古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

「中国政治」を聴く

2006-05-31 | 放送大学
 27日、朝7:53のJR快速”みえ”で津に向かいました。土・日二日間放送大学三重県学習センターでの集中講義です。会場の総合文化センターには9時半着。一階が県立図書館で放送大学は4階。開講の10時まで図書館を覗いていました。今まで5県6箇所の放送大学学習センターを訪れましたが、ここが建物は一番立派です。
今日の講習は、ある意味で、今もっともホットな話題、「中国の政治」。近代中国史を専門とするY教授が講師です。以下、講義の中から面白いと感じた話を紹介。

1.「歴史認識」が問題にされていますが、その「歴史認識」の「歴史」とは、どの辺りの歴史か?
 村山内閣の頃、日中両国の学者が「歴史認識」を話し合う研究会がもたれたが、
中国の学者は、過去100年(日清戦争以後の歴史)を主張した。それに対して
私は、150年前から今日までの歴史を対象とすることを主張した。つまり、阿片戦争以後です。欧米文明の侵食に直面して、これの対応に共に苦悩した歴史の時代もあったのです。
 実際、孫文の辛亥革命には、日本人の多く(宮崎滔天 が有名)が後援しました。

2.親鸞上人は、自分の息子を勘当しました。上人の説く「死ねば皆成仏(仏になれる)」を逆に解釈して「どんなことをしても死ねば成仏できるのだから、生きているうちは何をしても良い」と、言ったからです。
 小泉首相は、A級戦犯を合祀した靖国を参拝することについて、「日本人は、死ねば皆仏様だと考える」と弁明しましたが、「死ねば皆成仏」とは、生前の行為は総て許されるという意味ではなく、人間は、死後は生前の行為と切り離されて、仏として遇される、ということだそうです。
 先生によれば、A級戦犯の行為が死ねば許されるということではない。
 「小泉は私の後輩(慶応大学卒)ですが」・・『彼のような後輩が出たことを申し訳なく思っています』と、先生は首相がよほど気に入らないらしい。

3.反日デモ
中国の今後を考える時、政府がコントロール出来ない次の三つの問題があり、
反日運動はその一です。
①市場
②インターネット(*)
* 講義とは別ですが、文藝春秋6月号掲載の中国のインターネット事情が面白い。グーグルの検索で、法輪功や天安門事件は出てこないそうです。
③反日運動
 中国政府はデモが行なわれることは知っていたが、あれほどの騒ぎになるとは、
まさに想定外。
 日中戦争の賠償について、周恩来や毛沢東が「賠償は取らない」といった時、
日本の首相・外相はホイホイ乗ってしまったが、あれは失敗。その時の経済力で払える
金額を払うべきだった。今回は政府が押さえ込めたが、これからは分からない。
4.北京の水問題。
 北京の水不足は深刻です(この件は、畏友高見邦雄さんから度々聞いています)。
 北京から遷都という話だって、中国数千年の歴史からいえば、不思議でない。