長雨のピークは越したが、各河川共になかなか水位が落ちてこない。
高水続きの米代本流、盆休前の数日間を除き殆ど竿が入っていない状況にある。
やっと回復の兆しが見え始めたと思った途端、またしても1週間の竿止めとなっている。
残り少ない釣期における水位回復待ちはとても辛くて、北のアユ師にとっては、既に成熟期を迎えているアユが気になって仕方がない。
今シーズンの岩手河川は比較的好調に推移した。
したがってオラの場合、隣県秋田への釣行は例年に比べると異常に少ない。
本日は我がHGたる阿仁川、今季やっと3度目の釣行である。
小雨の県境を抜けると、阿仁の山塊に纏わり着く雲の切れ間から、かすかに青空が覗く。
このまま天候がもってもらいたいものと念じつつ入川したのは浦田橋カミ。
橋から俯瞰するカミは、桂瀬の早瀬から開いて500m続く一見して魅力に乏しいべったりのトロ瀬。
既に刺し網、投網、簗が解禁されている昨今、比較的サカナが濃いと思われる場所とすれば、先ずここが思い浮かんだのであった。
シモに岩盤の大きな淵、カミに採石場から桂瀬橋に至る長大なトロ場を有する好位置ながら、網も釣り人さえも殆ど入ってこない場所だ。
漕ぎ出してみると高水の影響で意外に押しの強い流れ。
仕掛けをセットして送り出すオトリ・・・・・と、オレンジの目印を引いて一番いいヤツが遥か沖に逃走。
水中イトの接続部が外れての大失態、嗚呼、今日もまた悪い予感。
めげずに仕掛けを作り直すオラ、残るオトリは17センチ、んん頼りないが・・・。
茫洋としてポイントが絞りにくい大トロ瀬、点在する黒い底石を狙ってオトリを泳がすこと数分、オラの不安をかき消すように、かすかな波立ちの向こうで20センチの野アユが絡んでくれた。
時折足元が見えなくなる濁りは、上流の災害復旧工事のものか。
それでもポツポツと循環は途切れず、昼前には丁度20尾となった。
午後になると天候は不安定になり、陽射しと雨が交互にやってくる。
アタリは午前中に比べて遠くなった。
しかし雨が水面を叩き始めると、何かを予感するのか野アユが盛んな追いを見せる。
阿仁川の後半戦は、型が落ちたと不評が聞こえる中、ここでは20センチを下回る個体は全くいない。
午後4時、天候が安定した途端、ゴールデンタイム突入どころか、アタリはぱったりと途絶えた。
思いがけない釣果、オラにとっては今季初となる40尾超。
今宵は阿仁泊まりを決めた。
「釣行記」へ