古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

バイオ燃料

2007-06-10 | 経済と世相
 G8サミットは「温室効果ガスの半減を真剣に検討する」という結論になったそうです。
 話題のバウオ燃料について、6月6日の中日朝刊に、敬愛する生物学者の中村桂子さんが寄稿をしていました。「バイオ燃料を懸念する。 生態系全体を見通さねば」という文です。
 内容は、テーマの通りですが、一部を紹介すると、

【最近、バイオエタノールという形で、久しぶりに技術の世界にバイオという言葉が出てきた。気候変動に関する政府間パネル(ha[)が温暖化対策の重要性を指摘したところから急浮上した課題であり、サトウキビやトウモロコシなど、特別の技術なしにアルコールに変換できるものを利用して、二酸化炭素の収支の帳尻を合わせようという乱暴な話である。生態系、食糧生産など、地球上の生物のありようを見た上で、利用可能な最新技術、コストなども検討し、生物材料のエネルギーを考えることは重要である。しかし、ここで登場したバイオ燃料は、そのような過程を経たものでない。・・・人間も生き物であり、生物研究とその成果の技術への活用は重要だが、それには生態系にしても個体にしても全体を見る必要がある。】

 バイオ燃料は、二酸化炭素を吸収してできる植物から作るのだから、地球環境の温暖化ガスを増やさない。というような簡単な話ではないというのです。

たとえばバイオ燃料の原料としてサトウキビを増産すれば、その時、何が減産されているのだろう。

また、サトウキビを動物が食べる場合と、燃料として燃やしてしまう場合では、地域の生態系に与える影響は全然違うだろう。

 そうした面の総合的研究なくして、バイオ燃料に直進すると、思わぬところに問題を発生する(食料価格の高騰もその一つ)危険があるという論旨のようです。