村雨庵 茶の湯日記

日々是茶の湯

春は あけぼの

2015-04-11 22:56:16 | 茶の事
雨が上がると
草木は驚くほど背丈を伸ばす
毎年の事とはいえ
その緑の成長に目を見張る
木戸の紅葉も卯の花も
薄緑の葉はまだやわらさそうだ


春は 名のみの風の寒さや
でも
春は となれば
枕草子の春はあけぼ を思い浮かべる
昨日の里庵様の風炉先には
枕草子が書かれてあった

春は、あけぼの。
やうやう白くなりゆく山ぎは 
少し明りて紫だちたる雲の
細くたなびきたる。

夏は、夜。
月の頃はさらなり。
闇もなほ。螢の多く飛び違ひたる。
また、ただ一つ二つなど、
ほのかにうち光りて行くもをかし。
雨など降るもをかし。

秋は、夕暮。
夕日のさして、山の端いと近うなりたるに、
烏の寝どころへ行くとて、
三つ四つ、二つ三つなど、
飛び急ぐさへあはれなり。
まいて雁などの連ねたるが
いと小さく見ゆるは、いとをかし。
日入り果てて、風の音、虫の音など、
はたいふべきにあらず。

冬は、つとめて。
雪の降りたるはいふべきにもあらず。
霜のいと白きも、
またさらでも、いと寒きに、
火など急ぎ熾して、炭もて渡るも、
いとつきづきし。
昼になりて、
ぬるくゆるびもていけば、
火桶の火も、
白き灰がちになりて、わろし。



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コメント
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