古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

モニタリングポストの用をなさない

2012-04-12 | 経済と世相
 何も説明する必要はないと思います。
10日の中日夕刊の「紙つぶて」の記事、原文をそのまま紹介します。
筆者は環境ジャーナリストの小沢祥司氏。
『新聞などで発表される福島県飯館村の空間線量率が、年明けから急低下した。今年は積雪が多かったのでその影響だろうかと考えていた。
 だが、3月末に事故後一年目の調査で村に入り、モニタリングポストを確認して驚いた。線量測定器の置かれている場所の周りは徹底的に除染され、表土も入れ替えられていた。持参した測定器で地上1mの線量率を測ってみると毎時1.2マイクロシーベルトだったが、5m離れた場所では2.4あった。しかも測定器の下には分厚い鉄板。これでは直下からのガンマ線はかなり遮られる。実際に文部科学省の公表値は1を下回っている。
 飯館村は昨年の原発事故で全域が高濃度に汚染されたが、村内でも汚染度に濃淡がある。南部の長泥地区ではいまだに10を超える値が計測されるところがある。なのに発表される飯館村の値は、比較的低い地区の、しかも除染された場所に置かれた測定器の値なのだ。村の現況を代表しているとは到底言えまい。
 同行した京都大原子炉実験所の今中哲二助教は「モニタリングポストの用をなさない」とあきれた。
 文科省に問い合わせると、除染は内閣府が実施したため関与していないという。内閣府はモニタリングポストが置かれていたことを認識していなかったと答えた。だが、ポストの周りは特に念入りに除染した(ように見える)のはなぜか、答えはなかった。』