2008 年11 月5 日
「使用制限」を含む情報公開条例の改正に反対する意見書
鳥取県教育委員会委員長 山田修平 殿
特定非営利活動法人 情報公開クリアリングハウス
記事では「『児童の健全な育成のための教育的配慮が必要と認
めるとき』に使用制限を付ける」との記載があります。仮に条例改正案が「教育的配慮」という用語で「使用制限」をするとすれば、事態はより深刻といわざるを得ません。周知のとおり、表現の自由の違憲審査基準として「明白かつ現在の危険」があります。「教育的配慮」とは、これを用いる人間の教育観( 主観) によって内容が異なり、きわめてあいまいな概念です。その点でも、憲法違反のおそれが強いと思われます。それを「使用制限」の「基準」として使うことは、公開された情報の公表、提供等の使用に対して、請求者に必要以上の「萎縮効果」を及ぼすことになります。
確かに、貴県による「使用制限」が罰則等の強制措置を伴わず、「適正使用」の規定に基づく「要請」にとどまるものであるならば、「検閲」には当たらず憲法21 条に違反するおそれは低減するとの見方もあります。しかし、そのように「使用制限」の実効性が担保されないならば、県民や議会までも巻き込み、膨大なコストをかけてまで、わざわざ条例を改正する必要はありません。現行条例の「適正使用」の規定で十分に対応できるはずです。
それにもかかわらず、条例を改正するのは情報公開に対する「過剰反応」といわざるを得ません。・・ |