ニセコの道の駅は、夜間も騒音がひどいのかと心配したのだが、これは全くの杞憂だった。国道を通る車も少なく、ルール違反の車や人も居なくて助かった。この旅の帰り道に、青森県の黒石市のあるお店で、旅についての話をすることになっていて、その日程が未定だったのだが、今朝方確認して、29日に決まった。それで明日のフェリーに乗ることにして、今日は恵山在住のWさんに今年の別れを告げることにする。Wさんは、我々にとって北海道来訪時と帰途時にご挨拶しなければならないことにしている、言わばお代官様のような方である。早速電話をして、強引なトーンで今日のお邪魔を了承頂いた。ニセコの道の駅は、北海道では珍しい活気溢れる農産物の販売が行われている。朝方から地元の農家が、畑で採れた様々の蔬菜類を運んで来て、販売所のカゴを埋めてゆく。開店時間が来ると、待ちかねていた来訪者が、それを求めてレジに列をつくるのだ。ニセコの他にもルスツや長沼町のマオイの丘など活気ある道の駅は幾つかあるが、これらに共通しているのは、生産と販売を結びつけるしっかりした仕組みがあるということだろう。町村の活性化は、どんなに優れた資産や技術を保有していても、それらを活かす仕組みがなければ、力は発揮されない。ニセコには発揮されている力が、益々良い方向に回転して、強化されているのを感じた。我々も土産として、メロンやジャガイモなどを買った。ニセコを出た後は、蘭越、黒松内の道の駅に寄りながら、長万部でカニ弁当をゲット。カニは相棒の大好物で、長万部を素通りすることは不可能である。恵山に行く前に、七飯町の東大沼公園のキャンプに寄り、買って来たトウキビを茹でる。此処で先月稚内で別れた和歌山ナンバーのMさんに再会する。その後の出来事などを懐かしく話合った。2時間ほど休んだ後、東大沼温泉の留の湯へ。我々は留の湯の中にある安政の湯のファンで、此処へは毎年必ずやって来る。実にソフトな優しい湯なのだ。今年の北海道の旅の疲れをまとめて取り去った。夕刻、恵山のWさん宅にお邪魔する。奥さん心尽くしの家庭料理をご馳走になりながら、杯を片手に夜遅くまで、旅のあれこれを語り合った。北海道の地元玄関函館に、この様な知己を得ることができた幸運に感謝すると共にこれからもこのご縁を大切にしたいと思った。Wさんご夫妻本当にありがとうございました。ご馳走さまでした。車に戻りたちまち爆睡。今年の北海道最後の夜は、いつもの様に他愛も無く過ぎていった。
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