ちくま文庫の『小泉八雲コレクション』の『妖怪・妖精譚』。
ハロウィンということで、いま幽霊話を読むのも季節に合っているはずだーーというわけで、図書館で借りた。うちに持っている新潮文庫の『小泉八雲集』とかなりダブリはある。
『鮫人の恩返し』、まえに読んだときには気がつかなかったけど、男に設定してある「鮫人」が涙を流して、それが宝石に変わるというのはけっこう珍しい気がする。それが、恩人である青年が長者の娘に結婚を申し込むために役立つというのも、なんだか倒錯しているのではと、『人魚姫』など念頭にあると思う。アンデルセンのほかの作品でももっと残酷な結末の話があったので、八雲のこれはずいぶんめでたく見える。
人間の男が、人外の、あるいは亡霊の美女と恋をして、逃れるまたはとり殺されるという話は多い。それに比べると、性別逆の話ってあまりない?『さまよえるオランダ人』などはその例か。
キリスト教によって悪魔扱いされてしまった存在に対して愛着を覚えるという点で、ハイネと共通点を感じる。(ハイネも日本に来ていたらいろいろと面白い物語を発見できたろうか)
『怪談』といえば、『むじな』が有名。ヤマザキマリさんのエッセイマンガによると、イタリア人にとっては、のっぺらぼうなんて笑いの対象になってしまうらしいが、ほかの国の人々はどうなのだろう。ハーンの場合は、個人的な幼児体験に根ざした恐怖のようだけど。
女子高の修学旅行で松江に行き、そのための予習として英語・現国・古文の時間を使って『吉備津の釜』や『菊花の約』を読んだので、ハーンに対してはそれなりの義理と愛着を感じている。
ハロウィンということで、いま幽霊話を読むのも季節に合っているはずだーーというわけで、図書館で借りた。うちに持っている新潮文庫の『小泉八雲集』とかなりダブリはある。
『鮫人の恩返し』、まえに読んだときには気がつかなかったけど、男に設定してある「鮫人」が涙を流して、それが宝石に変わるというのはけっこう珍しい気がする。それが、恩人である青年が長者の娘に結婚を申し込むために役立つというのも、なんだか倒錯しているのではと、『人魚姫』など念頭にあると思う。アンデルセンのほかの作品でももっと残酷な結末の話があったので、八雲のこれはずいぶんめでたく見える。
人間の男が、人外の、あるいは亡霊の美女と恋をして、逃れるまたはとり殺されるという話は多い。それに比べると、性別逆の話ってあまりない?『さまよえるオランダ人』などはその例か。
キリスト教によって悪魔扱いされてしまった存在に対して愛着を覚えるという点で、ハイネと共通点を感じる。(ハイネも日本に来ていたらいろいろと面白い物語を発見できたろうか)
『怪談』といえば、『むじな』が有名。ヤマザキマリさんのエッセイマンガによると、イタリア人にとっては、のっぺらぼうなんて笑いの対象になってしまうらしいが、ほかの国の人々はどうなのだろう。ハーンの場合は、個人的な幼児体験に根ざした恐怖のようだけど。
女子高の修学旅行で松江に行き、そのための予習として英語・現国・古文の時間を使って『吉備津の釜』や『菊花の約』を読んだので、ハーンに対してはそれなりの義理と愛着を感じている。