東京多摩借地借家人組合

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消費者契約法による取消・無効

2007年05月02日 | 消費者トラブルと消費者契約法
消費者契約法の目的
 契約の基本ルールを定めた民法では、契約はお互いに守る義務があると定めています。しかし、消費者契約では、消費者と事業者との間に情報格差・交渉力格差があるため、この格差が是正されないと、消費者は納得できない契約を押しつけられる危険があります。そこで、格差によって消費者が受けた被害を救済するために、消費者契約法が制定されました。

適用対象の契約は?
 消費者と事業者との契約で、労働契約以外のすべての契約に適用されます。
 消費者とは個人、事業者とは「法人その他の団体」「事業として又は事業のために契約の当事者となる個人」です。

取消制度
 情報格差があるので、事業者の説明が間違っていれば、消費者は間違った選択をしてしまう危険があります。交渉力格差があるので、断っても押しつけられる危険があります。そこで、表のとおり取消ができる場合について定めました。
 この場合の重要事項とは、商品・サービス・権利などの内容・質・用途・効果など、対価・解除などの契約条件で、「契約の締結についての判断を左右するもの」とされています。重要事項の不告知の場合には、「利益になることを説明しておきながら、事業者には分かっている不利益を説明しなかった」場合に限られます。

 クーリング・オフと違って、取消の際には、無条件ではなく取消事由があることが必要です。どういうことが納得できないのか、事実関係や資料を整理して、取消事由は何か、はっきりさせましょう。

特定商取引法の取消制度
 ’04年の改正で、特定商取引法にも取消制度が導入されました。訪問販売、電話勧誘販売、特定継続的役務提供(外国語会話教室、エステ、パソコン教室等6種類)、連鎖販売取引、業務提供誘引販売取引について、勧誘の際に、重要事項について事実と違う説明をした場合、あるいは事業者が重要事項を隠していた(不告知)場合には、説明と現実の違いを知った時から6カ月間、取消ができることになりました。

 特定商取引法の場合には、重要事項には契約する動機づけの部分も含まれます。不告知の場合には、「消費者にとって不利益な重要事項を、事業者が知っているにもかかわらず説明しなかった」場合であればよく、消費者契約法の場合よりも、取消事由の範囲は広くなっています。

不当条項は無効
 消費者契約では、契約条項は事業者が定めている場合がほとんどで、消費者に不利になりがちです。そこで、「事業者は債務不履行責任を一切負わない」などとする〈免責条項〉や、消費者の損害賠償責任などを一方的に重くするなどの〈不当条項〉は無効とされ、その場合には、消費者は、民法などの基本ルールに沿った責任分担を事業者に要求できます。


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相続したのに無断転貸と地主が言いがかり

2007年05月02日 | 最高裁と判例集
村田さん(仮名)宅に、地主と宅建業者が訪れ「この土地は戦時中、地主に無断転貸した違法借地だから退去しろ」と古文書を出し退去を迫りました。
村田さんの相談を受けた組合は実情調査をした結果、名義の違いは相続によるもの、現在は村田名義で賃料を支払っていることが判明。地主に「賃貸借契約は締結されている、退去請求の法的根拠無し。むしろ地代を近隣並に値下げせよ」と要求しました。
1ヵ月後、地主は「退去しろとは云っていない。賃料を受け取っているので退去請求はできない。賃貸借契約は存続して結構。もし、借地を買い取るとか補償金で退去できないか検討して欲しい」等と一八〇度の変化です。
高齢の地主の周りに胡散臭い人々の動きがあり、借地人の居住権が脅かされるばかりか、地主も被害者になるのではと心配です。


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更新料請求断ったら 地主が1回で調停取り下げる

2007年05月02日 | 裁判と調停
 荒川区東日暮里2丁目で、60年前父親の代から36坪を借地している熊倉さんは、父親亡き後、借地権を相続し昨年11月22日に20年の期間満了を迎えた。

更新の条件として、地主は月額4万100円の地代を12月から6900円値上げして4万7000円に、更新料は247万4850円を支払えと通告してきた。困った熊倉さんは、組合に入会し、地税を計算した。その結果、6900円の値上げには応じないが、4500円の値上げを認める。更新料は支払う法的根拠は全くないと内容証明郵便で回答した。

 地主から文書が届き、一部値上げを認めたことのお礼と更新料を1割値引きするから支払って欲しいとの内容だった。熊倉さんは、この請求も拒否したところ、地主は3ヵ月後に二人の弁護士名で代理人を立て、地代増額と更新料請求の調停を申立ててきた。

 熊倉さんは調停の場でもきっぱり請求を断った。調停官も地主の要求には必ずしも応じなくてもよいと助言があった。2回目の調停が4月11日となっていたが、4月6日に地主側が調停を取り下げ、出頭しなくてよいと通知があり、熊倉さんは一安心した。


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