山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

‘15年 佐渡一国を味わう旅 レポート <第18回>

2015-06-18 06:01:46 | くるま旅くらしの話

【今日(6/18)の予定】 

  道の駅:芸能とトキの里 → 佐和田海岸 → 相川技能伝承展示館 → 道の駅:芸能とトキの里(泊)

 

【昨日(6/17)のレポート】     

<行程>

 道の駅:芸能とトキの里 → 長安寺 → トキの森公園 → 佐和田地区(佐和田海岸) → 相川技能伝承展示館 → 道の駅:芸能とトキの里(泊)

<レポート>

 今日から20日の夕刻の正法寺のろうそく能までの時間は、フリーの未定の時間である。今日一つ決まっているのは、相棒が一昨日の羽茂祭りでの地元の羽茂高校芸能部の皆さんの佐渡おけさ等の踊りを見て感動し、地元の商工観光協会の方に相談して、何とかその高校生の踊りを収録したDVD等の記録を頂戴できないものかとお願いしたのが叶って、わざわざテープの記録をDVDに移して作成したものを受け取ることになったのである。その記録を佐和田海岸で待ち合わせて受け取ることになっているのが午後14時ごろなので、それまではフリーなのである。

 今日もいい天気で暑くなりそうだ。全国各地で風水害が起こっているというニュースをTVで見ているけど、幸いなことに佐渡は今のところ安泰である。しかし、雨が少ないので、田んぼの多いこの地域では、農家の皆さんは雨降りを大いに期待されているのではないか。しかし、溢れるほどの大雨は勘弁して欲しいというのが願いではあろう。この頃の異常気象には全くどの業界も油断できない。とにかく急ぐ必要はないので、10時ごろまで道の駅でのんびり過ごした後、買い物などをしながら佐和田の方へ向かうことにして出発する。

 道の駅を出て直ぐの所に長安寺への案内標識があるのだが、先日自分が朝の散歩でその近くまで行って引き返しており、後での相棒の調べでは長安寺には古い仁王像があり、それが普通と違った怖い顔をしているとのこと。どんなものなのか、ちょっと寄って見ようということになり、左折して長安寺方面へ。自分的には先日歩いた道を今日は車で向かうこととなった。先日引き返した直ぐ先に長安寺への案内表示板があった。しかし、道が細くて離合困難である。入口付近の空き地に車を停めて歩くことにした。

  

長安寺の山門。佐渡にはお寺が多い。古刹、名刹も多いようだが、保存や手入れが難しく、後継者の問題も抱えていて、この先が心配なお寺も多いようだ。このお寺もその一つのようだった。

久知川という小さな川の両側が舗装道路となっていて、そこを100mほど歩くとお寺への入口があった。かなり荒れており、幾つかの石塔などが散在していた。無住なのかなと入って行ったら、おばあさんが一人で草取りをされていた。挨拶をすると、本堂の障子戸を開けてどうぞ見て下さいと勧められた。後でこの方がこの寺のご住職と知った。何年か前にご主人を亡くされ、今は自分が住職をしていると話されたのだった。そのあと、本堂の中をいろいろご丁寧にご案内頂き恐縮した。このお寺は830年代に創建されたとのこと。1200年の歴史を刻んでいるとも話されていた。本堂には立派な彫刻が随所にみられ、住職がご主人も気づかなかったという古い時代の木彫の狛犬が奥の部屋の中に飾られていた。鑑定団に依頼すれば国宝級のお宝が眠っているのかも知れない。15分ほどいろいろな貴重品を拝見して大変勉強になった。お礼を申し上げて寺を後にする。おばあさんの住職さんお一人では、このお寺はこの先どうなるのかと、人口減に悩む佐渡の未来を不安に思った。

  

「長安の森にわかれを惜しむ」という題の住職さんの詩。最愛の夫に先立たれた後の覚悟の心境のようなものが伝わって来て心を打たれた。

 車に戻る途中に大きなケヤキの大木があり、佐渡の市の木のアテビを思い出した。名前は知ってもその実物を見たことがないのである。その時、近くの家の方が外に出て来られ、それをチャンスと見た相棒が、声をかけてアテビのことを訊いたところ、その方は家の方に案内してくれて、玄関の中の柱を示して、この柱がアテビの木なのだと説明して下さった。少し黄色味を帯びた材質で、その方の話では、青森ヒバに似ているとのこと。どうやらアテビは建築材としても優れたものらしい。更に話を伺うと、昭和40年代の頃この辺りでも建築ブームが起こり、その際に自分の山に生え育っていたアテビの木をたくさん切り倒してしまい、その後に植林をしなかったものだから、今ではかなり減ってしまって、最近になってようやく行政の方も植林に力を入れるようになってきたとのことだった。一緒に顔を出された奥さんから冷たいお茶を頂戴したりして、突然の来訪者なのに丁寧にご説明を頂いて恐縮した。これでアテビのことは解決した感じだ。あとは本物の木を探すだけである。

 車を発車して、佐和田の方に向かう。先ほどの道を戻りいつもの道を走っていると、相棒がもう一度トキの森公園によって欲しいという。9年前に来た時にトキの森公園の売店で佐渡の裂き織りの作品を買ったとかの記憶があり、もう一度寄って確認したいとのこと。逆らう理由も必要もない。右折して田んぼの中の道を少し走るとその公園の駐車場に着いた。相棒はいそいそと売店に向かって飛び出して行った。自分の方は待つだけである。ふと車の前の林を見ていたら、何と青森ヒバによく似た木があるではないか!杉の木に混ざって何本か見られるのは、アテビに違いない。そう確信した。早速写真に収めた。要するに今まで気づかなかっただけである。名前を知り、本物を確認すると、確実に新しい知識が増えたことを実感するのは嬉しい。もう、アテビは大丈夫だと思った。次の課題は、青森ヒバとアテビはどう違うのかということか。これはそう思っているだけでいいというレベルの課題である。相棒はなかなか戻って来なかったが、トキの保護されている施設を見る気にはなれず、そのまま相棒の帰還を待った。

  

アテビの木。トキの森公園の脇の林の中に、杉の木に交じって堂々と枝を打ち広げていた。

 ようやく相棒が戻って来て、今度こそは佐和田に向かう。途中スーパーでお茶や食材などを買う。佐和田の海岸に着いたのは丁度正午ごろだった。目の前は海水浴場で、さすがにまだ泳いでいる人はいない。広い駐車場には何台かの車が止まって、昼どきの時間を過ごしていた。我々も野菜炒めに焼きそばを作って昼食とする。海からの風は心地よく暑さをコントロールしてくれていた。相棒はコックリに止まらずテーブルに顔を伏せて眠ってしまった。14時が近づいてきた頃、商工観光協会の方が、DVDを持って会いに来て下さった。SUN号は目立つので、このような場合好都合である。少し立ち話をして、御用がお有りとのことで直ぐにお別れした。念願のDVDを手に入れて相棒は嬉しげな満足顔をしていた。

 その後は相川エリアの下見をしようと出発する。20分ほどで相川郷土館という所に到着。相棒がその隣にある相川技能伝承展示館という所に行きたいと話していたので、何かなと思ったら、そこは裂き織りの体験ができる設備と、それから佐渡の焼き物として有名な無名異焼の体験ができる設備が備わっている展示館だった。どうやらその裂き織りの体験をしたい様子である。自分の方は特にそれに関心もなくしばらく待っていると、どうやら明日の予約がとれそうらしく、予約してもいいかというので、これに反対する理由はない。早速申し込んで、明日も又ここに来ることが確定した。

 道の駅に戻ろうかとした時、相棒が指さすので見たら、なんと後のBSアンテナが途中から折れ曲がってしまっていた。先ほど佐和田海岸でTVの設定をした時に伸ばしたアンテナを、降ろすのを忘れてそのまま走ってしまい、どこかで引っ掛けて壊してしまったようだ。これはまずいなと思った。このままではTVが見られなくなるので、何とかしなくてはならない。ということで、その後は佐和田地区にあるホームセンターによりポールを買い求めて道の駅に戻り、どうにかTVを見ることはできるようになったという次第。ドジが増えるのは老人の疲れが溜まり、集中力が切れ始めたという証か。反省しながら夜を迎える。

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