yoshのブログ

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漢詩 熊本城  原 雨城

2017-03-02 07:51:18 | 文学
原雨城の漢詩を紹介します。原雨城(1884~1971)は大正、昭和の漢詩人、画家、書家。肥後(熊本県)の人。
 熊本城
蘇岳東望西火海
白川南下水潺湲
藤公偉業城偕熾
秋雨春風弔勇魂

蘇岳ヲ東ニ望ミ 西ハ火ノ海
白川南ニ下ッテ 水潺湲(せんかん)
藤公ノ偉業 城ト偕(とも)ニ熾(さか)ンニ
秋雨春風 勇魂ヲ弔ウ

「訳」

雄大な阿蘇の五岳の空を東に望み、西は洋々として不知火の海が広がる。
白川の水は悠然と熊本平野を南にさらさらと音をのこして流れる。
熊本城(銀杏城)が厳としてその威容を長久に示すように、加藤清正の
赫々たる武勲、偉大な治水工事による安民救済の功績は後世に燦然と輝くことである。そして、菩提寺本妙寺の苔深い石磴(とう,いしざか)に降る蕭々たる秋雨や、春の楠の若葉に嫋々と吹き来る東風も、清正のたけき魂をなぐさめることである。
ちなみに西南戦争の時、熊本城の攻略に失敗した西郷隆盛は、薩軍が負けた
相手は政府軍ではなく熊本城を築城した加藤清正侯である、と語ったそうです。
「吟剣詩舞道漢詩集 続絶句編」日本吟剣詩舞振興会
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