古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

洋上給油

2007-10-20 | 経済と世相
 政府は、自衛隊によるインド洋海上給油の新法を国会に提出した。
 「テロとの戦い」と言っているが、インド洋でアメリカ有志連合の軍艦に給油することが、どうして「テロとの戦い」になるのか、私には理解できない。
 作家の高村薫さんも15日の中日夕刊で述べている。(【 】内が高村さんの文)
【自衛隊のインド洋派遣のどこが、どんな風に「国際貢献」なのだろうか。シーレーンの防衛というけれども、アフガニスタンのテロ組織が、洋上のタンカーを狙うという具体的な話があったのだろうか】
【アメリカは2001年の同時多発テロを「新しい戦争」と呼び、国連憲章に定められた自衛権を発動してアフガニスタンのタリバン政権を攻撃したのだった。国連安保理は、テロ非難決議を出してそれを追認したが、軍事行動はあくまで、集団的自衛権を発動した有志連合によって担われたに過ぎない。】
【日本は、アメリカのアフガン侵攻にもっとも早く賛同した国の一つで、01年のテロ特措法はそれを具体的な行動にするために大急ぎで成立が図られたものである】
 9.11テロで、”これは戦争だ”と逆上したブッシュさんに、日本は逆らうわけにいかない。かといってアフガニスタンに自衛隊を派遣するには憲法の制約がある。そこで、後方支援で洋上の油補給で協力しますとなった(と言っても洋上給油も憲法解釈では否定されている集団自衛権に抵触するのでは?)。つまり、アメリカへの気配りであって、テロ対策に役立とうと役立たなかろうが問題でなかった、というのが実態でなかったか。
 その証拠に6年間で210億円も金をかけて(油代のみ、自衛隊の出動費は別)その効果を全然調べていないし、提供した油が本当にアフガニスタンの作戦に使われたかどうかも調べていない。
【そして肝心のアフガニスタンの状況は、カルザイ政権に統治能力がなくて、タリバンが復活してテロが頻発していると聞く・・・6年前にアメリカが始めた武力によるテロとの戦いは、結果的に成功していないと言うほかはない。】
 では、福田さんは本当に洋上給油を継続すべしと思っているのか?私にはどうもそのように思えない。
 本当にそう思うのなら、11月1日の期限切れを避けるためには、もっと早く法案を提出すべきだし(早めるような指示も出していない)、何故洋上給油が必要か、もう少し説得力のある内容を法案に盛り込むはずである。
 国連の感謝決議があるなどと書かれているが、感謝決議を出してくれれば無料で給油してくれると言われたら、一銭もかからない感謝決議に賛成するのは当たり前である。
 「感謝決議に署名してくれたら無料のガソリンスタンドを営業します」といわれたら、このガソリン高のご時世、ほとんどのドライバーは署名すると思います。
 「日本の自衛隊がインド洋で洋上給油していること知ってますか?」と聞いて、知っているアメリカ人は100人に1人もいるでしょうか?
 では、福田さんのねらいはどうか?
 これは、黙って洋上給油を止めたらブッシュ様のご機嫌を損ねる。そこで、政府も一生懸命努力したんだけど、どうしても野党が反対してね、と見せかけるためにやってるだけだ。と、思うのですが?・・・