山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

生誕記念樹のこと

2015-10-29 07:07:53 | 宵宵妄話

暑い夏が終わって、何だかうやむやな天気が続いていたと思ったら、既に秋はかなり深まっていた、と気がつくこの頃です。庭に植えてあるナツハゼとブルーベリーの紅葉が始まっています。ナツハゼもブルーベリーも親戚同士のような植物で、姿形も葉も実も良く似ています。紅葉も同じように鮮やかになるのですが、ナツハゼはその名のように、夏でも紅く葉を染めており、秋の紅葉はブルーベリーよりも一段レベルが上のようです。

  

我が家のナツハゼの木。上の内孫が生まれた時に、記念樹として植えたもの。植えた時は1m足らずの高さだったが、今はその時よりも20㎝ほど丈が伸びている。

我が家のナツハゼは、2年前に最初の内孫が生まれた時の記念樹です。何故ナツハゼを選んだかといえば、狭い庭では中高の樹木では育てきれないので低木でなければならず、その中で、なるべく実のなる木が良いと思ったからなのです。近くの植木屋さんに、予てから見染めていた一本のナツハゼの小株がありました。5年以上の間、その傍を通るたびに家に連れて来たいなと思い続けていました。それが、偶々内孫が生まれることになり、よし!これで決まりだ。と思ったのでした。孫が生まれるという嬉しさよりも、もしかしたらこの木を家に連れて来られるという気持ちの弾みの方が勝っていたのかもしれません。いや、やっぱり孫の方が勝っているのですが、自分的には同時の嬉しさが重なっているように思います。

ナツハゼは、子どもの頃に遊んだふるさとの山にもたくさん自生していた懐かしい木なのです。木に上らなくても、枝に溢れる実に手が届く優しい小木でした。秋になると膨らんだ実が黒ずんで、酸っぱさが少し減って、食べやすくなるのです。今から65年ほど前の時代の、田舎の子どもたちの暮らしの中では、野山を駆け巡って季節の木の実や茸を探すのは当たり前のことでした。ナツハゼは、ブルーベリーほど上品な甘さの果実ではないのですが、酸っぱくても野性味のある味が忘れられないのです。

そのような思い出のあるナツハゼを、孫の誕生と併せて選ぶことが出来たのは、家人には判らぬジサマの嬉しい思いなのです。植えてから2年目を迎えようとしている木は、我が家に来て少し元気が出たのか、一回り大きく生長したようで、今年はたくさんの実をつけてくれました。黒く熟した小さな実を摘んで口に含むと、懐かしい子どもの頃が一気に思い出されるのですが、孫にも食べさせようと口に近づけると、あっさり顔をそ向けられてしまいました。怪しいものは喰わないというのが、今のところ孫の存念のようです。まあ、よろしいと言わなければならないのでしょう。

さて、最初の内孫はもう実の溢れる木が植わっているのですが、今度の孫にも当然のことながら誕生の記念に一本植えなければなりません。女の児なので、今度は本人のことも忖度(そんたく)して選ぶことにしました。いろいろ、あれこれと悩んだ結果、牡丹にすることに決めました。美人を形容する言葉に、「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」というのがあります。もし孫に美人を願うのであれば、この三種の花咲く植物を、一度に全部植えればいいのでしょうが、記念樹なのですから木でなければなりません。となると、牡丹しかないのです。というわけで、木の選定は牡丹と決めたのです。ジサマは孫娘に立ち姿、座り姿、そして歩く姿迄も整った美人となることなど決して願ってはいません。願うのは、心の美しさ、優しさであり、そのような華のある女性に育って欲しいと思うだけです。それは牡丹にも秘められているに違いないと思います。

さて、これを何処で手に入れるかが問題です。今の季節、牡丹は咲いてはおらず、店を開いている栽培者も殆どないようで、頼るのは通販しかないようです。しかし、記念樹なので何としても自分の目でその花を確かめ、育て方もしっかり学んだ上で手に入れたいと思っています。となると、春にならないとその願いは叶わぬようです。半年くらい遅れることになりますが、ま、楽しみに待つことにします。

ところで、孫娘は一人ではなく、もう二人居るのですが、外孫なので、滅多に会えません。彼女たちが生まれた時も記念に何か植えたいと思っていたのですが、その当時は借家住まいで庭も無く、鉢物では記念にはならないと思い断念したのでした。丁度いいチャンスなので、この際外孫の孫娘たちへの思いを込めて、芍薬も百合も植えることにしたいと思います。三人分を合わせて、庭の三美人を鑑賞する日が来るのが楽しみです。

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