古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

ウィキリークスが見た日米関係

2011-02-11 | 経済と世相
 ウィキリークスが日本政府に関連しては、どんな公電をすっぱ抜くかと興味深々でした。週刊朝日に「東京新聞に情報がある」とあったので、昨日、大学図書館に行き「1月20日の東京新聞見せてください」とインフォーメーシヨンの女性に頼むとすぐ出してくれました。

 以下、「米国が望んだ菅首相」と題する記事の要約です。

『昨年2月3日、ソウルでキャンベル米国務次官補は金星煥(キムソンファン)外交安保主席秘書官と面会し、会議内容を在韓米大使館から本国へ送った。

 「両者(キャンベル・金)は、民主党と自民党は『全く異なる』という認識で一致。北朝鮮との交渉で民主党が米韓と協調する重要性も確認した。また、金氏が北朝鮮が複数のチャンネルで民主党と接触していることは明らかと説明。キャンベル氏は、岡田外相と菅財務相と直接話し合うことの重要性を指摘した」

 この公電の意味を読み解くポイントは、米国が交渉の相手として当時の鳩山首相ではなく、岡田・菅氏を名指したことにある。

 鳩山氏は、一昨年夏の総選挙前に、普天間飛行場の移設問題で「最低でも県外」と主張した。政権交代後に交渉に乗り出したが、米政府が猛反発し鳩山政権は迷走を始める。公電が打たれたのはそんな時期。

 沖縄では「県外移転」への期待感は高まるばかり。その一方で、鳩山氏に対する米側の不信感は深まっていった。(中略)鳩山氏は急転直下で県外移転を断念し、6月に首相を辞任。後継首相となった菅氏は「普天間飛行場を名護市辺野古沖に移転する」・・・鳩山氏が打ち出した「東アジヤ共同体構想」は、いつの間にやら、忘れ去られた。

 元外務省国際情報局長・元防衛大学校教授の孫崎亨さんは、ウィキリクスの公電が意味するのは、米国が鳩山首相と距離を置き、岡田・菅氏を対話すべき相手と判断したこととする。

 キャンベル氏は金氏と会う前日昨年2月2日、小沢一郎幹事長(当時)と日本で会談している。孫崎さんは「キャンベル氏は、その際、小沢―鳩山ラインは米国の防衛戦略に乗ってこないと判断した。一つは在日米軍基地について米国の意向に沿わない考え方をしていること、もう一つは対中国政策について、融和外交を進めようとしていたことだった」

 代わった菅政権。孫崎さんは「米国にすべてを丸投げしている」と批判。「普天間飛行場の辺野古移転方針、日米共同統合演習実施、在日米軍駐留費(思いやり予算)の維持など、米港側の移行どおりの施策を進めている」。だが、こうした「米国追従」は必ずしみ安全保障につながらないというのが孫崎さんの意見だ、「中国の軍事力は増大し、ミサイルの射程も伸びている。もはや軍事力に軍事力で対抗しようとしても効果はない」という。

 最後に東京新聞のデスクはこう結んだ。【菅首相が就任の挨拶で「学生時代に国際政治学者、永井陽之助先生の『平和の代償』を読んだ」とエピソードを披露したのを思い出した。米軍基地も思いやり予算も「平和の代償」と説く本である。晴れの舞台で、語りかけた言葉の先には、誰がいたのだろうか。】(米政府だとは私も思いたくはないのだが)

 実は、小生、普天間問題で「なぜ鳩山さんは先ず米政府と交渉しないのか?」と疑問を抱いていましたが、どうやら交渉はしたのらしい。峻拒されたのが、鳩山さんの迷走の原因のようだ。外務省は秘密にしていた!報道しなかったマスコミの責任は大きい。



 なお、こんな記事も載っていました。「鳩山氏に米国側は疑心暗鬼になった。一方、岡田氏に対する米国側の信頼は厚い。「沖縄密約問題」を、日米関係に傷をつけずに処理したことについて高く評価している」(東京財団上席研究員の渡部恒夫さん)

 密約問題、米政府は、息をのんで日本国内の世論を注視していたのだ。

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