山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

‘12年 北海道くるま旅くらしレポート <22回>

2012-07-23 05:12:17 | くるま旅くらしの話

【昨日(7月22日)のレポート】    

≪行程≫

終日別海町ふれあいキャンプ場に滞在(歩いて図書館往復)    <0km>

≪レポート≫

 毎日同じような暮らしぶりが続いている。小学生の夏休み日記なら、「今日も昨日と同じこと」と書きたいくらいの状況である。ま、しかし同じ日などと言うものはあるはずがない。今日も昨日と同じだなあ、などと思うのは、何もかもが面倒くさくなったり、暮らしに変化が感ぜられなくなって、生きている感覚が鈍っているような時だと思うが、今の自分はそれに近い状態になっている。日記風に今日の出来事を並べてゆくと、まさに昨日と同じ項目で満たされてしまうのである。そのようなことを書いてもつまらないので、今日は朝の散歩で見つけた「ど根性フキちゃん」のことを書いてみたい。

 何年か前、関西から瀬戸内にかけて旅をしたときに、兵庫県の相生市にある道の駅:あいおい白龍城(ぺーろんじょう)に泊まったことがある。この道の駅では妙な名前の酒が売られていた。1本(=1升)千円ほどだったと思うけど、その銘柄が、「ど根性大根」というのである。ど根性大根とは何ぞや? 俄然興味を覚えたのだった。さっそく野菜売り場に行って、そのような大根が売られているか探したのだが、別に変わった大根など並んでなくて、あったのは寸足らずの半端な大根が2~3本だけだった。売り場の外に出ると、「ど根性大根大ちゃん」と書かれた大根の看板絵の様なものが作られて建っており、そこに顔を入れて記念写真を撮るといった趣向のものだった。どうも良く解らない。その時は時間的な余裕もなかったので、その疑問を残したまま去ったのだが、旅から戻った後で、どうも気になるのでネットで調べてみたら、ど根性大根というのは、アスファルト舗装の道路を突き破って芽を出した大根が、その後も生長を続けて立派に育ったという話。往時(今でもそうだけど)の不況・停滞感の中で、この大根のパワーは大したものだと、どこかの新聞が取り上げて記事にしたのが評判となり、その大根には大ちゃんと名付けられたとか。その種なども採取されて、なにやら遺伝子の様なものまで保存されたとか、などと言うことが書かれていた。何がどこまで本当なのか、ネットスズメたちの物言いにはすべてを信用するには無理があるけど、そのど根性大根大ちゃんにあやかって、相生の道の駅には関連商品などが販売されていたのだった。面白半分に清酒ど根性を一本買って飲んで見たけど、大根のど根性という奴は、どうも水っぽい感じがして、お世辞にも美味いとは言えなかった。

 前置きが長いのはいつもの通りだけど、このところの散歩で気付いているのは、大根ならぬ蕗(ふき)さんたちのど根性である。大根と蕗とではどちらがか強いのか弱いのか、どう比較していいのか判らないけど、生への執着というか、根性というか、そういう気質で比べたなら、大根は蕗の逞しさには遠く及ばないように思う。それゆえに却って大根に称賛の目が向けられたのだと思うが、自分的には大ちゃんよりもフキちゃんの方がはるかにど根性が据わっていると思っている。

 散歩の途中のアスファルト舗装の道路横には、北国特有の大型のフキの大群が自生しているが、その中の何本かは舗装のアスファルトを突き破って芽を出し、ググッと成長している。そのど根性たるや恐ろしさを感ずるほどだ。フキちゃんのど根性には、大ちゃんもシャッポを脱ぐに違いない。

   

ど根性フキちゃんの頑張りの姿。別海町を走る国道243号線の道脇のアスファルト舗装の歩道には、フキちゃんたちの根性を示したこのような姿が随所に見られる。

 ま、本当のところは大ちゃんでもフキちゃんでもどちらがどうでもいいのだけど、毎日植物たちを観察していると、彼らの根性の凄まじさには驚くばかりである。人間が、アスファルトではなく、厚さ1メートルのコンクリートで大地を固めたとしても、彼ら植物たちは、そのわずかな隙を見つけ出して、何百年、何千年という時間をかけてもその堅固と思われる壁を溶きほぐして土に還らせてしまうに違いない。自分にはそう思えるのである。そしてこの世界には、大ちゃんもフキちゃんも到底かなわないような、とてつもない更なる強力なパワーを秘め持った植物が存在するのだと思う。大ちゃんやフキちゃんのパワーに感動しているのは、もしかしたら植物の秘めたパワーを知らない、人間の思い上がりに過ぎないのかも知れない。しゃがみこんでフキちゃんの生きざまを見ながらそう思ったのだった。今日の話はこれで終わり。

【今日(7/23)の予定】 

終日別海町ふれあいキャンプ場に滞在

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