今日も休養です。実際はそういう気持ちだけなのですが、しばらくは、くるま旅のことから離れて、春の樹木や野草のことなどを思いつくまま記したいと思います。本物の野の花は別として、ここで取り上げようとしているのは、多くは旅の思い出の中にあることは勿論です。
今日の野草はイカリ草です。我が家には3株のイカリ草があります。夫々に思い出がありますが、今日はその内の一つ、佐渡のイカリ草の話です。
一昨年の春、TVの取材を受け佐渡への初めての旅をしたのですが、取材が終わった後4日ほど滞在して再来のための下見のつもりで島内をうろうろしていました。小木町近くの蓮華峰寺に参詣した後、近くの山林の小路を歩いていた時に、道端の小さな崖に幾つものイカリ草が咲いているのを見つけました。持って帰るのもどうかなとためらっていたら、近くにワラビを採りに来たらしい地元のおばさん(といっても、私よりも大分に若そうでしたが)が、無造作にその一株を引き抜いて、持っていたビニール袋に入れてくれたのです。佐渡には当たり前のように、この季節(5月上旬)にはイカリ草が道端に咲いているようです。
今年が3年目の春ですが、佐渡よりは少し早く花を付けるようです。イカリ草は如何にも頼りなさそうに、細い針金のような華奢な体に、やっと芽を出したなと思っていたら、いきなり錨によく似た花を咲かせます。花には想像もつかないような変わった形のものがありますが、錨に似た花というのも珍しいように思います。
我が家の野草園のイカリ草の花:何という種類なのかはわかりません。普段園芸店などでよく見かけるイカリ草は、もっと赤紫がかった花を咲かせますが、この花は小ぶりな白花です。野生らしさがしっかり残っています。