先日から書いていたAstro Trac用の汎用アームが完成しました。日本ではたぶん使っている方は極少かとは思います。国内価格がToastなどと競合しているのも人気が出ない理由の一つでしょう。このアームは売るため・・・というより、6月からの南天遠征で使用するために製作したもので、現状では1台のカメラしか載せられず、純正のウェイト軸も今ひとつ値段の割りには使いにくそうなので自分の用途に最適なものを一から製作しました。
このアームの機能は、左右にバランス調整ができること、また両端の雲台コマにはカメラ雲台を介してカメラを2台取り付けられます。カメラ雲台が撮影中に重さで回転したりしないようにネジ2本でがっちり固定します。このアイディアはスカイメモRのコマが撮影中に回転して首を振ってしまうことからきています。この雲台コマは簡単に取り外せるので変わりにウェイト軸を装着したり、多種多用なパーツを装着することができるように考えています。
Astro Tracは搭載重量が15kgだそうですが・・・、実際には5kgも載せればいいかと考えています。本当に15kgまで載せるのであれば、アームをもっと長くしても構いません。この汎用アームはシステム化することを考えていますので、将来的に他の赤道儀などに応用がきくように設計デザインしています。
今日新たに製作したのが上の画像です。タカハシのTG-SAを取り付けるためのアダプターです。日食などでFS-60などの短焦点鏡筒を載せることができ、且つ左右の微動が利きます。赤経部は微動は利きませんが、あると少しは便利です。
マッチプレートを介してガイド鏡筒と撮影用鏡筒を2連で載せることもできます。この場合にはもう片方の雲台コマを外してウェイト軸を装着します。この汎用アームは新型のAstro Trac AGに取り付けて使用します。まだ実観測では使っていませんが、旧タイプのTT320Xに取り付けた感じは大変いいです。駆動自体もスムーズです。汎用アームはご要望があればお作りいたしますが・・・、正直なところかなり費用がかかっています。Astro Trac純正品まではいかないですが、考えていたよりかかりました。
私の場合は海外などで大事な撮影がある時には既製品では満足できないケースがあるのでこういった機材は自分でデザインして製作するなりしています。海外撮影はめったやたらとはチャンスがありませんので、行ったら確実に目的をこなす必要があるので多少の出費はやむをえません。こういった大事なところでへたにケチると大事な遠征が無駄になってしまいます。