新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

静かなひととき···『日の名残り』『侍』

2018年04月03日 | 本・新聞小説

桜も散り始め4月になると周りが急に静かになっていました。春休みの4歳の孫娘が「きのうも、きのうのきのうも、きょうもいっぱいあそんでたのしかったー!」と、嬉しい言葉を残して帰っていきました。

 

ホテルのランチでも周りに気遣うマナーも心得て、ばぁばとしてはこれだけで成長したと心から嬉しくなりました。
生後半年で川崎病にかかりましたが、それももう大丈夫と太鼓判をもらい、心臓に小さな穴が開いていると言われ手術まで覚悟していたようですが、今ではすっかりふさがってしまったという事でこれもクリア。元気いっぱいに年中さんに進みます。

絶好の洗濯日和のはずが、爆弾マークのようなヒノキの花粉情報にままなりません。花粉症ではないのですが気をつけておきます。こんな日は久々にチャイをのんでゆっくり読書です。
 

紅茶に合うのはカズオ・イシグロ「日の名残り」。イギリスの美しい田園風景をすんなりと思い描くことができます。主人公の品格ある頑迷な執事の思いと仕事ぶり、使用人同士の人間関係、背景には屋敷で行われた世界史的な重要な会議、と奥深さを感じさせます。
イギリス社会にしか存在しないガチガチの「執事」。本の最後に桟橋で出会った男の言葉「人生、楽しまなくちゃ。夕方が一日で一番いい時間なんだ・・・」。そして、すぐ後ろにいた若い男女の会話を聞いて、人間同士を温かく結びつけるのはジョークだと気づくのです。「決意を新たにしてジョークの練習に取り組んでみること」を執事は決心しました。
お屋敷の今度の新しい主人はアメリカ人。その主人を、「立派なジョークでびっくりさせて差し上げよう」というところで本は終わります。イギリスとアメリカの歴史の違いを感じました。執事役がアンソニー・ホプキンスの同名のこの映画を先に知り、ずっと観たかったのですがいまだに観れていません。

寝る前のベッドでの本は遠藤周作「侍」。支倉常長と同じ船旅をしたパードレとの物語ですが、夜に読むには、報われないことばかりの辛すぎる内容でした。
以前にも支倉常長の本は読んでいましたが、今回はクリスチャンである遠藤氏の本。内省的な記述だったから余計にぐさりと心に突き刺さりました。

     

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