晴れ時々スターウォッチング

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HTV-9 EP BATTERY パレット 撮影記録

2021年03月17日 | ISS(国際宇宙ステーション)
 3月12日にISSからリリースされたHTV-9の暴露パレット。

 本来HTV-9の暴露パレットはHTV-9に載せて大気圏に突入させるものだが、HTV-9号機は
HTV-8の暴露パレットを載せて(写真)大気圏に突入したのでHTV-9 暴露パレットが取り
残された状態にあった。
 暴露パレットは不要になった廃棄物を積んでHTVに戻し、大気圏に突入させることに
なっているが、2018年10月11日のソユーズMS-10打ち上げ失敗でクルーがISSに到着しな
かったため、その影響を受けてHTV-7号機が暴露パレットを積まないまま大気圏に突入し
た。そこからズレが生じている。HTV-7→(写真)、HTV-8→(写真



 暴露パレットはそれほど大きい物ではないが、ISSの写真を撮ったら暴露パレットと
思われる物体が写ったという情報を耳にしたので… 早速撮影を試みることにした。

 すでにHEAVEN-ABOVEにはISSデブリとして暴露パレットの通過情報が載っている。
これを見るとISSの前方、時間にして50秒ほど前のところを飛行しているようである。


 チャンスは3月17日にやってきた。撮影場所はいつも月を撮影している家から車で5分の
ところだったのですが、なんと思わぬ渋滞に巻き込まれ20分もかかってしまい、現場に到
着したのは通過15分前! 機材設置に10分はかかるので、さすがに間に合わないかも…

 しかも、南東方面は仙台中心部の方向になり光害でターゲットポイントのうみへび座の
ハート星アルファルドが肉眼では見えません。

2021/3/17 18:48:29  D90 NIKKOR f10.5mm ISO1600 f2.8 2.5sec

 直前の露出合わせをする時間もなかったので経験則のテキトー露出です。とりあえずアルファ
ルド方面にカメラを向けてISO5000の1/3secで暴露パレットの撮影開始です。それと同時にISSと
暴露パレットの両方撮りのために対角魚眼レンズの撮影も開始です。こちらはISO1600の1/2sec
でおまかせ連続撮影撮りっぱなしです。

 撮り始めてから気付いたのですが、暴露パレット用カメラでアルファルドと思って写野の中心
に入れた星は… なんとレグルスでした。いまさら気付いても後の祭りです。トホホです。

 風は強くなるしアルファルドとレグルス方面に飛んできた謎の赤い人工衛星が目障りで暴露
パレットの確認もできず、手応えのないまま時間だけが過ぎていきました。気付くと暴露パレ
ット用レンズの写野にISSが入ってきたので、一応撮って終了です。久々に徒労感に満たされた
撮影会でした。

 家に帰ってダメ元で画像を確認したところ、なんと写っていました。予報どおりのコースに
HTV-9の暴露パレットが確かに写っています。予想以上の明るさです。反射率は高いようです。

2021/3/17 18:55:24~18:55:54 D810A VR24-70mm F2.8( f24mm) ISO5000 f3.2 1/3sec

 よく見ると、上の写真には人工衛星がたくさん写っています。下の写真は遅れてやってき
たISSの写真です。暴露パレットと同じコースだということが分かります。

2021/3/17 18:56:35~18:56:54 D810A VR24-70mm F2.8( f24mm) ISO5000 f3.2 1/3sec

 こちらは対角魚眼で撮影したISSと暴露パレットです。コントラストを上げて暴露パレットが
かろうじて見える写真にしてあります。

2021/3/17 18:53:35~18:55:41 D90 NIKKOR f10.5mm ISO1600 f3.2 1/2sec

 3月19日はISSが条件良く日本列島を縦断していくので暴露パレットが写真にはっきり写る
ことと思います。仙台ではアルデバランと火星と七日月でできるスマイル顔の真ん中をISS
が通過するので見応えアリです。天気も良さそうなので見逃せないですね。