晴れ時々スターウォッチング

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ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その2

2021年03月31日 | ISS(国際宇宙ステーション)
 40年ぶりの寒波が終わりISSの拡大撮影を再開できたのは寒さが緩んだ2月… 意気込んで再開したのはいいのですが、そこからは失敗の連続で成果と言えるほどの結果は得られませんでした。なので、以下ブログは何の参考にもならないただの備忘録で~す。(^^ゞ

〈2月19日の2ndトライアルから3月12日の6thトライアルまでの記録と考察。〉

2nd トライアル
日時:2021年2月19日 天候:晴れ イベントデータ:431km、-3.8mag
撮影データ:ASI290MC、0.857ms、Gain = 100(16%)
結果:失敗(画像取得できず)
考察:アークトゥルスでピン合わせ、0等級のアークトゥルスはGain200で適正露出となった。ISSの光度は-3.8等級なのでGainを100まで落としたところなぜか全く写らなかった。撮影時の取り回しをよくするためカメラとPCを繋ぐケーブルを延長コードで接続したためFPSも極端に落ちた。金星でのピン合わせと露出調整が理想。望遠鏡の向きとファインダーを直前に確認して完璧に一致させることが必須。

3rd トライアル
日時:2021年2月21日 天候:晴れ イベントデータ(不明)
撮影データ:ASI290MC、685nmフィルター、0.8ms、Gain = 35
結果:失敗(撮影時にファイヤーキャプチャーが走らなかった)
考察:シーイング対策のためIR Passフィルターを装着して撮影を試みたがファイヤーキャプチャーが走らず動画取得失敗。ISS通過後に再度撮影を行ったときは通常どおり動いたが不具合の原因は不明。

4th トライアル
日時:2021年3月9日 5時20分12秒、天候:晴れ 
イベントデータ:北西→北→北東、最大44°、588km、-2.7mag、太陽-8.1°
撮影データ:ASI290MC、UV/IR Cut Filter、バーティノフマスクでピン合わせ
テスト撮影:ベガ0.03mag、Shutter0.850ms、Gain=181(30%)→テスト撮影成功
ISS撮影:-2.7mag、Shutter0.850ms、Gain=45(7%)、撮影時間147秒、10439frames.Fps(avg)=70
結果:失敗(何も写らなかった)
考察:ファイヤーキャプチャーDSO、Gain=45では露出不足? Gain=181でベガの撮像ができたので全く写らなかったことは謎。今回は順調にファイヤーキャプチャーが走ったので一安心だが、次回はキャプチャー開始後にヘッドランプで受光させて露光を確認すること。ファインダーの調整を確実にすること。

5th トライアル
日時:2021年3月11日 、天候:晴れ 
イベントデータ:最大58°、492km、-3.6mag、
撮影データ:ASI290MC、UV/IR Cut Filter、(図1
ISS撮影:-3.6mag、Shutter0.883ms、Gain=150(25%)、
結果:失敗(撮影できたが十分な保存ができなかった)
考察:PC画面上のカメラ映像が乱れる不具合が発生したため、旧ノートPC(Windows8)を使用したところFPSが7FPSまで落ちて十分な保存ができなかった。撮影画像はかなりの露出アンダー。ASI290MCは感度が良くない。Gain200は必要。ファインダーのガタツキを調整、光軸も直前に修正。明日は購入したASI174MM、0.8ms、Gain40でトライ。

6th トライアル
日時:2021年3月12日 、天候:薄曇り(眼視で見える星は無し、ファインダーでベガがうすく見える状態) 
イベントデータ:最大77°、430km、-3.7mag、
撮影データ:ASI174MM、UV/IR Cut Filter、(図2
テスト撮影:ベガ0.03mag、Shutter=3.282ms、Gain=400 (100%)、FPS (avg.)=56
ISS撮影:-3.7mag、Shutter=3.282ms、Gain=400 (100%)、FPS (avg.)=56、撮像105秒、5152frames.
結果:成功(画像取得、PIPPにてAVI動画作成)
考察:薄雲で見え隠れするベガでピン合わせ、ベガにてテスト撮影成功。薄雲のためISSの見かけ上の光度は1等星程度、かなり減光しているのでベガと同じ露出で撮影、ベガの近くで導入し高度30度付近まで追尾する。結果は露出オーバーだったが画像取得に成功する。焦点距離1500mmでのASI174MM画角は0.43°×0.27°(25.8'×16.2')、PIPPでAVI動画を作成するときのクロップサイズを 300pixel×300pixel、しきい値40、フレームレート20にする。しきい値40では1分24秒動画に、しきい値100では1分13秒の動画になる。しきい値を大きくすると暗い(不鮮明な)画像はカットされるため同じフレームレート(20FPS)でも完成する動画は短くなる。(図3


しきい値100 20FPSの動画はこちら→(AVI動画



↓300pixel切り出し画像 

D300mm f1500mm ASI174MM Shutter=3.282ms、Gain=400 (100%)


次回までの撮影準備として、174MMにIR-Pass Filter(685nm)を装着して月でテスト撮影を行い露出合わせと画角チェックをする。