さて『Antony』。語り手はアントニウス本人と、そして語りを記録しているギリシア人秘書のクリティアスの二重構造です。もう最期も近いころからの回想(これは『カエサル』と同じ)で、その追憶はカエサル暗殺後に始まるので、その点『アウグストゥス』の前半と重なっってます。しかし、同じ事柄を語っているのにスレがある度合いはこの2冊(AuとAnt)がいちばん大きい。なんといってもオクタのキャラがすごい。可憐なまでの容姿と、臆病さと、粛清の冷酷さと、それでいて「少年のような魅力」で接してくる、媚態とすらいえる態度(ひえ~~)。クリティアスは、「本当に主を魅惑していたのは、クレオパトラではなくオクタヴィアヌスだった」と言い切ってます。そんなだから、「アウローラのように美しい」オクタヴィアが弟によく似ていることは「当惑」かつ「魅惑」と受けとめられるのです。登場する女たちの中で最も美しくて誠実なのは明らかにオクタヴィアです。 その妻を捨ててクレオパトラに(パルティア遠征の援助を求めるためと言ってますが)再びはしってしまい、決定的にオクタ(それまでにもなにかと悶着はあったけど)と決裂して言い訳するアントはまるで、浮気を重ねて離婚届け残して出て行った妻となんとかよりをもどそうと悪あがきする男のよう・・・
さて、以前ここで『アウグストゥス』報告をしたとき、「一番驚いたこと」はここでは書けないと伏せていましたが、暴露します。『カエサル』で言及した「イスパニアでの凶行」とはーーアントニウスにオクタが襲われてます。最初に出てくるのはAuでのこと、BC23に大病で死にかかったことは史実ですが、うなされてる時にかつての悪夢が蘇るという文脈で。彼の天幕に酔ったアントニウスが乱入してきて、抵抗むなしく奪われたという事件がたいへんトラウマと化しております。いったいどういうつもりなんだアントニウスめ、と当然気になってきます。
次のTでは当然このことは出てきません。
Cでは、議論の席でオクタに負けて、カエサルもそれに同調したことでアントが腹を立てたことがきっかけのような感じでした。この犯行のあとでオクタは泣いてデキのことろに来るのですが、デキはそのまえにアントから、オクタがカエサルの愛人だと吹きこまれていていて疑惑と嫉妬にかられていたので冷たくあたります。かわいそう・・・と怒った私は、続く場面でローマに帰ったデキが妻の不貞現場にかちあうのがザマミロでした。
そしてこの事件についてAntでは、こういう噂がある、と秘書がコメントしています。・・・知られていたのか。
3作での描き方のくい違うところはあって、『Au』ではオクタの複雑な片想いのように見えて、『C』ではアントがいじめていて、『Ant』では逆にアントがまるでファム・ファタルのようなオクタに翻弄されています。想像を多少補えば、アントはオクタを意識していた、オクタはアントの馴れ馴れしい粗野な態度に反発と魅力を感じていた(知性は明らかに評価してないあたりが笑えるのですが)ということになりそうです。オクタの「カップリング」相手候補のうちで、しゃくにさわるけどアントが一番見栄えがするんですよね、絵になる組み合わせでしょう、こういう「カップリング」が「デフォルト」になるのはすごくイヤですけどね、なんといっても正統派は(自主規制)
まっしーレポはこれで一区切りします。
さて、以前ここで『アウグストゥス』報告をしたとき、「一番驚いたこと」はここでは書けないと伏せていましたが、暴露します。『カエサル』で言及した「イスパニアでの凶行」とはーーアントニウスにオクタが襲われてます。最初に出てくるのはAuでのこと、BC23に大病で死にかかったことは史実ですが、うなされてる時にかつての悪夢が蘇るという文脈で。彼の天幕に酔ったアントニウスが乱入してきて、抵抗むなしく奪われたという事件がたいへんトラウマと化しております。いったいどういうつもりなんだアントニウスめ、と当然気になってきます。
次のTでは当然このことは出てきません。
Cでは、議論の席でオクタに負けて、カエサルもそれに同調したことでアントが腹を立てたことがきっかけのような感じでした。この犯行のあとでオクタは泣いてデキのことろに来るのですが、デキはそのまえにアントから、オクタがカエサルの愛人だと吹きこまれていていて疑惑と嫉妬にかられていたので冷たくあたります。かわいそう・・・と怒った私は、続く場面でローマに帰ったデキが妻の不貞現場にかちあうのがザマミロでした。
そしてこの事件についてAntでは、こういう噂がある、と秘書がコメントしています。・・・知られていたのか。
3作での描き方のくい違うところはあって、『Au』ではオクタの複雑な片想いのように見えて、『C』ではアントがいじめていて、『Ant』では逆にアントがまるでファム・ファタルのようなオクタに翻弄されています。想像を多少補えば、アントはオクタを意識していた、オクタはアントの馴れ馴れしい粗野な態度に反発と魅力を感じていた(知性は明らかに評価してないあたりが笑えるのですが)ということになりそうです。オクタの「カップリング」相手候補のうちで、しゃくにさわるけどアントが一番見栄えがするんですよね、絵になる組み合わせでしょう、こういう「カップリング」が「デフォルト」になるのはすごくイヤですけどね、なんといっても正統派は(自主規制)
まっしーレポはこれで一区切りします。