくら」を買っていたときに、ひところ「あおば出版」のレディコミ誌にちょこちょこ再録があって嬉しかったものだけどいまはどうなっているのだろう。
 タイトルロールである「ロンリーウルフ」は、「一日一善」をモットーとする、自由を愛するさすらいの男。トレンチコートにタバコ。舞台は日本であろうけど、幼稚園児のころにも「ロンリーちゃん」と呼ばれている謎の存在。
 おかっぱ変形のような髪型。「鉄のクラウス」を、馬面でなくして、淡白で可愛さほどほどの少女マンガ絵にしたような感じ、と言ってどの程度通じるか、いや当たっているのか?

 あるとき、年寄り夫婦のやってるラーメン屋でツリ銭がなかったので、その代わりにもらった宝くじ、それが2億円あたっていたので、現金をリュックに背負って、ツリ銭を引いただけの1億9999万9700円を、差し押さえにあっているその店の夫婦にボンとおいてくるーーという話があったのだ。
 この欲のなさ、荷物ゼロ身一つの旅というありえなさという点で、『用心棒』シリーズの旦那がたを見ていて連想するのだった。

 単行本は、角川からA5とB6で同じ『ロンリーウルフ』の題で出ていたけど内容は違う。わかりにくいな。

 これ、書いたことがあるような気がするけど、検索しても出てこないので気にしないで投稿。
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鯨統一郎

2008-02-03 08:31:10 | 
 最初に知ったのは、まっち~さんとこのブログで紹介されてた『タイムスリップ森鴎外』だった。鴎外が現代日本にタイムスリップして、オヤジ狩りにあってるところを通りがかりの女子高校生麓麗(ふもとうらら)に助けられる。 そうか、タイムスリップものといっても、むこうから現代に来るという設定もアリか、と新鮮だった。鴎外が『燃えよ剣』を「面白い」と読んだり、宮部みゆきでうるっとしたり。文庫にもなってるけど、ノベルス版のカバーイラストのほうが断然いい。トレーナーにジーンズ、片手をポケットに入れて片手でケータイをいじってる、顔は教科書でお馴染みの鴎外、あれでもう半分勝ったも同然。
 姉妹編である『タイムスリップ明治維新』では、うらら再登場。新選組ファンとしてはいささか不愉快な場面ありだけどね。
 『タイムスリップ釈迦如来』、オカマのブッダのセリフで『天空戦記シュラト』のレイガつまり井上和彦の声が浮かんでおおいにハマる。クライマックスでは、ブッダの一行がアテナイに行って、ソクラテスを弟子にしようと対決。それぞれの主張を劇にして観客にウケたほうが勝ち。 なぜか現代のギャグ満載。「ババンババンバンバン 汝自身を知れ!」は大笑い。
 歴史絡みのミステリーがしばしばあるという点では柳広司と共通だけど、クジランーー鴎外を「モリリン」、ブッダを「シーちゃん」なんて書いてるのだから、私が勝手にこう書いてもよかろうーーのほうがお笑い要素が強い。
 『九つの殺人メルヘン』は、グリムメルヘンの新解釈を絡めた連作。各話のしめくくりが「ネズミの鳴き声」であるあたり芸が細かい。「メルフェン」という表記はドイツ語発音表記の一般的ルールからいってヘンだけど。--と思っていたら、あとで出た姉妹編『浦島太郎の真相』(同じキャラたちでこちらは日本の昔話が題材)では「メルヘン」に統一されていた。指摘があったのだろうか。
コメント (2)
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