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てらまち・ねっと



 安倍氏が原発の輸出を促進するため、海外を飛びまわっている。
 各国との原子力協定の交渉も促している。

 それに関連して、一昨日の毎日新聞・紙版の一面トップに
   ★「安全確認せず原発機器輸出 10年間、4割511億円」
 という見出しの記事が出ていた。

  ★「国内向けなら厳しい検査を受ける原発が、海外にはノーチェックで輸出されている」
 という。

   ★「少なくとも約4割の約511億円分は、機器の品質などを調べる国の『安全確認』と呼ばれる手続きを経ていないことが毎日新聞の調べで分かった」
 という。

 関係機関は、無責任にもほどがある。

  ★「『安全』を強調する一方、事故時の責任回避も主張する姿は、原発を推進しつつ賠償責任を電力会社に負わせる『国策民営』と呼ばれてきた原子力政策に重なる」
 と同紙は別の記事でも批判する。

 当然ながら、輸出原発が事故や重大トラブルを起こしたら、輸出会社に賠償請求が来る。
 実際に、今、米国で次の例が進んでいる。
  ★「米国:加州原発廃炉決定 米電力会社、三菱重に全額賠償請求」
  ★「契約で責任が明記された米国で多額の賠償を求められかねない事態で、業界には波紋」

 このように場合に請求される金が「巨額」であれば、政府は「賠償責任を電力会社に負わせる」という原則を脱して、結局、国が補てんするというのだろう。
 福島第一原発でも、後始末は国費補てんの方向に進んでいる。

 平たく言えば、原発輸出企業の儲けを確保する政策を進め、不測の事態になれば費用は国民の税金で補てんする、それが政権の基本か。

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●原発機器輸出:安全確認せず 10年間、4割511億円
       毎日新聞 2013年10月14日
 原発関連機器の輸出を巡り、2012年までの10年間に輸出された約1248億円分の機器のうち、少なくとも約4割の約511億円分は、機器の品質などを調べる国の「安全確認」と呼ばれる手続きを経ていないことが毎日新聞の調べで分かった。輸出先はブラジルやスウェーデン、台湾など18カ国・地域に及び、原子炉圧力容器など原子炉の主要な部品も含まれていた。国内向けなら厳しい検査を受ける原発が、海外にはノーチェックで輸出されている実態が浮かんだ。【高島博之、小林直】

 原発関連機器を輸出する際、国が品質を調べる制度は安全確認だけ。政府系金融機関「国際協力銀行」の融資か、有事に備えた独立行政法人「日本貿易保険」の保険を利用した場合に限り実施されてきた。書類上の簡単な審査で「元々不十分」(伴英幸・原子力資料情報室共同代表)と批判されてきたが、それさえ経ない巨額の輸出が存在することが初めて明らかになった。

 財務省の貿易統計によると、原発関連機器は03〜12年、23カ国・地域に約1248億円分輸出された。毎日新聞が経済産業省資源エネルギー庁から情報公開で入手した資料によると、このうち、国の安全確認を受けて輸出されたのは中国、米国、フランス、ベルギー、フィンランドの5カ国(輸出総額約737億円)。残る18カ国・地域にはノーチェックで輸出されており、総額は約511億円に達する。

 原発メーカー各社への取材や業界団体「日本電機工業会」の資料などによると、安全確認を経ずに輸出されたのは、台湾の第4原発新設工事やスウェーデン、ブラジルの原発改修工事など。3大メーカーである日立製作所、東芝、三菱重工業が名を連ね、原子炉圧力容器やその上ぶた、出力を調整する制御棒駆動装置といった重要な部品も含まれている。

 エネ庁の開示資料の多くが黒塗りにされており、安全確認実施国である5カ国についても、737億円の輸出品のすべてがチェックを受けているかどうかは分からない。

 輸出した原発関連機器が故障すると、日本メーカーは多額の損害賠償請求を受ける。
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 ■ことば ◇原発輸出に伴う安全確認
日本貿易保険か国際協力銀行の融資金を利用する場合、メーカーが両機関を通じ、経済産業省資源エネルギー庁に安全確認を申請する。エネ庁から照会を受けた同省産業機械課は対象機器の品質をチェックし、旧原子力安全・保安院は輸出先の国や地域が適切な規制体制を整備しているかをエネ庁に回答していた。昨年9月に発足した原子力規制庁が旧保安院分の業務引き継ぎを拒否し、手続きは実施不能に陥っている。
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 ◇安全確認を受けず輸出された主な原発関連機器
輸出先              機器の種類    輸出元   時期

台湾(第4原発)         原子炉圧力容器  日立製作所 04年
                 原子炉圧力容器  東芝    04年

スウェーデン(リングハルス原発) 原子炉容器上ぶた 三菱重工業 05、08年
                 制御棒駆動装置

ブラジル(アングラ原発)     原子炉容器上ぶた 三菱重工業 10、12年
                 制御棒駆動装置

 ※他の輸出先はスペイン、カナダ、韓国、ドイツ、オランダ、イタリア、パナマ、マレーシア、ロシア、イギリス、インドネシア、タイ、スリナム、エジプト、オーストラリア(原発だけではなく原子力関連施設向けも含む)貿易統計や日本電機工業会の資料などから


●原発輸出:住民への安全情報周知指針なし 政府5年間放置
         毎日新聞 2013年08月07日
 原発関連機器の輸出を巡り、立地予定地域の住民に安全性などに関する情報が十分に公開されているかどうか確かめる「指針」について、当時の麻生太郎政権が2008年に策定を約束しながら、約5年たった今も作成されていないことが毎日新聞の取材で分かった。
原発輸出に絡んでは、従来行われてきた相手国の規制体制などを調べる国の「安全確認」と呼ばれる手続きが実施不能になっていることが既に判明している。チェック体制のずさんさが一層鮮明になった。【高島博之】

 政府が指針に言及したのは、社民党の近藤正道参院議員(当時)の質問主意書に対する08年11月の答弁書。政府系金融機関「国際協力銀行」(JBIC)が輸出先に融資する条件について(1)原発の安全性がどの程度確保されているのか(2)事故が発生した場合、どのように対応するのか(3)使用済み核燃料など発電に伴って生み出される放射性廃棄物の管理方法−−に関する情報を「(輸出先の住民に)適切に公開されていない場合には、貸し付けなどを行うことのないよう今後指針を作成する」としていた。

 しかし指針作りは進まず、国際環境問題に取り組む「FoE Japan」など非政府組織(NGO)7団体などが10年12月、JBICの監督官庁である財務省との定期協議の席上で取り上げた。財務省国際局職員が「JBICから『指針の内容、策定スケジュールについて鋭意検討中』と聞いている」とだけ答えたため「省としてどう考えているのか」と追及。「近藤議員の主意書に対する答えの通りだ」と述べたという。

 原発輸出を巡っては昨年9月以降、経済産業省の旧原子力安全・保安院が行ってきた安全確認と呼ばれる手続きが実施不能になり、経産省が対応を検討していることが毎日新聞の報道で明らかになっている。

 JBICと財務省は取材に対し、指針が未策定であることを認め「安全確認に関する経産省の対応を踏まえて指針を作成する」と回答した。

 FoEの満田夏花(みつたかんな)理事は「説明になっていない。国が行う安全確認と住民への情報公開は別次元の問題」と批判している。

 1基数千億円とされる原発を輸出する場合、新興国は代金を一括で支払えないため、JBICから融資を受けることになる。経産省幹部は「指針が無ければ融資が実行できず、輸出も不可能になる」と指摘している。

●原発輸出:相手国の安全確認なし 規制委「推進業務」拒否
         毎日新聞 2013年08月03日 
 ◇賠償責任負う恐れ
 原発関連機器の輸出前に実施されてきた、相手国の規制体制を調べる国の「安全確認」と呼ばれる手続きが昨年9月以降、行えない状態になっていることが分かった。
毎日新聞が情報公開で入手した文書や関係者の話によると、従来は経済産業省の旧原子力安全・保安院が担当していたが、東京電力福島第1原発の事故を受けて発足した原子力規制委員会側が「(推進業務である)輸出に関与すると規制機関としての独立性を保てない」として引き継ぎを拒否した。安全面で事故前より後退した体制のまま他国に売り込みを図る、異常な実態が浮かんだ。

 経産省資源エネルギー庁関係者によると、大半の輸出では、政府系金融機関「国際協力銀行」による融資か、有事の際に備えて加入する独立行政法人「日本貿易保険」の貿易保険のいずれかを利用する。情報公開で入手した経産省の内規(2003年)によると、国際協力銀行や日本貿易保険は融資や保険加入を認める前に安全確認をエネ庁に申請。エネ庁から照会を受けた旧保安院が、輸出先の国や地域が▽適切な規制体制を整備しているか▽放射線防護など原子力の安全確保に関する国際的な取り決めや、放射性廃棄物の故意の海洋投棄を禁じた条約を締結し実際に守っているか−−などを調べ回答していた。

 関係者によると、旧保安院は組織改廃前の昨年8月、エネ庁から安全確認業務を引き継ぐかどうかを尋ねられ「関与しない」と口頭で答えた。旧保安院から移行した原子力規制庁(規制委の事務局)にも今年1月、エネ庁から照会があり、電子メールで同様に回答した。規制庁は推進役のエネ庁から切り離して新設されており、エネ庁と一体となって輸出業務を行うと独立性が揺らぐ。規制庁国際課は「国内の原発は機器、人的要因、管理体制、立地状況などさまざまな要素からチェックする。外国の場合、実務上無理だ」と話す。

 情報開示された文書によると、03年以降の安全確認は▽中国12件▽米国5件▽フランス4件▽ベルギー2件▽スロベニア、フィンランド各1件あり、すべて「合格」。機器の種類や金額など詳細は黒塗りにされ公開されていない。

●原発輸出:国民負担に直結 国のリスク不十分な説明
          毎日新聞 2013年08月03日
 日本が安全確認体制を整備しないまま、原発輸出を強力に推進し続ける背景には、原子力安全条約の存在がある。条約は原発事故の責任を「原発を規制する国(立地国)が負う」と規定しており、日本は免責されるという論法だ。茂木敏充経済産業相も5月28日の衆院本会議で「(海外で事故があっても)日本が賠償に関する財務負担を負うものではない」と強調している。

 果たして本当に「知らぬ顔」は通用するのか。推進役の経産省幹部でさえ「賠償でなくても援助などの形で実質的な責任を取らざるを得ない」と高いリスクの存在を認める。
売り込み先の一部には別のリスクもある。インドには電気事業者だけでなく、製造元の原発メーカーにも賠償責任を負わせる法律があり、米国はこの法律を理由に輸出に消極的とされるが、日本は前のめりだ。
そもそも、輸出国向けに実行される国際協力銀行の融資は税金が原資であり、何らかの原因で貸し倒れが起これば、国民負担に直結しかねない。国のリスクに関する説明は不十分だ。

 安倍晋三首相は原発輸出について「新規制基準(などによって)技術を発展させ、世界最高水準の安全性を実現できる。この技術を世界と共有していくことが我が国の責務」(5月8日、参院予算委)と正当化。公明党の山口那津男代表も6月、新規制基準を前提に輸出を容認する姿勢に転換した。しかし、この基準は国内の原発にしか適用されず、輸出前に原子力規制委員会が安全確認を行うシステムはないのだから牽強付会(けんきょうふかい)だ。

 「安全」を強調する一方、事故時の責任回避も主張する姿は、原発を推進しつつ賠償責任を電力会社に負わせる「国策民営」と呼ばれてきた原子力政策に重なる。原発事故から2年超を経てなお約15万人が避難する現状に照らせば、無責任な輸出は到底許されない。【町田徳丈、小林直】

●安倍内閣:原発輸出外交を再開、岸田外相が東欧訪問へ
      毎日新聞 2013年08月16日
 安倍内閣は先の参院選で大勝したことを受け、成長戦略の一環として原発輸出に向けた外交を再開する。まず岸田文雄外相が22〜27日にハンガリー、ウクライナ両国を訪れ、ハンガリーの原発建設で日本企業の受注を後押しする。ウクライナでは1986年に事故を起こしたチェルノブイリ原発を視察。
東京電力福島第1原発事故の対応に万全を期す日本政府の姿勢をアピールし、各国との原子力協定交渉も促す。
ただ、日本国内は原発輸出に慎重論が根強く、安倍内閣の前のめり姿勢に批判が強まる可能性がある。


 ハンガリーでは原発2基の新規建設が計画されており、岸田氏は原発売り込みを念頭に連携を深める考えだ。安倍晋三首相はこれに先立つ6月のポーランド訪問で、ハンガリーなど東欧4カ国の首脳と会談。原子力分野で協力を深める方針で一致するなど、原発の「トップセールス」を進めた経緯がある。

 岸田氏はウクライナで、現在は石棺で覆われているチェルノブイリ原発4号機を間近から視察する。昨年5月にウクライナと結んだ協定に基づき、福島第1原発事故への対応に関する協力を確認する。具体的には、除染や被災者帰還のための施策など、日本側の参考になる情報の提供を受ける予定で、まさに「原発一色の訪問」(日本外務省幹部)になりそうだ。

 また、政府は、日本企業が原発を輸出するにあたっての前提条件となっている原子力協定の締結交渉も進める。平和利用に限ることなどを原発輸出の相手国に義務づける協定で、日本はこれまで米仏など11カ国・1国際機関と原発協定を結んだ。このほか、今年5月にはアラブ首長国連邦(UAE)、トルコと新たに署名を交わし、インドなど3カ国と交渉している。

 安倍首相は7月の参院選期間中に「高水準の安全を世界と共有する」と明言しており、原発輸出を再び本格化させる構えだ。経済産業省によると、日本と協定を締結していないフィンランド、リトアニア、チェコの北・東欧3カ国でも日本企業が原発建設の受注を目指している。

 しかし、核拡散防止条約(NPT)に加盟していないインドとの原子力協定の締結に、広島、長崎両市長が今月、相次いで懸念を表明。福島第1原発の汚染水流出にも内外から厳しい目が注がれている。

また、先の参院選の当選者に毎日新聞がアンケートを実施したところ、自民党の当選者の48%が原発輸出を「進めるべきだ」と答えたのに対し、公明党の73%は「進めるべきではない」と回答。与党内で温度差がある。新たに当選した参院議員全体でも慎重派が推進派を上回った。【影山哲也】

●米国:加州原発廃炉決定 米電力会社、三菱重に全額賠償請求 原発輸出影響か
    毎日新聞 2013年07月24日
 廃炉が決まった米カリフォルニア州のサンオノフレ原発を運営する電力会社のサザン・カリフォルニア・エジソン社(SCE)が、トラブルを起こした蒸気発生器を納入した三菱重工業に対し、原発停止で生じた損害全額を賠償するよう求めている。三菱重工側は「責任上限額を超える賠償責任はない」と反論しているが、米国では「懲罰的賠償のリスク」(業界筋)もあるだけに事態の行方は予断を許さない。事故発生時に巨額賠償を迫られることになれば、原発輸出を推進する日本政府や三菱重工など大手メーカーに冷や水を浴びせそうだ。

 SCEは今月18日、「蒸気発生器の欠陥は基本的かつ広範。三菱重工はSCEや顧客が被った損害全額の責任を負うべきだ」とする文書を三菱重工宛てに送付したと発表。賠償請求額は明らかにしていないが、SCEは原発停止中の代替電力確保に関わる費用の支払いなども求めている模様。現地メディアでは請求額は数十億ドル規模とも報道されている。SCEと三菱重工が機器納入時に結んだ責任上限額(約1億3700万ドル)を上回るのは確実だ。協議で90日以内に解決できなければ、SCEは裁判所に仲裁手続きを求める意向だ。

 これに対し、三菱重工は19日「SCEの主張は不適切で根拠がない」とのコメントを発表。原発停止に伴う代替電源確保などの間接的な損害は請求されない契約だとして、全面的に争う構えを示す。三菱重工は責任上限額分は業績に織り込んでいるが、それを大幅に上回る賠償を迫られれば、業績への打撃は必至だからだ。

 東京電力福島第1原発事故後、国内で原発新増設が困難となる中、三菱重工や東芝、日立製作所など原発メーカーは政府の後押しを受けて海外ビジネスに活路を求める。
ただ、原発需要が高まるアジアでは、インドのように事故の際、メーカーが巨額の製造物責任を問われかねない国もある。
今回は契約で責任が明記された米国で多額の賠償を求められかねない事態で、業界には波紋が広がる。大手メーカー幹部は「電力会社側の保守や運用にも問題があるはず。メーカーだけに事故責任を負わされてはたまらない」と話すが、原発輸出のリスクが浮き彫りになった形だ。
【松倉佑輔、横山三加子】

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 ■KeyWord
 ◇米サンオノフレ原発
サザン・カリフォルニア・エジソン(SCE)社が米カリフォルニア州で運営、約140万世帯に電力を供給。2009年に蒸気発生器を三菱重工業製に交換したが、12年1月、3号機の配管で冷却水漏れが起きて緊急停止。定期点検中の2号機でも配管に摩耗が見つかり、運転を停止した。

 SCEは再稼働を目指したが、周辺住民が反対。米原子力規制委員会(NRC)の調査が長引いたこともあり、今年6月廃炉が決まった。

 三菱重工の蒸気発生器を巡っては1991年に関西電力美浜原発で冷却水漏れが発生、その後に改良された。国内の原発に使われている同社製の蒸気発生器はサンオノフレ原発の発生器とは別タイプで影響はないという。


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