yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

WASP

2013-07-09 04:30:45 | 文化
WASPは「筋目のアメリカ人」のことです。1620年にメイフラワー号でイギリスからアメリカに渡った人々。White Anglo Saxon Protestantの頭文字を取っています。
以下は司馬遼太郎の「アメリカ素描」からの引用です。

WASPはある程度は日本の外来語の仲間に入っているだろう。筋目のアメリカ人のことである。ワスプなどという語はいやらしい選民意識だという感覚がアメリカ社会にもあるらしく、
いまでは川の本流、支流になぞらえてmainstreamといったりするそうである。
 征服者だったスペイン人をのぞくと、移民として最初にこの大陸にきて、農場や牧場をつくり、法と慣習をつくったのが、ワスプだったから、新入りの諸民族が、先住のひとびとのやり方に従わざるをえず、従わぬまでも規準にせざるをえない。
 しかし、時とともにワスプの輪郭もぼやけてくる。第三十五代大統領J・ケネディの家系はアイルランド系で、カトリックだから、初期的定義でのワスプではない。生前、ケネディの印象が、大統領という以上にミスター・アメリカだったというところに、多様な人種をかかえたアメリカ社会における一段階の成熟がみられたといっていい。連合王国(英国)ではアングロ・サクソンとのあいだに区別のあるスコットランド人は大西洋を越えた途端にワスプになった。だからスコットランド系のマッカーサー元帥はワスプである。アイルランド系の新教徒もまたアメリカにくるとワスプになった。カーター前大統領がそうであるように。ドイツ系やオランダ系、あるいはスカンジナビア系も新教徒もその仲間に入れられた。
 
 白人は、このように扱われますが、黒人や有色人種は、簡単には仲間に入れてもらえないかも知れません。それは、オーストラリアやニュージーランドにおいても同じではないかと思われます。
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